多言語

Mondly有料会員使用感

 今日はMondlyについて書きます。昨年8月から毎日使ってきたスマホアプリです。現在は8言語を同時に学習しています。

Mondlyで8言語

 Mondlyには毎日日替わりで配信される「デイリーレッスン」というのがあります。各言語共通の内容で、わたしはロシア語、中国語、アラビア語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、トルコ語、インドネシア語の8言語でやっています。使用言語を英語にしているので、英語の学習にもなります。日本語まで入れるとちょうど10言語です。

 Mondlyのデイリーレッスンは一言語につき2、3分。レッスンをこなすだけなら8言語やっても30分もかかりません。

 昨年はロシア語を中心にやっていて、「これ、○○語ではどう言うんだっけ?」と思ったときだけ他の言語でもやってみる程度でしたが、今年に入ってから上記の8言語を毎日やると決めました。

 更にだんだんエスカレートしてきて、ここ2週間ほどはノートを作って例文を書き写したり、関連事項を調べてメモしたりしています。このやり方だと一日分あたり小一時間かかります。

有料会員になってみた

 しかも、有料会員になってしまいました。毎日新しいのが配信される午前0時が待ちきれなくなって。無料会員はその日に配信される分しか見られないのですが、有料会員だと過去のバックナンバーが自由に見られるのです。

 そんなわけでMondlyやり放題! あと一日分、もうあと一日分と欲を出し、気づいたら寝る間を惜しんで一日に10日分以上やっていたりとか、もうビョーキです^^;

 そんなわけで今日は主にmondly有料会員になった後の使用感について書きます。無料会員時代の使用感に関しては過去記事をご覧ください。

 ちなみにmondlyの有料会員にはいくつか種類がありますが、わたしは4500円で一年間有効の全言語プランに登録しました。これ、90%オフで定価は4万5000円とのことですが、この6ヶ月間この価格以外見たことがないので、実質これが定価でしょう(笑)。1言語ごとのプランもありますが、全言語のほうが安いので、他のプランを選ぶ理由が分かりません。

 無料会員と有料会員の違いは2つ。

  1. 全ての恒常コンテンツが見られる
  2. デイリーレッスンのバックナンバーが見られる

 無料会員は恒常コンテンツはお試し程度しか見られず、デイリーレッスンはその日に配信された分のみ。でもけっこう無料会員でも楽しめ、わたしは昨年の8月から今年の年初まで無料会員で、今回初めて有料会員になりました。デイリーレッスンのバックナンバーは現在1500弱あります。

 追記:mondlyには永久会員もあることを知りました。そちらの体験記は以下をご覧ください。

Mondlyの特徴

 次に、類似の語学アプリとの比較から感じたMondlyの特徴を順に書きます。

  1. 毎日配信されるデイリーレッスンがある
  2. 言語の切り替えが簡便
  3. 検索機能がある
  4. コンテンツが各言語共通

毎日配信されるデイリーレッスンがある

 Mondlyにおけるデイリーレッスンのような日替わりメニューは同じ言語学習アプリであるDuolingoBusuuにはありません。Mondlyの特徴と言えるでしょう。

 Mondlyには場面ごとに分けられた恒常的なレッスンもありますが、復習にはデイリーレッスンが便利です。なぜならどの単元をやろうかと迷わずに済むからです。ただその日の分をやればいい。有料会員になってからも、わたしはいつもまずその日のレッスンから取り組むことにしています。

 デイリーレッスンは設問数が12個で、2、3分で終わります。単語から入り、最後にその単語を使った例文が2つあります。その日によってなんとなくテーマがあるのが楽しいです。たとえば、「読書」という単語から始まり「本」「棚」「図書館」「司書」と続くこともあれば、同じ「読書」という単語で始まり「趣味」「音楽」「テニス」「料理」と続くこともあります。

 デイリーレッスンには恒常的なコンテンツに出てこないような例文や単語もでてきます。通常のコンテンツでは動詞活用練習もそれほど多くありませんが、デイリーレッスンでは様々な動詞の活用が出てきます。

 Mondlyの恒常的なコンテンツは1レッスンにつき設問数がデイリーレッスンの倍くらいあり、時間も倍かかります。これを8言語やるとなるとちょっと荷が重いので、有料会員になった今でも、わたしはデイリーレッスンを中心にやっています。

言語の切り替えが簡便

 Mondlyはとにかく言語の切り替えが簡単。しかも言語を切り替えても、今やっている単元を覚えておいてくれる! これは多言語同時学習には最強に便利です。

Mondly言語切り替え画面
言語切り替え画面

 使用言語も変更できますが、使用言語の切り替えには2アクションかかります。特に学習言語ごとに使用言語を指定できないので、たとえば「英語→アラビア語」から「スペイン語→フランス語」に切り替え、また「英語→アラビア語」に戻ってくるのはちょっと手間がかかります。使用言語をスペイン語に切り替えると、アラビア語をやるときも使用言語がスペイン語になったままだからです。

検索機能がある

 なにげにすごく便利なのが、コンテンツの検索機能です。「この単語を使った例文が見たい」と思ったとき、使用言語で検索をかけ、それが含まれているレッスンを探し当てることができます。

 この検索機能、たとえば「than」で検索をかけると「thank」まで引っかかってくるので、ちょっといまいちではありますが、とにか検索機能があるだけでも非常に助かります。最初はただ与えられたレッスンをやるだけだったのですが、最近は知りたい文例が含まれているレッスンを探してやったりもしています。

コンテンツが各言語共通

 Mondlyのコンテンツは各言語共通。良くも悪くも、これもMondlyの特徴だと思います。

 おそらく英語を元に33言語に翻訳していると思われ、コンテンツが各言語共通だからこそ、「これ、○○語ではどう言うんだっけ?」と思ったとき、すぐに調べられる。使用言語が34言語から自由に選べるのも、ただ二つの言語をマッチングしているだけだからでしょう。

 ただしこの方式には弊害もあります。

  1. A言語を経由して使用言語Bと学習言語Cを結ぶので、翻訳のズレが大きくなる
  2. 文の仕組みが異なる言語に一つの枠にはめるのは無理がある

 1の問題はある程度防げます。媒体言語が英語である可能性が高いので、学習言語を英語にすると、翻訳のズレが減らせる可能性があります。

 2の弊害は媒体言語(おそらく英語)からかけ離れた言語ほど大きくなり、英語にない仕組みがどうしてもこぼれてしまいます。

 たとえば女性専用の職業名詞。Mondlyのロシア語は、女性の写真に「教師(男性)」や「学生(男性)」といった単語がついていたりします。

 また、体系的に出てくる動詞の活用は「1人称単数複数、2人称単数、3人称単数複数」のみ。英語で区別しない人称は出てきません。たとえば多くの外国語にある2人称複数。ましてアラビア語の双数や二人称女性などは当然無視です。

 一方で、日本語や中国語、インドネシア語のように人称による動詞変化がない言語もありますが、それでも「私は食べる、あなたは食べる、彼は食べる、彼女は食べる・・・」という文が延々と続きます。

 それ以外の特有の言語の仕組みに関しては、もちろん何の配慮もされません。たとえばトルコ語の属格構造の仕組みなどは例文を見てもまったく規則性がつかめません。

 なので、Mondlyは新しい言語を体系的に学ぶのには向かないと思います。不可能とは言わないまでも、かなり難しいと思います。

 上記のような欠点があると分かった上で割り切り、練習量を増やすためのサブ教材として、もしくは既習言語の復習やメンテに使えば良いのではないでしょうか。

 各言語共通型だからこそ多言語同時メンテにはすっごく便利、もはや最強と言えるので、この特徴を欠点と捉えず、「Mondlyは復習向き」ということで、このまま変わらないで欲しいです。新しい言語を学習するツールは他に求めれば良いのですから。

 Mondlyに限らず、各言語共通型の言語学習アプリ(たとえばuTalk(140言語を網羅)で新しい言語を始めるのは難しいと思います。新しい言語を始めるならDuolingoBusuuのほうが適していると思います。

 特にDuolingoはお勧め。わたし自身、アイルランド語をDuolingoだけで学んだことがあります。Duolingoはその言語専用に丁寧にコースが作られていて、パソコンだと文法説明が見られたり、疑問点をフォーラムで質問することもできます。このフォーラムが便利で、既習言語でもけっこうこのフォーラムで疑問が解決することは多いです。

 一方Busuuは元は各言語共通の作りですが、それぞれの言語特有の文法解説が日に日に充実してきています。ほぼBusuuのみでトルコ語を学び、けっこう何でもトルコ語で書けるようになった日本人も知っています。わたしより年配の方です。Busuuにはネイティブによる相互添削システムがあり、沢山作文を書き、それをネイティブに直してもらって書けるようになったそうです。

 新しい言語を始めるためのアプリには、

  1. 各言語固有の作り
  2. ユーザ同士の横の繋がり

の二つが必要なのかもしれません。Mondlyにはそのどちらもないので難しいですが、わたしはMondlyが大好きで、このまま変わらないで欲しいと思います。教材は万能である必要はなく、要は適材適所だと思うのです。

 こうしてわたしは毎日楽しく多言語Mondlyしているわけですが、そもそも多言語を同時に学習することに利点はあるのでしょうか。次回はそれについて書きます。

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