2004年10月24日 「娘のためにサイトの閉鎖をお願いする母親のメール」5次引用

花

基本的に、主な発信源が自分でないもの、 ほかの誰かが発信した記事の紹介・引用が中心である日記はなるべく書かないことにしているのですが、 これはあまりに面白かったので、みなさんにご紹介することにしました。

娘のためにサイトの閉鎖をお願いする母親のメール

2チャンネルに書き込まれた内容が元になって多くのblogで紹介されつつあるこの話題は、 アクセス解析を辿って見つけたものです。 わたしのサイトに向けてリンクを貼っていたあるblogにこの記事の引用があり、 その引用元は更に別のサイトからの引用であり、 更にそのサイト(上記)は2チャンネルのスレッドからの引用‥。 なので元ネタである2チャンネルから見ると、わたしのこのページは5次引用ということになります。 この記事自体の面白さもさることながら、 このウェブのウェブ(くもの巣)たる 面白さを改めて感じました。 実社会でも興味深いニュースは口コミでどんどん広がる。まさにその口コミの世界です。

ところでこの記事についてですが、何と言ったらいいか‥。もう、笑うしかない。
この記事が問題にしている事件は、ウェブサイトの運営者と、その閲覧者の母親との間に起きたことであり、 二人の子供を持つ母親で、同時にウェブサイトを運営する者であるという点で、 わたしは図らずも両方の言い分を理解できる立場にあるわけです。

しかしながら、この一件に関しては、 ウェブサイトの運営者の視点で語られているという不平等さを考慮しても、 わたし自身はこの母親の肩を持つ気にはなれません。 たとえウェブサイトを運営していなかったとしても、この独特の論理にはついていけないと思いますねえ。 それ以前に、実を言うと、あまりに話ができすぎているので、一部もしくは全部が創作ではないかと疑ってもいます。 いくら世界広しとはいえ、こんな珍事ってあるのかなあ、と。

でもこれが創作だとしたら、その作者の想像力と洞察力には目をみはるものがありますね。 親のエゴイズムというものを実によく理解している。
「自分の子供があるウェブサイトに夢中で、受験生なのに勉強しようとせず、視力も落ちてきた。 なので、そのウェブサイトを閉鎖してくれるよう、ウェブサイトの運営者にメールを出すという行動」自体は 理解できるとも、理解したいとも思いませんが、
「自分の価値観で子供の将来を決めてしまいたい衝動と、その将来にとって障壁となるものを恨む気持ち」は 分からないでもありません。

幸いにして今のところ、我が家の子供たちの方向性は私の価値観の許容範囲をそう大きく外れてはいないので、 「右に進もうが左に進もうが、どっちでもママは大賛成よ♪」なんていう物分りのいい親を演じていられますが、 これがもし許容範囲を大きく外れたとしたら鷹揚ではいられないというのは自分でも分かっています。 ただ、価値観の許容範囲というのは必ずしも不変ではなく、 子供の成長にあわせて親の価値観もどんどん変わっていく可能性があるし、 広い世界で素敵なものをいっぱい見つけることによって自然に広くなるとも思うので、さほど悲観はしていませんが。

ともあれ、実話であれ、作り話であれ、この話題はまったくもって興味深いと思います。 自分とわが子の分水嶺、我が家と世間の分水嶺‥。 いろいろ考えさせられるので、ぜひみなさんもご覧あれ。 ちなみに、「アク禁」とは「アクセス禁止」の略で、 「特定のユーザ(パソコン)からのみサイトを閲覧できなくするような仕組み」のことです。