ブックオフで200円の絵本を7冊、買ってきました。
これがその戦利品です。これだけ選ぶのに1時間半。これでも絞り込んだつもり。あまり本を増やしたくないので。
目下一番のお気に入りは、淡い色遣いの右上の絵本です。西洋アルファベットの中にところどころ、ðとかþといった不思議な文字が混じっていて、一体何語だろうと思いながら買いました。
奥付けに、出版地がレイキャビクとある。ということはアイスランド語? アイスランド語って初めて見ました。
さっそく、絵と見比べながら、字面を眺めてみる。
なんとなくあらすじが分かりました。絵本だしね。それに英語やドイツ語に似ているんです。
kóngdóttir というのはきっと king’s daughter つまりお姫様のこと。
ならば kóngssonur というのはきっと king’s son つまり王子様のこと。
góð は good 、hún は she 、hann はたぶん he のこと。
ね? 似てるでしょう?
こういうのを拡大していくと、文章だって、ところどころ分かっちゃう。
Einu sinni var lítil kóngdóttir sem hét Dimmalimm.
There once was a little king’s daughter named Dimmalimm.
むかしむかしあるところに、ディンマリムという名の小さなお姫様がいました。
Í garðinum var lítil tjörn og á tjörninni voru fjórir svanir.
In the garden was a little pond and on the pond were some swans.
庭には小さな池があり、池には白鳥がいました。
Þú mátt ekki gráta, Dimmalimm mín
Do not cry, my Dimmalimm
泣くのはおよし、僕のディンマリム
・・・ってかんじかな? 多少違ってるかもしれないけれど、たぶん、こんな感じ。
svan- ときたらたぶん swan(白鳥)のことだと思うけれど、svaninn とか svannurinn とか、語尾にバリエーションがある。・・・てことは、格変化があるのかな。-inn部分は一種の定冠詞かも。
gráta、grét、gráttu は、たぶんどれも「泣く」という意味だと思うけれど、形が微妙に違う。・・・てことは、動詞もきっと変化するのね。
あと、動詞と見られる語の語尾に -ði がついていることがよくある。たぶん、これは過去形なんじゃないかなあ?
辞書がなくても、文法書がなくても、全く知らない言語でも、1時間絵本を眺めるだけで、なんとなくこれくらいのことは推測できる。
多少勘違いがあるかもしれないけれど、気にしない。アイスランド語ってこんな言葉、というのがなんとなく分かればそれで十分。何一つ知らなかった言葉が少し身近に感じられるようになっただけで満足です。
たった200円でこんなにリッチな時間が買えたわたしって超ラッキー^^。ブックオフよ、ありがとう!!
本を買うって、こういう楽しい時間を買うことなんだなあ、とつくづく思います。
新しい言語に出会うと開くのは、朝日ジャーナル「世界のことば」と、「世界のことば小辞典」です。いずれもすでに絶版の古い本。新しい言語に出会い、興味をひかれるたびに、いつもこの二冊をひもときます。
それらによれば、アイスランド語って「生きた化石」的言語なんだそうです。大陸から遠く離れた島で話されてきたから、他の地域の言語が失った古い言語の特徴をよくとどめているのだとか。
あと意外だったのが、アイスランド人は基本的に姓を持たないのだそうです。姓の代わりに○○の娘とか○○の息子というのがファーストネームのあとにくっつく。○○はお父さんの名前。
それって、まるでアラブみたいじゃないですか? 灼熱の太陽が照りつける砂漠の国と、氷につつまれたさいはての島、そこで同じような名前の仕組みを持っているって、なんだか不思議ですね。
アイスランドかあ・・・。地熱発電やってて、温泉に入れる国ですよね。←それしか知らない(笑)。
いつか行ってみたいなあ~。