トルコ語

「最初のペンギン」

 杉原洋紀・堀口美奈共著「最初のペンギン」を読みました。「ストーリーでわかる! らくらく外国語習得術」という副題がついています。

 知的でさわやかなシンガポーリアンの青年との出会いをきっかけに、外国語学習に目覚める若き日本女性、美紀ちゃんのラブストーリー&成功物語です。

外国語は、仕事・就職・転職、それに恋愛でも、強い味方になってくれます

最初のペンギン p.5

だそうです。わたしなどにはちょおおおっと眩しすぎますが、マルチリンガルに憧れ、素敵な海外男子との国際結婚を夢見る若い女性にとっては、夢の膨らむ内容かも。

 ちなみにこの本が提唱する習得方法『100時間ペンギン法』は、

外国語を話せるようになることを主眼においた勉強法

最初のペンギン p.128

で、おおまかな流れは以下の通り。

Lesson1 あなたにあった外国語を選ぶ

Lesson2 良質な入門書を1冊買い、早めに3周する

Lesson3 やさしい日常会話フレーズ集を使い、繰り返し聴いてシャドーイング

Lesson4 ネイティブの友達と毎日会話しながら、「マイフレーズ」を身につけていく

最初のペンギン p.175

 100時間かけてここまでこなせば

外国語で言いたいことが何でも言える状態

最初のペンギン 巻末の三つ折り学習フローより

とあります。ちなみに「良質な入門書」というのは具体的には白水社の「ニューエクスプレスシリーズ」がオススメだそう。

 この方法は今の自分のやり方にかなり近いので、すんなり納得できました。異なる点といえば、わたしは入門書よりもフレーズ集から先に入り、シャドーイングはあんまりやらないことくらい。

 もっとも、それで言いたいことが何でも言える状態になっているかっていうと微妙ですが^^;

 トルコ語なんて、100時間どころか、200~300時間くらいかけている気がするけれど、サラッと口から出てくるのは挨拶と相槌程度(涙)。この違いは何? もっと真面目にシャドーイングやったほうがいいのか? そうなのか? ・・・うん、今からでも頑張ってみるわ。

 ちなみにこの本で一番良いと思うのは、巻末の三つ折り学習フローです。必須フレーズが文法事項とリンクしているチェックリスト。これは便利~! 終わりなき外国語習得に一応の達成感と区切りを与えてくれる。こういうチェックリストって意外とないのよね。

 こんな感じのチェックリストが欲しくて、自分でも何度も作りかけたのですが、いまだに完成を見ていません。これを叩き台に、マイ・チェックリストを作ってみようかな。人それぞれ必要なフレーズは異なるのでカスタマイズは必要ですが、一から作るよりははるかにラクそう。

 一方、この本で物足りないところは「誰でも簡単にできそうに見えてしまう」ことと「困難をどう乗り越えるかが書かれていない」こと。

 たとえば、この本のヒロイン美紀ちゃんは「入門書3周」という彼氏の助言どおりに、いとも簡単にニューエクスプレス中国語を三周終えます。くじけることも躓くこともなく。でも実際は「入門書3周」といわれて、「ハイ、わかりました」と簡単に実行できる人はかなりの少数派ではないでしょうか。3周どころか、1周目も読みきれずに終わることのほうが多いのでは。

 みんなあの薄いニューエクスプレスがたった一度、読みきれないから苦労しているんじゃないでしょうか。

 ――なんでそう思うか、って?

 そんなの、外国語ブログを見ていれば分かります。ニューエクスプレスを買った、或いは読み始めた、という記事はよく見るのに、それを読み終えたという記事はほとんど見かけないからです。買っただけで記事にするんだから、読み終えたりしたら絶対ブログに書くでしょうに。

 「ニューエクスプレスを一冊読みきるのはけっこうハードルが高い」という認識と、その対策が描かれていると、もっとよかったかな、と思います。

 ・・・といっても、こういうことは優秀な人には分からないんだろうなと思います。易々と出来てしまう人にとって、それが普通の人にとっては困難だ、と認識するのはほぼ不可能。秀才につける薬はない

 そういうことが書けるのは、幾多の挫折を経験し、苦労して苦労して、やっとできるようになった人間だけ。

 ・・・いいわ。この挫折クイーンのわたくしが、そのうち代わりに書いちゃる。どうしたら、ニューエクスプレスが一冊読みきれるか


 ところで! (※ ここから余談)

 この本の著者のお一方、堀口美奈さん!! カバーの折り返しに載っていた著者近影を見てビックリ!! この美しい面立ちは、見まごうかたなきRayの読モ(読者モデル)の美奈ちゃんではないか!!

 わたし、ファンだったんです~!! だからプロフィールに書かれておらずとも、見逃すはずはない。Rayというのは大学生向けのファッション雑誌で、数年前まで娘たちが毎月買って読んでいたんです。美奈ちゃんは読モにしては堅実な服装で、でもいつもタメイキが出るほどきれい。毎月、新しい号を買うたびに、美奈ちゃんがどこかに出ていないかな、って探すのが楽しみでした。

 日本人にはありえない彫りの深さだと思っていたけれど、やっぱりハーフだったんですね。しかもトルコ人と日本人の!! 美奈ちゃんてトルコ語ネイティブだったんだ!! 嬉しい~! トルコ語始めてよかった! 外国語やっててよかった!!

 美奈ちゃんが就活に入り、あまり紙面に登場しなくなった頃からRayを買わなくなってしまいましたが、最後の頃買った号には、美奈ちゃんのリクルートスーツ姿が載っていたのを覚えています。当時、商社への就職を希望していると書いてありましたが、今はその希望を見事果たされ、大手総合商社にお勤めだそうです。

 ああー、懐かしいー。久々に美奈ちゃんに出会えて、嬉しくなっちゃいました(ミーハー^^;)。

イスタンブール
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