Essay  うさぎの旅ヒント

【 傷害保険 】

「旅行収支に書いてある傷害保険の掛け金が一人1500円などと安いけれど、どうして?」 というメールを先日頂いたので、そのことについてちょこっと書きます。

わが家では、海外旅行に行くときには必ず傷害保険を掛けます。
掛ける保険は、海外旅行用の傷害保険。だれでも入れる種類のものです。
保険会社も、国内最大手のメジャーな損保です。

ただ、普通の会社の窓口に置いてある商品ではありません。 ふつうの保険代理店や旅行代理店の窓口に置いてある海外旅行用の傷害保険のパンフレットは 「セットメニュー」というべきもので、死亡保障や治療費用、携行品の損害など、 各種の保障がセットになったものです。 そして、一人につき5000円とか、10000円くらいする商品になっていると思います。

けれど、わが家が掛けるのは「アラカルトメニュー」。 死亡時の保障がいくら、携行品の保障がいくら、と、 自分でアレンジして掛けられるタイプの商品です。 こういうパンフレットはふつう窓口には置いてありません。 でも保険会社の支社(代理店ではなく)に直接電話を掛けるなり出向くなりして、 「単品で掛けられる保険を掛けたい」と伝え、奥の方からゴソゴソと出してきてもらいます。

このアラカルトメニューのいいところは、「好きな保障を好きなだけ買える」という点。 セットメニューは言ってみれば抱き合わせ販売なので、 自分には必要のない保障まで買わされることになりますが、 単品で買うと、そういうことがありません。 ※ただし、傷害時の死亡保障を最低1000万円掛けることと、 掛け金の合計が一人1000円以上、という制限があります。

たとえばわが家は、疾病時の死亡保障には一銭も掛けません。 出かけるときにはピンピンしていたのに、 一週間程度の旅行の間に突然病気にかかって死ぬなんて、 天然痘とかエボラ出血熱とかが流行っている地域に行くんでない限り、 滅多にないような気がしますもの。 それに、死んでからお金が入っても嬉しくないし。

その代わり、旅先で怪我や病気をした時には、金に糸目をつけず、 思う存分(?)医者に掛かりたいと思うので、治療費用には掛けます。 ――といっても、その保障金額は傷害時・疾病時ともに、最低額の300万円。 それだけあれば盲腸の手術だってできますから、充分です。

あと、携行品はきりんだけが掛けます。 携行品といっても、うちの場合、高価なのはカメラとビデオだけなので、 これも最低額の30万円保障でも多すぎるくらいです。

それから賠償責任。 たとえばバスタブに湯を張ろうとして眠ってしまい、ホテルを水浸しにしてしまった、 なんて場合にホテルから請求される賠償金を肩代わりしてくれる保険です。 これは大事なので、ドーンと5000万円掛けます。
5000万円。すごいでしょう? 一点豪華主義? ――実はこの保障、8日間の旅行で5000万円掛けても、掛け金はたった40円なのです。

セットになっていると、一体どういう保障にどのくらいの掛け金が割り当てられるのか、 さっぱり分からないままにお金を支払わなくてはなりませんが、 単品で掛けるとそれが明瞭で、すがすがしい気分です。
内訳が分かったところでセットメニューのパンフレットを見ると、 人によっては不必要な掛け金がたくさんあります。

たとえば、手元にあるパンフレットで8日間のセット保険に入ると、 最低でも5570円かかります。
その中には救援者費用として500万円の保障が含まれています。 「救援者費用」というのは、海外で入院をした時、 親族が現地に駆けつけるときに支払われる費用のことです。 その費用に500万円とは、旅行先がグアムあたりなら、 100人の親族を現地に呼べますね。 でも、必要かどうかにかかわらず、セットにはそういう保障がついていて、 その掛け金も取られるのです。
それに疾病時の治療費用。300万円の保障なら1190円ですむ掛け金は、 セットメニューで最低額を選んでも、600万円保障で掛け金は2370円。 保障金額が倍ならば、掛け金も倍です。 でも、旅行先で突然ものすごい大病に掛かるつもりがないならば、 1180円浮かせることができます。
あと、携行品。 40万円相当の貴重品を持たせるつもりがないならば、子供にこの保険は贅沢過ぎる。 1020円はムダ金ですから。

8日間の旅行で最低額を掛けても、セットメニューだと4人で2万2280円。 でも、わが家の場合は8470円。 ファミリー割引というのがあり、二人目からは安くなるので、 家族ならばパンフレットの料金表よりも更に安くなります。 これでも、昨年4月にずいぶん価格が値上がりしたんですけどね。 ご興味がおありの方はプーケットの収支をご覧ください。もっともっと安かったんですよ。

2001年9月22日 うさぎ

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