先日始めたスペイン語の「アルプスの少女ハイジ」、全52話を見終えました。70年代のアニメとは思えない新鮮さ。ほんと~によかった!
アニメは原作とはだいぶ違っていました。中でも一番異なるのはペーター。原作のペーターはクララを憎んでいますが、アニメのペーターはクララと仲良しで、足の悪いクララに献身的に尽します。
わたしは原作もアニメも好きですが、本より映像のほうが印象が強く、本から得たイメージは、今やほとんどアニメのイメージで上書きされてしまいました。ついでに低燃費少女の影響下からもついに脱出。助かった・・・。
わたしはアニメのハイジが大~好きです。・・・といっても、こんな子が娘だったら絶対ゴメン。自分自身がハイジになりたい。そういう「好き」です。
この健康さ、この身軽さ! 全力で走って跳ねまわって! 派手に転んで転がって・・・! でも体重が軽いから、ケガしない。
下着姿、パンツ丸出し。わたしもこんな風に身軽になって、アルプスの山を駆け回りたい。息をハアハア切らせながら。ああ、おのれの体重が憎いわ・・・。
覚えたスペイン語
この三週間、本当~~~に楽しかったです。ハイジと一緒に、スペイン語の山を思う存分駆け回り、跳ねまわれたから。
スペイン語は初めてだから、最初は何もわかりませんでした。でも最後のほうでは少し分かるようになってきました。まあ「少し分かる」というのは、「ほとんど分からない」というのと同義語。モノは言いようです。
でもスペイン語ってこんな言葉かな、というイメージが掴めたし、おみやげに、ものすごく偏った語彙を手に入れました(笑)。
たとえば、最初に覚える動物の名称って、普通は犬か猫でしょ? でもわたしが最初に覚えた動物の名前は「ヤギ」。家族は、お父さん・お母さんをすっ飛ばし、いきなり「おじいさん」(笑)。
動詞活用も、普通は「現在形」→「過去形」・・・の順だろうけれど、「命令形」→「接続法現在形」の順。なぜならスペイン語って、「○○しないで」って言うとき、接続法を使うからです。
このいかにも「ハイジ・ワールド」って感じの偏りが気に入っています。ハイジにとっては、犬よりヤギ、お母さんよりおじいさんが大事。この偏った語彙は、ハイジにハマった記念です。
フレーズも同様で、自然とハイジの生活に即した順に覚えました。つまり、出てきた回数の多い順です。
- 誰もが使うあいさつ言葉
- 誰かの口グセ
- 山場のセリフ
誰もが使うあいさつ言葉
挨拶言葉は出てくる回数がハンパじゃないので、真っ先に覚えました。
「¡Hola! こんにちは」や「¡Gracias! ありがとう」から始まり、「行ってきます」「ただいま」「いただきます」にあたる「¡Hasta luego! またあとで」「¡Estoy aquí! わたしはここよ」「A comer! さあ食べよう!」などなど。
誰かの口グセ
誰かの口グセも、同じ言葉が何度も繰り返し出てくるので、頭に残りやすかった。
口グセって性格出ますねえ。ロッテンマイヤー嬢はヒステリー、クララは気弱、デーテはいつも急いでいる(笑)。そういうのが面白くって^^。
ハイジは好奇心が旺盛で、しょっちゅう「¿Por qué? (なぜ?)」と言っている。それに対し、おじいさんはちゃんと答えるけれど、ペーターは答えられない(笑)。
ハイジの口グセ
- ¡Mira! 見て!
- Ah…, ¡Qué bonita! うわあ、かわいい!
- ¿Por qué? どうして?
ペーターの口グセ
- ¡Cáscaras! なんてこったい!
- ¡Por nada! どうしても!(ハイジの「どうして?」に対して)
- ¡No lo sé! 知るもんか!
おじいさんの口グセ
- Porque….. なぜならば・・・(ハイジの「どうして?」に対して)
- Heidi, ven aquí. ハイジ、こっちへおいで
- Heidi, ¿Qué te pasa? ハイジ、どうした?
デーテの口グセ
- ¡Date prisa, Heidi! ハイジ、急いで!
ロッテンマイヤーさんの口グセ
- ¿Qué estás haciendo, Adelheida? 何してるの、アーデルハイド!
- ¿Qué es eso? 一体これはなんなの?!
- ¿Qué ha pasado? 一体何があったの?!
- ¿Por qué no me contestas? なぜわたしの質問に答えないの?!
クララの口グセ
- ¡Tengo miedo! 怖い・・・;;
- No puedo… わたし、出来ない・・・;;
- ¡Déjame! もう放っておいて!
山場のセリフ
山場のセリフも意外と繰り返されます。「Se ha levantado! クララが立った!」なんてセリフは、みんなが大喜びで何度も言うので、割とすぐ覚えた。
それに、急展開場面は「たぶんこう言ってるんだろうな」というのが分かるので、聞き取りやすいんです。
クララがロッテンマイヤー嬢に反旗をひるがえす場面
- ¡No comeré hasta que me lleven a los Alpes!
アルプスに連れてってもらえるまで、わたし食べない!! - Si no quiere nada más, puede irse.
これ以上用がないなら、行ってよろしい!
立場がいきなり逆転するこの場面、大好き!!
アルプスに来たクララの独白
- Ojalá que pueda correr…
わたしも走れたらいいなあ・・・ - Pedro, Heidi y el abuelo todos son muy buenos conmigo. Pero….
みんなとってもわたしに親切。でも・・・。
最初は元気になっただけで嬉しかったクララ。でもだんだん、みんなのお荷物になっている自分が辛くなってきます。
偶発的にクララが初めて立ち上がる場面
- ¡Te has levantado tú solo!
あなた、立ったのね、自分の力で! - ¡Te has puesto de pie!
自分の足で立ち上がったのね! - ¡Dios Mío!
ああ、神様! - Es como un sueño; el más deseado de los sueños…
ああ、夢みたいだわ、夢の中でも最も望んでいた夢・・・。
・・・と、感激していた涙も乾ききらぬ間に、
- Intenta. Así, no tengas miedo.
さあ、やってごらん。そうそう、怖がらないで。
・・・と、もう歩く練習をさせるクララの祖母。這えば立て、立てば歩めの親心? けれど自分が立ち上がったことすらほとんど覚えていないクララは「No puedo, no puedo Abuelita.(おばあさま、できないわ、わたし出来ない!)」と叫ぶのであります。
その後も、周囲の期待が大きすぎてプレッシャーになり「¡Quiero volver a Fráncfort!(フランクフルトへ帰りたい!)」と言い出すクララ。そんなクララに、ハイジは「¡Una cobarde!(このいくじなし!)」と叫ぶ。そのスパルタなハイジのおかげで、クララは歩けるようになるのでありました。
いやほんと、ハイジはなかなかスパルタであります。スパルタ少女ハイジ(笑)。原作でもペーターがよくハイジに脅されていましたっけ。たとえば:
“Peter, wenn du nicht auf der Stelle kommst, so werde ich dir auch etwas machen, das du dann sicher nicht gern hast; das kannst du mir glauben!”
(ペーター、あんたがとっとと来ないんなら、あたしだって、あんたが嫌がることをやってやる。あたし、本気よ!)
お~怖っっ!
定型的な挨拶に比べると、山場のセリフはバラエティに富んでいる分、難しかったです。でも「このセリフだけはど~してもなんて言ってるか知りたい!」と思うセリフがあるんですね。そういうときは、何度も聞いて、辞書をひきまくりでした。
考えたけど結局分からなかったセリフも多々あります。そういうのは、次回見る時のお楽しみにとっておきます。
実は全部見終わったあと、もういちど最初に戻って、最初の一話だけ見てみたんです。そしたら、前分からなかったセリフがだいぶ分かるようになっていました。これをあと二、三回繰り返したら、それだけでもけっこうスペイン語、分かるようになるかも~?!
でも「スペイン語でハイジ」はとりあえずこれでおしまい。今後しばらくは、別の言語をやるつもりです。
スペイン語はいつかまたそのうち。ハイジを見るのはとても楽しかったけれど、でも見終えられて嬉しい^^。
なぜって、ひとつ終えると、また別のことができるからです!