Canada  北米一のゲレンデ・ウィスラー

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【 モンゴリー・グリル 】

モンゴリー・グリル

メイプルシロップの実験が一段落したあと、夕食をとりにレストランへ。 現在5時。正確に言うと、これは夕食ではない。何しろお昼を食べていないのだから。

今日に限らず、ウィスラーに来てから「お昼」というものを食べていない。 おとといのウィスラー初日は17時間の時差に夜も昼も分からなくなっているうちにお昼を食べ損なってしまった。 きのうは今日と同じで、遅い朝食を食べてスキーに出かけ、お昼を食べ損なったまま、 夜になってしまったのだった。一日ニ食なんて、ネコみたい。

今夜のレストランの名は『モンゴリー・グリル』。 ガイドブックでもウェブページでも、ヒゲのオジサンの評価でも、味と雰囲気には定評がある店だ。 ホテルのすぐ近く、というのも気に入った。

この店は、簡単に言うと「炒め物」料理の店だが、そのシステムがなかなか楽しい。 店内にはビュッフェのような一角があって、肉、野菜、麺など、様々な素材が並んでいる。 客は好みの素材を自分のボールによそい、それを直径2メートルはあろうか、 という大きな丸い鉄板で炒めてもらうのだ。 好みの素材を自分で選べることに加え、料理人が目の前で職人芸的に炒めてくれるのが楽しい。

料金体系がこれまた変わっていて、ボールによそった素材の重さで値段が決まる仕組みである。 炒める前に料理人が素材をボールごと秤にのっけて量る。 尤も小さな子供に関しては例外で、一回り小振りのボールがあてがわれ、 それにいくらよそっても定額の$7.99 なのであった。

ビュッフェに並んだ素材はざっと40種類ほどあり、それとは別に世界各国のソースも18種類。 なんであれ『選べる』ことに弱いうさぎには天国のような店である。 ずらりと並んだ素材を見ているだけでもう、「シアワセ〜〜♪」って感じ。
それに素材の一つ一つには英語名がついていたので、「へえー、これって英語でこう言うんだー」と勉強になった。 タケノコが"Bamboo Shoots"、ホタテが"Scallops"って言うなんて、知りませんでしたわー。
40あっても、さほど変わった素材はなく、「なんじゃこりゃ??」と思ったのは, 唯一"Herb Tofu" だけであった。 これは、トーフの中にレモングラスかなんか、細長いハーブが入っている、というシロモノで、 ちょっと怖くて試せなかった。

4人がそれぞれ別のボールによそったにも係わらず、割と内容は似通ってしまった。 やはり「炒めるんだったらコレ!」という定番感覚が頭にあって、それから逸脱した素材には冒険しにくい。 例えばトマトなんて入れる気がしないし、マメ類もちょっと‥と思ってしまう。 ネネとチャアがウドンを入れたので、きりんとうさぎは中華麺に逃げたが、 何も麺を絶対にいれなきゃ、ってこともなかったなと後から思った。 長粒米のご飯とみそ汁またはスープがサービスされたので、炒め物はおかずに徹してもよかったのだ。

ネネとチャアはソースを入れ忘れたが、しょうゆやウスターソース、 塩・こしょうがテーブルに置いてあるので問題はなかった。 一方、きりんは無難にもテリヤキソースで和風に纏め、 うさぎは"Chef's Special" (シェフの特製ソース) とガーリックソースに果敢に挑戦、 それにゴマをかけてもらい、結果として中華な味に仕上がった。

炒め物の味は、特にほっぺたが落ちるほど美味しい、というほどでもなかったが、なにしろシステムが珍しく、 楽しく食事ができた。
食事代金は100gにつき3ドルで計算されるらしく、4人分で55ドルにもなった。 それに7%の税金と約15%のチップを足すと67ドル。 たかが炒め物に5000円も支払ったのか、と後で計算して卒倒しそうになった。
特にウドンは比重が高いので、ウドンをタップリ入れたネネのボールは高くついた。 ヒゲおじさんは「安く上げたいなら、肉は避けるべきでしょう。 ソースもあまり入れると重くなりがちです」と言っていたが、一番警戒すべきはウドンかもしれない。 誰も肉ばかりの炒め物は食べようとは思わないが、ウドンベースはやってしまいがちだものね。 ラッキーだったのはチャアの子供用ボールで、小さいボールとはいえ、 いくら山盛りによそっても定額料金というのは、結果的にものすごくおトクだった。 17ドル掛かったネネのと内容も量もほとんど変わらなかったのに$7.99とは、半額以下だものね――。

ちょっとわが家の経済観念からは外れた食事代金であったが、きのう、おとといと自炊で安く上げたから、 ま、いいでしょ。

帰りしなにもらったジンジャークッキーにはおみくじが入っていた。曰く、

嘘つきが事実を述べても信用されない

皆の願いこそが最良の法

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