いよいよポリグロットカンフェレンスが近づいてきました。明日、福岡に向けて発ちます。
なぜ会場が首都圏ではなく、海外からの直行便があんまりなさそうな地方都市なのだろうと不思議だったのですが、昨日たまたま疑問が解けました。会場となる九州産業大学に、ポリグロットの教授がいらっしゃるのですね。Tim Keeley先生とおっしゃる。なんと30言語で意志の疎通がはかれるそうです。今回の大会のスピーカーの一人でもあるので、この先生が今回の大会をご自分の大学に誘致なさったのかな、と思いました。
で、このTim先生の論文をちょこっと拝見していたら、Hyperglotという言葉が出てきました。最初はてっきりHyperpolyglot(超多言語話者)の略かと思ったのですが、どうもそうではないみたい。
Urban dictionaryによれば
hyperglot
Different from hyperpolyglot, it is a person who studies languages for pleasure more than for necessity, generally studying several at a time and going back and forth between them.
(ハイパーポリグロットとは違い、必要があってというよりは楽しみのために、概して同時または行きつ戻りつしながら複数の言語を学ぶ人のことである。だそうです。
えっ?!!
・・・これ、まさしくわたしのことじゃない??
そうか、わたしはハイパーグロットだったんだ!! 英語でわたしみたいな人のことをhyperglotと呼ぶんだったのね!
なんかカッコよくないですか? ハイパーグロット。横文字というところがカッコいい♡
まあまだ新語で、意味が安定していないようですが。
hyperglotとはこういう人のこと。↑
「ポリグロット」という言葉自体、日本語としてはあまり一般的ではありませんが、polyglotというのは「多言語話者」のこと。つまり日本語でいえば「マルチリンガル」。multilingualがラテン語由来の言葉なのに対し、polyglotはギリシャ語由来です。
multilingualとpolyglotは同義語ですが、実際はmultilingualは形容詞、polyglotは名詞と使い分けられる傾向にあります。多言語話者の意味でmultilingualが使われているのをわたしは一度も聞いたことがない。どの国の人と話しても、多言語話者の意味ではもう必ずpolyglotを使ってくる。で、じゃあmultilingualは使われないのかというと、多言語的環境などと言うときは、multilingual circumstancesとかmultilingual atmosphereとか、polyglotではなく専らmultilingualが使われている気がします。
bilingualやmonolingualは形容詞にも名詞にも使われるのに、面白いですね。
あと、hyperpolyglot(ハイパーポリグロット)は新しい造語なので、何言語をどの程度喋れたらハイパー(hyper)がつけられるかの定義は一説によれば6言語、一説によれば20言語とまちまちです。
一方polyglotは、2言語だとbilingualなので、3言語以上というのが一般的なようですが、実際は5言語喋れないとpolyglotとは呼べないとか、全部ヨーロッパ言語だとpolyglotとは呼べないとか、ローカルルールもいろいろあるようです。
日本人からするとポリグロットどころかバイリンガルだって憧れだけれど、世界的に見れば、日本のようなモノリンガル環境のほうが少数。世界の約60%(一説には75%とも)は二言語以上の言語が混在する地域に育った人だそうですから、ただのバイリンガルか、それともポリグロットと呼ばれ得るかはけっこう気になるところのようです。
まあどのみちわたしなんぞはポリグロットどころかバイリンガルとも呼べないのであんまり関係がないけど。
なのでハイパーグロットという呼び名を得て、とっても嬉しいです^^。