Palau  パラオ

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2004年10月19日の日記より

パラオ旅行手配メモ2 宿手配

航空券の手配が済んだら、今度は宿泊先の手配です。 こちらも全く苦労することなく、希望のリゾートが取れました。 ただ、その「希望のリゾート」をどこにするかでちょっと迷ったかな。

最初にいいなと思ったのは、パラオの首都コロールにほど近いリゾート島・アラカベサン島にある キャロラインリゾートでした。 「地球の歩き方」 に掲載されていた写真を見て、一目で気に入っちゃった!

見晴らしの良い丘のてっぺんにコテージが8つ。 そのうち一つは、ファミリー用なのですって。 パラオ産マホガニーで作られたという伝統的な建築様式のコテージはパラオムード満点! お山のてっぺん、ジャングルを見下ろす小さなコテージに、 一家4人でごちゃごちゃひしめく夜長を想像したら、シアワセ〜な気分になりました。

二番目にいいな、と思ったのは、アイライビューホテル。 ここってすごいの。何がすごいって、お値段がと〜ってもリーズナブルなの。 だから、 広〜〜〜いお風呂のついた「プレジデンシャル・スイート」なんていうすごい名前のお部屋にだって泊まれちゃう。 これまた「地球の歩き方」によれば、内装は中国産のヒノキを使用しているのですと。 ロビーには、パラオ一大きいといわれるストーリーボード(パラオの伝承逸話を木に彫りこんだ民芸品)が 飾られているそうで、こういうホテルの広いお部屋でゴージャスするのもいいわねっ♪と思いました。

ただ、アイライビューホテルについては、一つ困ったことがありました。 それは、公式ウェブサイトが表示できなかったこと。 URLは分かっているのだけれど、ディレクトリもちゃんとあるのだけれど、 どういうわけだか表示できるページがないのです。

ただのアップロードミスで、そのうち復活するだろうとは思うのですが (注:閲覧できるようになったようです 2005年3月27日現在)、 公式ウェブサイトが閲覧できないのって、不安ですねえ。 ほかにも情報がふんだんにあるようなホテルならそれほどでもないかもしれませんが、 アイライビューホテルは台湾資本で建てられたホテルで、 日本語情報はおろか、検索を英語で掛けようが 台湾語でかけようが、 他にはホント、情報らしい情報が見つからない。 そんな状況下で唯一の頼りである公式サイトが表示できないとなると、 その存在自体、どこかあやふやに思えてくるから不思議です。 「404 page not found」というメッセージは、 「この電話は現在使われておりません」と同じ不気味さで、 「住所不定」「音信不通」という意味合いを連想させるのです。

「まあいいわ。パラオへ行くんですもの。 中国産ヒノキよりもパラオ産マホガニーよねっ♪ ここは迷わずキャロラインリゾートにしましょう」 一週間、あの手この手でアイライビューホテルに関して手を尽くした結果、 ついにうさぎは諦め、きりんとそう決め‥かけました。

ところが。 キャロラインリゾートについてまだ少し調べているうちに、第三のリゾート発見! 「ノースビーチコテージ」です。 これがまた、えらくマイナーなリゾートで、ほとんど情報がない。 分かっているのは、バベルダオブ島のどこかにあるらしいということと、 キャロラインリゾートと経営者が同じらしい、ということくらい。 何しろ「地球の歩き方」にすら掲載されていないのですから、そのマイナーさは折り紙つき(?)であります。

そして、ノースビーチコテージの公式サイトを探し出すのにも、これまた苦労しました。 リンクの記載は多々見つかるものの、どれもリンク切れ。 どこかに移転しているかもしれないと思い、別のURLを探しましたが、 存在するかどうか分からないものを探すのは、出口のないジャングルの中を彷徨っているような気分。 でも幸い、新しいURLを見つけ出すことに成功し、このジャングルから脱しました。

ようやく探し出したノースビーチコテージ のウェブサイトは、きりんとうさぎを熱狂させました。 どこが気に入ったって、まず、その秘境ぶり! 「パラオ産マホガニー」で建てられたバンガローの数はたったの4つ。 住所から察するに、どうやら空港よりも北の、ジャングルの迫った白砂のビーチにあるらしい。 パラオのホテルというのは、空港よりも南にあるのがお約束ですから、それだけでもかなり変わりダネです。 そして何より、その辺境の地にあって、そこはどうやらホテル独自のアクティビティプログラムが豊富みたい。 尤も、旅行会社の主催するツアーアクティビティもここまでは迎えに来てはくれないでしょうからね。 ホテル独自のプログラムで楽しむしか道はないわけです。

「こういうのっていいよね♪」と、きりんとうさぎは盛り上がりました。 ホテルのスタッフに連れられて、近くの村を訪問したり、カヤックツアーに出てみたり。 「こういうのってゼッタイ楽しいはず!」ということで意見が一致しました。 だって、バリのアラムプリで経験したバイクツアーの楽しかったこと‥! ロングビーチやミルキーウェイなど、パラオの名所に行く夢を全部捨てても、 ノースビーチコテージに泊まりたい、と思いました。

けれども、バクゼンとした不安もありました。 たとえば、ジャングルの中でもし迷子になったらどうしよう、とか、 そんな人里離れたところでもし病気になったらどうしよう、とか、 数少ないホテルのスタッフともしソリがあわなかったらどうしよう、とか、 何かの手違いで空港に迎えが来なかったらどうしようとか‥。 一つ一つの不安は馬鹿みたいですが、 辺境の地にあるということは、もし万が一何かアクシデントがあったとしても、 その環境から自力で脱することはできないということ。 そういう状況が漠然と怖かったのです。 公式サイトを探していたときの気分がその不安を助長しました。

そして結局、その不安に負けてしまいました。 もしもきりんとうさぎだけだったら、結論は違っていたかもしれない。 でも子供が一緒だと思うと、その不安に勝てませんでした。 そしてキャロラインリゾートに予約を入れました。

キャロラインリゾートに予約を入れる際には「本当にこれでいいのか?」と、 メール送信ボタンを押すのを何度もためらいましたが、 思い切って送信し、返信を受け取った頃には腹が決まり、 「これでよかったんだ」という気がしてきました。 ノースビーチコテージの圧倒的な個性の前に忘れていたことを思い出したのです。 キャロラインリゾートってとっても素敵なんだ、ってこと! この素敵な場所を基地に、これからいろんなストーリーを思い描けると思うと、嬉しかった。 ここなら他にないストーリーを描けそうだという予感がしました。

キャロラインリゾートのウェブサイトにはゲストブックが置かれていて、 米国各地をはじめ、カナダ、メキシコ、ドイツ、フランス、ルクセンブルク、 スイス、クロアチア、それにオーストラリア、フィリピン、台湾、南アフリカなどなど。 まさに世界中からパラオにやってきてこのリゾートに宿泊した人々の書き込みがありました。 世界のあちこちから、8部屋しかないこの小さなリゾートに集まってくるんだなあと思ったら、愉快になりました。 そして、我が家もこのお仲間に加われるかと思うと、ワクワクしました。 それだけでもストーリー性のある感じがしました。

思うに、眠る場所というのは特別な場所です。 そこから夢の世界に入ってゆき、再び目覚めるところだから。 だから宿は大事にしたい。 我が家のリゾート選びの基準は、そこにしかない「光景」や「ストーリー」を描けることです。 利便性とかグレードの高さといった「条件」は二の次三の次。 「総合点」が高いことより、「憧れの一点」で決めちゃうことが多い。

かつての我が家にとってその「一点」とは、長らく「稀有なプール」のことでしたが、 最近は子供たちがプール熱から醒めたので、もっと様々な光景を思い描けるようになりました。 バリでは、それは「田園風景」だったし、 ブルネイのときは、石油で潤った国のいかにもな「きんきらきん」でした。

今回のキーワードは「パラオ産マホガニー」でしょうか。 いや別にマホガニーでなくたっていいんだけど、 キャロラインリゾートの板張りの壁はどことなく、ストーリーボードを連想させ、まずそこに憧れたのでした。 板張りのコテージにひしめきあい、 ジャングルの向こうに広がる世界を眺める一刻こそが、今回の「光景」かもしれない。 コテージの狭さと、それを取り巻く世界の広さの対比を想像するとゾクゾクする〜♪

さーて、一つしかないファミリー用バンガローも無事に取れました。 今後はキャロラインリゾートでの「光景」を軸に、どんなストーリーを描けるか。 それを半年かけてゆっくり考えることにします。 宿が決まると夢は具体的になり、ここからが一番楽しい時期です。

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