Fiji  マナ島とフィジアン

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【 フィジアン・ウエアリング 】

ネネとユーニス

フィジアンの衣装を着て写真を撮る、それはなんとも魅力的なアクティビティだった。 フィジアンの衣装を着せ付けてくれた人も、愉快なオバチャン、ユーニスだった。

海で遊んだその足でフィジアン・ブレに向かったので、うさぎたちは水着を着たままだったが、それがよかった。 服を着て来た白人の夫婦はユーニスに言われてしまった。
「いいかい、よく覚えておおき。フィジアンの衣装を身に付ける時には、水着を着てこなくてはいけないよ」と。 そして、結局着せ付けて貰えなかったのだ。

どうして水着でなくてはならないのか。それは、フィジアンの衣装は露出部分が多いからなのだ。
女性はまず水着の肩ヒモを下ろして胸から下にミノを付ける。 その上から腰ミノを巻く。二の腕にも藁で作った飾りを巻き付け、耳の上に花を差してでき上がり。
男性は腹の回りにまず茶色いタパクロスを巻く。そしてその上から腰ミノを巻く。 そして首に藁のレイを掛け、女性同様二の腕にも飾りを付け、やっぱり耳の上に花を差す。 男性でも耳の上に花を差すのが面白い。花は、男性・女性に係わらず、独身者は右、既婚者は左に差すと決まっている。

男性が腹に巻く「タパクロス」というのは、分厚い和紙のような風合いの不織布である。 南太平洋特有のもので、木の皮をひたすら叩いて叩いてのばすのだと、ユーニスが教えてくれた。 これはフィジーのお土産としてもメジャーなもので、 白地に黒やこげ茶の幾何学模様のスタンプを押して模様を付けたのものを店で見かけたが、 このフィジアン・ウェアリングで使用したのはラクダ色に近い明るい茶の無地で、まるで腹巻のようだった。 腰ミノは、ウエストよりも大分低い位置に巻くので、これを身に付けたきりんは、なんだか胴長に見えた。

衣装を最初に着たのはうさぎ、きりんがその後に着せつけてもらい、一緒に写真を撮った。
その後、日本人のハネムーンカップルが着て、そのあとネネが着た。 女性が水着のヒモを下ろす時は、ユーニスがミノで胸を隠してくれるのだが、ネネの時には、隠しながらも、
「 (まだ子供だから、見えても) ノープロブレムだ」と言って笑った。 失礼しちゃうわね! ネネちゃんはもう一人前のレディーなんですからね。

フィジアンの衣装を身に纏ったネネはとてもきれいだった。ネネと一緒に写真に納まって、 とユーニスに頼んでネネに寄り添ってもらうと、ネネが軽く身を引いた。 さっき日本人のカップルがユーニスと写真を撮ったとき、ユーニスが、その亭主の股間に椰子の実を当てたのを見て、 自分もやられるのではないかと警戒したのだ。その様子を見ると、ユーニスは言った。
「分かってるよ、この子は」そしてまたガハハと笑った。

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