トルコ語

トルコ語は簡単?

 トルコ語の入門書の序文にはたいてい「トルコ語は日本語と語順が同じで、日本人にとっては習得しやすい言語です」というような文言が書かれています。へええ、そうなのか、と期待していましたが、今のところ、まだ日本語ネイティブのアドバンテージは感じられていません。

 よく考えると、語順がSOVの外国語を学ぶのは、トルコ語が初めて。そのせいなのか、いろんなアクセサリを先につけ、最後に動詞で締めるという、日本語では当たり前にやっている語順に、いまだに慣れません。どーしても動詞が先に頭に浮かんでしまう。

 あと、いりもしない目的語をわざわざ考えてしまう。いっぱいいっぱいのクセしてそういう無駄なことをしているから、肝心の部分に集中できない。

 「なんだよ、習得しやすいなんてウソじゃん。ウソつき!」と、日本中のトルコ語教師をうそつき呼ばわりしはじめた矢先、友達にまで「トルコ語は簡単」と言われ、ブチ切れそうになっているわたしです。

 実際その友達は、10年も前にやったきりというトルコ語がスラスラ口から出てくる。こともなげに喋り、こともなげに「Türkçe çok kolay(トルコ語は簡単)」を連発。

 ・・・つまり、トルコ語が簡単に思えないの、わたしだけですか? ・・・がっくし。

 ちなみに「簡単と思えない」のは単なる気分の問題ではない。実際、進捗がスペイン語のときに比べて遅いんです。3ヶ月以上経つのに、まだ基本文法も終えていない。スペイン語で3ヶ月っていったら、接続法を終えてましたよ。

 まあスペイン語には英語・仏語から連想できるラテン語語源の語彙が大量にあり、ボキャに苦労しなかったというのもありますが。でもそれを言ったらトルコ語だってアラビア語からの借用語彙が大量にある。それでもなお「こんなはずじゃなかった」感がある。

 何かのコツみたいなのがあるのかなー?

 あるとき突然、そのコツをつかんで一気に上ー達!・・・なーんて夢みてるんですが、ダメかしら?

 あーあ、トルコ語が難しいと思う人、ほかにいないのかな?

 このままでは孤独すぎる。「トルコ語って難しいよね」と、誰かと傷を舐めあいたい。

 「X語はカンタンです詐欺」も「X語は難しい」も、みんなで渡れば怖くない。

 問題は、みんな簡単って言ってるのに、一人だけ、そうは思えない場合です。

 だがしかし。このまま泣き寝入りでは終わるまじ。こうなったら徹底的に「トルコ語は難しい」キャンペーンだ! 以前書いた「アラビア語は難しい?」に倣い、トルコ語の特徴を以下にまとめて仲間を増やす!

 さあどうだ、これでもまだ「トルコ語簡単」言いますかー?

トルコ語の特徴

 厄介な特徴を、それ以外をで示しました。

文字
29文字(西洋アルファベット)
単語の切れ目が容易にわかる
発音
文字と音が一対一対応
子音の発音に難しいものはない
母音は8種類で、難しい発音のものがある
声調はないが、母音調和がある
格変化
格変化は5種類で、それぞれ母音調和が絡む
動詞活用
活用形の数は非常に多いが規則的
名詞
名詞に性はないが、人称変化がある
複数形の作り方は規則的

 ・・・ほらー、が4つもある。タイ語の6つよりはマシだけれど、アラビア語と同じ。英語よりも多いじゃないかあ!!

 以上、「トルコ語は難しい」、証明終わり!

参考:スペイン語の特徴

 ちなみに昨年ハマっていたスペイン語。

文字
27文字(西洋アルファベット)
単語の切れ目が容易にわかる
発音
文字と音が一対一対応
子音の発音に難しいものはない
母音は5種類で、難しい発音のものはない
 声調はなく、アクセントの位置が明確
格変化
格変化は代名詞のみ
動詞活用
活用形の数は多め
名詞
名詞の性はあるが、規則的
複数形の作り方は規則的

 ほら、良い子のスペイン語には、赤が1つしかない。

 ・・・って、わたしはスペイン語に甘やかされていたのか? それでことさらにトルコ語が難しいと感じるのかも。

 でも実際、難しいと思うんですよねえ・・・。

 確かに文章の骨格は日本語に似ているんですが。でもその肝心のメリットが逆に壁になってる気がする。

 あと、öの発音ができない。毎日練習しているのに。母音調和にも慣れない。

 そしてなんといってもメンドクサイのが人称変化。人称語尾と人称の付属語がゴッチャになってしまう。

 たぶん、この人称の変化を除けば、まだだいぶラクなのでは、と思うのですが、そうぼやいたところで、突然トルコ語から人称変化が消えてなくなるわけでもないしなあ~。

カッパドキアにて
タイトルとURLをコピーしました