今日、フランス語で書かれた物語を一冊読み上げました。全く辞書なしでフランス語の本を読んだのも初めてなら、こんなに長い物語を読んだのも初めて! あーよく読めたよー。すごい!!>あたし! 達成感~♪ 嬉しい~~~!!
実はここ数日風邪を引いていて、今は本を読むくらいしか、できることがありません。だから目が痛くて読めないときは素直に寝て、読めるときはひたすら英語を読んでいました。
で、今日はふと、買ってあったフランス語のグレーデッドリーダーズを手にとってみたわけです。
読んだのはCLE internationalという出版社から出ている「En francais facile」シリーズの一冊、「En Famille(家族で)」という物語です。使用語数は500語というから、英語のグレーデッドリーダーズにすれば、レベル2くらいに相当する感じ。総語数はどこにも書いてありませんが、感覚的に、8000語くらいかなー。読み終えるまでに、たぶん4時間くらいかかりました。
最近、英語は、簡単なものなら水を飲むような勢いでゴクゴクと、ほとんどストレスを感じずに読めるようになっていましたが、年季の浅いフランス語。最初の5ページがきつかった! 知らない単語はそんなにないのに、なぜか読んだ文がうまく頭に入っていかない。何か、パサついた肉のかたまりを無理やり飲み込もうとしている気分。片っ端から日本語に訳していって、やっと意味が取れる感じ・・・。
それでも読むのをやめなかったのは、話の先が知りたかったからです。なにしろすごく悲惨な物語で、「ここでやめたら悪い夢を見そう」と思った。読むのをやめるんなら、主人公の少女の境遇が少しはマシになってからじゃないと。
とはいうものの、最後までこの調子だったらどうしよう、という不安もありました。最後まで読まされた挙句、ルーベンズの絵の前で死ぬとかいうような結末だったらどうしよう~~?! だから読み進めるのも、それはそれで気が重かった。
ところが、ふと10ページ目くらいで「ひょっとしてこの話、『ペリーヌ物語』なのではっ?!」と気づきました。なぜかというと、主人公が「ペリーヌ」という名前だったから。
・・・といっても、ほとんど内容は知らないんです。昔テレビのアニメでやっていた気がしますが、見ていなかったので。ただ、夫がこのアニメの大ファンで、「ペリーヌってさあ、頭がいいんだよ! 語学の達人なんだよ!」と、あたかも身内を自慢するがごとく話しているのをこの20数年間、聞かされ続けてきたので、「こいつがそのペリーヌか」と思ったのです。
最後がハッピーエンドだったかどうかまでは知りませんが、たしか金持ちのおじいさんが出てくるんじゃなかったかな? もしかしたらその爺さまが、ペリーヌを幸せにしてくれるかもしれない。
出てくるような気がしていたでかい犬は出てこないし(代わりにロバが出てきた)、ルーベンズの絵の前で死ぬのは男の子だったような気が・・・。女はしぶといから、そう簡単に死なないような気もしてきました。
そう思ったら、あら不思議、突然フランス語が苦にならなくなっちゃった。たぶん、希望が生まれたからですね。主人公が幸せになるかもしれない、という。読むのが楽しくなってきました。
同時に、フランス語に慣れてきたんだと思います。なにしろ使用語彙が限られているから、似たような表現が何度も出てくる。全ての語彙の一つ一つが硬い肉のようだった最初の頃に比べると、最後のほうは、カレーライス見たいな感じ。ところどころつっかえるところはあるものの、スルッと読めるところが増えてきました。
読み始めたばかりの頃の感想は、「フランス語に比べると、さすがに英語はけっこうできるんだな」でしたが、読み終えての感想は、「なんだ、フランス語でこの程度読めるんなら、英語の実力もたいしたことないな」(笑)。せっかくだからこの際フランス語に自信を持てばいいのに、相対的に英語を落とし込むところが、我ながらネガティヴ思考だ・・・。
でも収穫もあったんですよ。というのは、今回のフランス語は、とても「多読メソッドっぽい読み方」をしたのです。・・・というか、初めてちゃんと「多読」したような気がします。
今まで英語は、背伸びをせず、割と余力のあるものばかり読んでいたので、好き勝手な読み方でもなんの問題も感じませんでした。でも今回のフランス語はちょっと背伸びで、知らない単語もあり、分からない部分も多かったので、「これらをいちいち立ち止まって調べていたら、読書しているんだか辞書引いてるんだか分からない状態になりそうだぞ」というサーモスタットがおのずと働いたのだと思います。全く辞書を引かず、分からない部分は読み飛ばして読みました。辞書を引きたいという気さえ起こらなかった。細かいことはどうでもいいから、とにかくペリーヌがどうなるのかが一刻も早く知りたかった。
こういうのが「多読」なんですね。よむスピードはともかく。
多読メソッドには「日本語に訳して読むな」という鉄則もあるのですが、最初のうちは日本語に訳さないと読めなかったからこそ、逆に「日本語に訳さずに読む」というのがどういうことか分かりました。実はこれまで、自分が英語を日本語に訳して読んでいるのかどうか分からなかったのですが、英語に関しては、どうやら訳していないようです。日本語に訳して読むことが、いかに効率が悪いかを思い知りました。
ところで、外出先から帰ってきた夫に、フランス語でペリーヌ物語を読み上げたことを自慢したところ、
「へー、そうなんだ。 ペリーヌって、僕、大好きなんだ~!」。
・・・・・・。 そんなの、とっくに知ってるってば (メ-_-)