友達と函館に行ってきました。雪の函館、きれいでしたよー!
でも雪で滑って転びそうなので、空港のコンビニで簡易アイス・スパイクを購入。
ロシア極東連邦総合大学函館校
函館に行った主目的は、ロシア極東連邦総合大学函館校の訪問です。ウラジオストックにあるロシアの名門大学の分校で、ロシア語をはじめ、ロシアの文化などについて二年間または四年間学べるそうです。わたしは首都圏在住なので入学は無理かもしれないけれど、どんな環境でどんな風にロシア語を勉強しているのか見てみたくて、事前に学校見学を申し込み、授業を見学したり、先生に詳しくお話を伺ってきました。
ロシアの大学からいらしている先生も多く、ロシア語もちょこっと使うチャンスがありましたよん(^。^)
こちらの学校、函館の人気スポット・八幡坂沿いにあります。たぶん函館に行ったことのある人は、まずこの学校の前を通ったことがあるんじゃないかな。
授業は1年生のリスニングの授業を見学。真っ赤な椅子と白い丸テーブルが並び、教室というより、カフェテリアみたいな雰囲気。ビデオを使ったレッスンでした。先生はロシア人で、生徒は15人くらいでしょうか。先生は質問もロシア語。でも日本語もお分かりになるようで、「今の文を日本語に訳しなさい」という課題もありました。
たまたま今のわたしにちょうどよいレベルの話をやっていたので楽しかったです。この授業でわたしはогурец(キュウリ)という単語を覚えました^^。
いつもは1学年10人くらいだそうですが、今年の1年生は人数が20人くらいと、例年より多いそうです。「もし来年、生徒がもっと増えたら、クラスを2つに分けなくては」とおっしゃっていました。少人数制なんですね。
生徒はやはり若者がほとんどでしたが、年配の方も。また以前は函館近辺出身の生徒が多かったそうですが、最近はインターネットの影響か、全国から生徒が集まってくるとのことでした。
2年次の終わりに、2年コースの人は1ヶ月、4年コースの人は3ヶ月のロシア留学があるそうです。2年コースと4年コースのカリキュラムは共通する部分が多いので、2年コースのつもりで入っても、あとから4年に延長できるそうです。
ロシアの大学とリンクしているので、ロシア語やロシア文化以外の授業、たとえば英語や体育、数学の授業もあるそうです。
お昼休みの食堂で在校生の方とお話しするチャンスもありました。
このボルシチ、なんとマヨネーズ入り! マヨネーズ好きで有名なロシア人、案外本場ロシアでも、きょうびのボルシチにはスメタナの代りにマヨネーズを入れたりするのかも?! ちょっと変わった感じで美味しかったです。
お話しした方は、定年退職後に入学された方で、首都圏からこの学校に入るために函館に来られたのだそうです。「ロシア語は、最初は崖のぼり。でも英語のようにいつまでもダラダラと難しいことはなく、最初の崖を上ってさえしまえばあとは割と平坦と人から聞き、やってみようと思った」のだそう。
また「文法にこだわりすぎるとロシア語は難しく感じると思う。でも耳から大量に入れて慣れていくことで、難しい部分も案外サラッと超えられている気がする。この学校では文法もやるけれど、そこがメインではないのが良いのだと思う」とのことでした。
こんな感じの資料を頂きました。
そうそう、2月9日(土)の「はこだてロシアまつり」という催し(文化祭みたいな感じ?)があるようです(こちら参照)。
各ページにはロシア各地の写真が入っています。ネットで取り寄せも可能でしたが、現地で買いたかったので嬉しい^^
この学校の存在を知ったのは先月のことです。函館旅行中に前を通りかかった友達が「こんな学校があるよ」と教えてくれたのです。彼女はわたしと同じアラブ・イスラーム学院の卒業生。ロシア語はやっていないのですが、アラブ イスラーム学院に似ているね、ってことで盛り上がり、一緒に訪問しました。
アラビア語とロシア語の類似点
これはわたしの考えですが、そもそもアラビア語とロシア語自体、日本における言語の位置付けが似ていると思います。
- 世界でトップレベルに難しい言語と思われている
- 特定の思想や宗教のイメージがついてまわる
- 国連公用語でありながら、人気はいまいち
まずロシア語もアラビア語も「世界一難しい言語」の名を欲しいままにしている(笑)。実際、少なくとも最初のうちは崖のぼりであることは間違いない。まず文字からしてラテン文字じゃないので敷居が高い。
またロシア語は共産主義のイメージ、アラビア語はイスラム教のイメージが強く、そういう意味でも敷居が高い。言語を学んでいるというだけで、そうした特定のイデオロギーに傾倒または関係を持っていると思われがち。こんなに特定の思想や宗教のイメージが染みついた言語は、ロシア語とアラビア語のほかにはないと思います。
そうした理由からか、国連公用語であり、NHKでテレビ・ラジオ講座もあるのに、どちらもいまいちメジャーになりきれず、「そんな言語やって大丈夫ー?」みたいに心配されてしまうところが、ロシア語とアラビア語はよく似ています。
アラブ イスラーム学院との比較
またロシア極東連邦総合大学函館校とアラブ イスラーム学院もいろいろ似ています。
- 海外の大学の分校である
- ネイティブの先生が多い
- 学校の規模(在校生の数が2ケタ)
- 多様な年齢・出身の生徒が集まる
- 校章のデザイン(上部に開いた本、下部に文字)
- NHK語学講座の裏表紙に広告を掲載
一方、大きく違うところもあります。ロシア極東連邦総合大学函館校がアラブ イスラーム学院と異なる点は、
- 学校法人で、専修学校という位置づけ
- 授業料がかかる(年間74万円)
- 教育メソッド
アラブ イスラーム学院は治外法権なので、日本の法律から自由な部分もあれば、日本の学校として認められないことからくる不便さ(たとえば通学定期が申請できない)もあります。ロシア極東連邦総合大学函館校はその点、ロシアの大学の分校でありながら、日本の教育システムに組み込まれている。
ちょっと意外だったのは、ロシア極東連邦総合大学函館校の教授法。ダイレクトメソッドではないとのことです。この学校ができた20数年前当時はダイレクトメソッド(授業でロシア語しか使わない)だったそうですが、そのやり方に合わない生徒が多いことに気づき、日本語も取り入れることにしたのだそうです。
確かにダイレクトメソッド(学習言語だけで学ぶ)が合わない人は多い。わたし自身はダイレクトメソッド大好きですが、ダイレクトメソッドが自分に合うと思う人は、おそらく10人に一人くらいではないかと。
アラブ イスラーム学院も、わたしが在籍していた10年くらい前は完璧なダイレクトメソッドでしたが、最近は日本語で質問できる場を放課後に設けていると聞いたことがあります。完全なダイレクトメソッドは日本人には難しいのかもしれません。
あと、ロシア極東連邦総合大学函館校では生徒はみなロシア語の愛称を持っているそうです。授業見学でも先生がロシア語の愛称で生徒を呼んでいました。「格変化の練習のため」とのことでしたが(ロシア語は名前も格変化する)、そもそも学習言語の名前で呼ばれて「ネイティブになりきる」のってまず楽しいし、言語モードを切り替えやすくなると思う。
わたしもアラビックネームを持っていて、今でも学院へ行くとその名前で呼ばれますが、最近はアラビックネームをつけなくなったと聞きました。それがもし本当なら、寂しいなあ~。
ちなみに、学校を案内してくださった先生は黒田龍之助先生の紹介でかつてミールに通われていたそうです。私にとっては「本の中の学校」に通った人が目の前に立っているって、なんだか不思議~! これだからロシア語学習界は面白い^^。
ロシア・東欧雑貨店チャイカ
ところで、ロシア極東連邦総合大学函館校の訪問に先駆けること二日、チャイカというロシア・東欧雑貨のお店に行きました。学校からすぐのところにある素敵なお店です。
すっごく私好みのお店でした。何時間店内にいても飽きない。
店内にはお茶を飲めるスペースもあったので、ジャムつきの紅茶を注文。お茶を飲みつつ長居をしていると、なんとロシア極東連邦総合大学函館校のロシア人先生が登場! ここでもちょびっとロシア語を使い、前もって学校のお話も伺うことができました^^。
あー楽しかったー! 函館でロシア気分を満喫しました。・・・って、普通に五稜郭とかにも行きましたけどね。でもメインはやはりロシア~!
次は本物のロシアに行ってみたいなあ~!