今週の月曜日から上野の国立東京博物館で「サウジアラビア王国の至宝」という展覧会をやっています。そのお手伝いに昨日行ってきました。具体的には、博物館敷地内に設置したベドウィンの伝統的なテントで、サウジアラビアの民族衣装を着て、来館者の方々に展示品の説明をしたり、アラビックコーヒーとなつめやしをふるまったりしてきました。
すごい大盛況! なつめやしとコーヒーは一日1000人分を用意。なのに全然足りない。なつめやしは閉館前に全部はけてしまいました。
屋外なので寒かったけれど、楽しかったです。
アラブ・イスラーム学院の在校生・卒業生のボランティアが交代で出ていますが、同学院のアラブ人スタッフも一緒なので、業務連絡は基本アラビア語。
世界各国から外国人のお客さまも多く、簡単な英語もけっこう使いました。
ただ、誰が外国人なのかがよくわからない^^; てっきり日本人だと思い「どうぞ」と日本語で言ったら「Thank you」と英語で返事が返ってきたり、てっきり外国人かと思って英語で「Here you are」と言ったら、「どうも」と日本語で返ってきたり^^;
西洋人ははっきり違うからわかりますが、中国人や韓国人は日本人と見分けがつかない。「なんでー? すぐ分かるじゃん」と言う人もいるけれど、わたしには全然分からないーー。
日本人でも、長いおひげのおじいさんは外国人に見えてしまいます。
でも面白いのは、外国人に見えるおじいさんは、性格も外国人(笑)。日本の方は自分のほうから話しかけてこない人がほとんどですが、こういうおじいさんはどんどん話しかけてくる。おばあちゃまもそう。顔が外国人ぽい人は、性格も外国人ぽい。
もしかしたらその風貌の違いというのは、持って生まれた造作の違いじゃなく、表情の違いなのかもしれません。
外国の方、特に西洋人って人懐こいですね。英語が通じるとわかると、どんどん話しかけてくる。必ずしも英語ネイティブではないから、完璧な英語とは限らない。でも全く気にしていない様子。
日本人でも、海外経験が長かった人は積極的ですね。アラブ人スタッフと英語やアラビア語でリラックスして楽しそうに会話していました。必ずしも「ペラペラ」ではない。でも充分に通じる。
こういうのっていいな、と思いました。わたし自身、個人レッスンでは物怖じしないけれど、誰か他に日本人がいると急に喋れなくなってしまう性質なので、羨ましかったです。
なんでかなあ? 日本語だと普通に話せるんですけどね。これが英語となると、自分で自分の文法やら発音やらをチェックし、喋りながら「あっ、ここが」とか「あそこが」とヒヤヒヤしてしまうのはなぜなんだろう? 日本語だってうまく説明できないことはたくさんあるのに、それとはまた違うのよねえ。
「外国語で話す」ことに一生懸命になりすぎてしまい、リラックスして会話を楽しめない。余分なところに力が入ってしまう。なんだか肩が凝る。
外国語には常に、何かしら劣等感のロックがかかっているなあと、改めて思いました。「これは外国語なんだ」と過剰に思いすぎているというか。
アラビア語なんかはたいていの人には何言ってるか分からないだろうから、傍から見たらもしかしたら普通に自然に喋っているように見えるかもしれませんが、実は「今のは3人称女性複数未完了形だから語尾はナでいいんだよね」とか「動名詞だから定冠詞をつけた。ここはヨシ」とか、「今のは複数形にしたほうがよかったんじゃ・・・?」などと一言発するたびに頭の中で反省会を開き、いちいち舞い上がったり落ち込んでいたりします。
まあでも楽しかった。いろんなお客さまと話せたし(日本語で)。
来週にもシフトが入っているので、楽しんできます。
ちなみにサウジアラビアの展覧会「アラビアの道」は3月18日まで。アラブ・イスラーム学院のテントとなつめやしのおもてなしは2月4日まで。休館日は月曜日です。
↓ おもてなしに忙しく、ブログ用の写真があんまり撮れなかったので、一部友だちに借りました。