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【 カタール航空 】

カタール航空機

ちょうどカタール航空が羽田に乗り入れたのが、渡りに船でした。 増便直後は航空券が安い。 航空券の高い夏、サーチャージを入れても10万切る価格に小躍りしました。

しかも羽田発。成田より近い。 ただしスケジュールはいまいち。 真夜中発の真夜中帰着。

でも考えようによっては、会社員の短い休みを有効に使える便利なスケジュール。 その日の勤めを終えてから空港に向かっても、フライトに余裕で間に合う。

アラブ圏のチュニジアへアラブ系の航空会社で行かれるのも満足でした。 カタール航空は評判もいいし、ドーハ乗り継ぎも初めての経験♪

実際、ドーハまでは満足なフライトでした。 夜なので、自然に眠くなり、食事の時間以外はずっと眠っていたので、10時間の飛行時間が短く感じられました。

だがしかーし。

ドーハでチュニジア行きの便に乗り継いだとき、問題が起こりました。 搭乗券の印字を頼りに席を突き止めると、そこには先客がいたのです。

「すみません、席をお間違えじゃないですか?」と搭乗券を見せると、 先方も自分の搭乗券を出してきました。

そしてなんと!! そこにはうさぎのと同じ席番号が印字されていたのです!!

そんなことって初めて! というか、そんなことって、ありえるんだーー!!

オーバーブッキングはよくある話。 だけどそれは、搭乗前に分かること。 搭乗してしまってから、二人の人間が同じ席に二重に登録されていることが発覚するなんて、そんな話、聞いたこともない。 システム上、そんな状態にはなりえないようになっているとばかり思っていました。

乗務員に相談すると、こともなげに「そこで待ってて」と言われました。 こんなことって、よくあるんでしょうか。全然びっくりしていない。

でも「そこで待て」と言われても、座るところがないのだから、狭い通路につったっているしかない。 われら3人の座席のうち、2つは先客がいて、残りの一つには乗務員のものらしき荷物が山のように積まれており、座れる状態にありませんでした。

座席はほぼ満席。 後部座席が二つ空いたというので、きりんとちゃあを座らせることにしました。

正確には「空いた」のではなく無理やり「空けた」ようです。 すでに席についている単身者を別の席にどかし、二つ続きの席を確保したらしい。 どかされた人はいい迷惑。 当然、不愉快になり乗務員に抗議したようですが乗務員に押し切られ、しぶしぶ席を明け渡したそうです。 その席に収まるほうはバツが悪いったら・・・。

それでも、きりんとちゃあは無事席に収まれてよかった。 うさぎはまだ突っ立ったままでした。 他にも席にあぶれた人がチラホラいて、でも乗務員の懸命な座席操作により、徐々に数が減ってきてはいました。

最後に残されたのはうさぎと、10才くらいの男の子。 たった一人で辛抱強く待っている。 アラブ人だろうか。 えらいなあ。 親は一体、どこにいるんだろう?

乗務員たちは立ちんぼうの乗客が減ってきたのに気を良くし、うさぎとその子のことはすっかり忘れているみたい。 乗務員が一人こっちへやってきたので、うさぎは空席に積まれている物を片付けてもらい、その子を座らせました。 さあ、これで立ちんぼうはうさぎだけ。

見たところ、もはや機内は満席。 これは乗れないかな、と思い、きりんとちゃあに、万一うさぎが乗れなかったら、チュニスの空港のバゲージクレームで待っていて、と伝えました。 でも次の便に回るようなことがあったら、絶対アップグレードを要求してやる、と心に誓いながら。

また乗務員が通りかかり、「お客さま、まもなく離陸ですので、お席にお着きください」とお決まりのセリフを吐きました。 うさぎは思わずイラッとして、「どこに座れっていうんですか? わたしの席はどこ?」と尋ねました。

乗務員は、「またか」とウンザリした顔を隠しもせず、空席を探しにいき、うさぎもそのあとにくっついていきました。

すると、一つだけ空席が見つかりました。 乗務員は「ほら、席ならここにあるじゃない」といわんばかり。 「すみません」の「す」の字もないどころか、首尾よく全員席に納めることができて、なんだか得意げ。

!! お客を15分以上も不安なまま、立ちんぼで待たせておいて、結果的に座れれば、「終わりよければ全てよし」?!

ありえない! 日本では絶対ありえない!!

でも、これがアラブクオリティ。

席にやっとついたあともしばらく腹が立っていましたが、これでまたアラブネタを一つゲットしたとほくそ笑む自分がいました。

思えばドーハまでは日航との共同運航便。 機材や乗務員はカタール航空でも、いうなればそこはまだ半分日本でした。

でもドーハを飛び立ったあと、いよいよここは100%アラブだと、実感したのでありました。

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