ページの過不足なく、最後の1ページまで文字が書かれているノートが好き。中途半端にページが残ったノートをみるとイライラします。
でもそう都合よく、書きたい量とノートのページ数がぴったりにはならない。たいていの場合、ページが余ったり足りなくなったりします。
そりゃそうですよね、語学は無限、ノートは有限。どこまで続くか分からない学習をページ数の決まったノートで切り取るのだから、どうしたって矛盾が出ます。
この矛盾を解消するには、二つの手段が考えられます。
- ノートのページ数を学習量にあわせる
- 学習量をノートのページ数にあわせる
つまりどちらか一方を加減し、他方にあわせるわけです。
学習量に合わせてノートのページ数を加減する
これまでは、主に最初の手段を試みてきました。つまり、ページ数の増減が可能なノートを模索してきた。
その結果、落ち着いたのが、ツイストリングノートです(※過去記事参照)。
ツイストノートはルーズリーフ同様、ページの抜き差しが可能で、しかもルーズリーフほど場所をとらない。リングの大きさを変えることも可能。とても気に入っています。
でもその使い方についてはまだまだ試行錯誤中。ページ数が増やせると思うと、ついついあれもこれも欲張って書いてしまい、ページ数が膨大になって、あとから見返す気になれないのが難点。これをどう解決するかが今後の課題です。
ノートのボリュームに合わせて内容を加減する
今回は発想を変えて、二番目の方法を画策してみました。ページ数が固定の普通のノートを使い、ノートのページ数に合わせ、内容を加減することにしたのです。
使用するノートはA5サイズの60ページ。持ち歩くにも、あとから見返すにも、ちょうどいいサイズ感のノートです。
ページの最初から漫然と書きだすと先が読めないので、どこになにを書くか、まずノートの構成を最初に決めることにしました。
自分で項目を考えるのは難しいので、市販のテキストをペースメーカーに使いました。ノートのページ数に合わせ、60課あるテキストに沿って、1ページに一課ずつ割り当てました。どう?簡単でしょう?
ロシア語でしゃべっチャイニーズ
使用したテキストは「中国語見よう見まねでしゃべっチャイニーズ」です。
・・・え? 中国語? ロシア語やってたんじゃないの?と思われた方、ご心配なく。ちゃんとロシア語やってますよん^^。使ったのは中国語のテキストだけど、作ったのはロシア語のノートです。
ほら、冒頭以外はちゃんとロシア語。
つまり、項目立てだけ拝借したのです。見出しだけ中国語で書き、相当するロシア語の用例をあちこちから引っ張ってきて、日本語で説明や訳語を書き加えました。
項目が先に決まっていると、作業効率も良い
先に項目を決めてしまったおかげで、時間効率も良かったです。
ノートのページを前から順に使っていく場合、一ヶ所でも書けないページがあると先に進めず、そこで作業がストップしてしまいますが、項目が先に立っていると、書きたいページから書ける。分からないところは空欄にしたまま、次に進めるのです。
だから効率が良い。どこに何を書くか迷うこともないからサクサクはかどり、5日間で60ページ、おおよそ書き終えてしまいました!
市販のテキストがベースだから項目の順序も適切な上、裏表紙に目次を貼ったので、あとで復習するときも、どこに何を書いたかが分かりやすいと思います。
大成功!
気に入ったテキストをベースにする
成功の決め手は、まず第一に「気に入ったテキストを選んだこと」だと思っています。
「ロシア語にもこういうテキストがあったらいいのにな」と思っていたお気に入りのテキストが、ノートのページ数と同じちょうど60課だったことが幸いでした。
「中国語見よう見まねでしゃべっチャイニーズ」は、一つ一つの構文パターンを、単語を入れ替えて使いまわすタイプのテキストです。
たとえば、
洗手间
桑拿浴 在 哪儿?
兑换处(お手洗い / サウナ / 両替所はどこですか?)
という項目では、上記の三つ以外にも18種類の選択肢があり、赤字の部分だけ単語を入れ替えて使えるようになっています。
わたしのノートでは、テキストにある選択肢の中から自分が使いそうな単語だけをセレクトし、テキストになくても自分が使いそうなものを加えました。たとえば上のページでは、ロシア語訳である
Где туалет?
(トイレはどこですか?)
を書いたあと、使いそうにない「サウナ」などは除き、代わりに
- автобусная остановка(バスの停留所)
- стоянка такси(タクシー乗り場)
- станция метро(地下鉄の駅)
- вокзал(駅)
などを書き加えました。
別言語のテキストをベースにする
元のテキストがロシア語ではなかったことも、結果的に良かったと思います。
もしもロシア語のテキストをベースにしていたら、元のテキストが気に入っていれば気に入っているほど、テキストの丸写しになってしまっていたかもしれません。
ベースが別言語のテキストだったから、アイデア・構成だけ拝借し、自分が気になっていること、知りたいことを気ままに整理することができた。
構文、入れ替えて使う単語のみならず、時制を変えてみたり、派生語を書き入れてみたり。おかげで「こういうときはどうなるのかな?」という疑問がかなり解決し、あとでまた「あれ? これどうだっけ?」と思ったときに参照できる、自分だけのオリジナル・アンチョコを作ることができました。
たとえば上記の「~はどこですか?」のページには、
- Мужской туалет(男子トイレ) / Женский туалет(女子トイレ)
- от себя(押す) / к себе(引く)
- занято(使用中) / свободно(空き)
といったトイレ関連表現をまとめておきました。
これは、複数のフレーズ集のあちこちから引っ張ってきた寄せ集め。
意外とこういう表現が一つに纏まっている本ってないんですね。でも必要じゃないですか? 昔、機内のトイレで vacant の意味が分からず、困ったことありますもん。
他にも、完了体と不完了体、定動詞と不定動詞のニュアンスの違いなど、今までモヤモヤしていたことが、似た例文を書き並べることで、だいぶクリアになりました。
無理に完成させない
項目は最後の60ページまで立っていますが、実はまだ白いページも残っています。
なぜ白いままかというと、書く内容がまだ定まっていないか、理解が十分ではないからです。
そういうページは無理して今埋めようとせず、いずれちゃんと理解できたら書こうと思っています。
項目が立っているということは、全体の見取り図がもうあるということ。焦る必要がない。
むしろ、適当に余白が残っていた方が、あとから書き足すついでに、書き終えたところを見返すチャンスも生まれる。思えば、いままでで一番よく活用したノート(アラビア語)も、そういう使い方をしていた気がします。
ノートを計画的に作る方法まとめ
ページ数が決まっているノートを使う場合、以下のことに気をつける。
- 全体構成・ページの割り当てを最初に決める(市販テキストの構成を拝借)
- 市販テキストの丸写しにしない(別言語のテキストを使うと良い)
- 余白を無理して埋めない(時間をかけてノートを育てる)
余談 ノートのリフォーム
実はこのノート、リフォームです。中途半端に10数ページ書きかけたまま、戸棚に眠っていたノートの再利用。フリクションで書いた文字を熱にかざして一気消し、まっさらなノートに戻しました。
元は64ページでしたが、同じ形式の別のノートのページが足りなくなったので、ノートの真ん中から紙を一枚(4ページ分)取ってそちらへ移し替えたので、60ページになりました。
中途半端に書いたノートが有効に再利用できて嬉しいです。