次の記事はカザフ語の予定だったのですが、ボスニア語がいきなり殴りこみをかけてきました。信じられない。同時に二つの新言語にハマるなんて・・・!! わたしの多言語人生(?)においてもこれは初めての珍事です。
memriseで「Bosnian」という短いコース(所要時間27分)をやった話は前回書きました。
ところがそれだけでは終わらなかったんだわ。memriseには他にもボスニア語のコースがたくさんあるんですねえ。所要時間わずか8分のものから16時間かかるものまで、こーんなに!!
もう一つ、短いコースをやってみようと思ったのが運のつき。これが面白くって・・・!! 「Basic Bosnian」です。
これも初心者向けの短いコース(33分)なのですが、内容は全く違う。最初にやった27分のコースの内容は挨拶フレーズでしたが、こちらはコピュラ文。「the man is handsome」「The dog is not black」「Is your shirt green?」みたいな文が出てくる。要はDuolingoの最初のほうみたいなかんじ。
前にも書きましたがわたし、こういう構造の見える文って好きなんです。どれがbe動詞かな、とか、否定形になったらどう変わるのか、とか、どうやったら疑問文を作れるのかなとか、例文から法則性を類推しながら読むのが好き。
そういう構造解析にひとたび目覚めたら、最初にやった27分の挨拶コースの内容も思い出し、山ほど疑問が出てきちゃった。例文には出てこない部分も知りたい。単数はわかったけど、これが複数になったらどうなるのか、とか。おおよそ見当がついたことに関しても、自分の推測が正しいかどうかが知りたい。
そこでいつもお世話になっているBiHの先生のクラスを予約。もう「ボスニア語で挨拶して驚かそう」なんて言ってる場合じゃない。がっつりボスニア語の基礎文法をレクチャーしてもらおう、と。
良かったのは、同じ先生のクラスが飛び飛びで2コマとれたことです。最初の1コマで質問し、間に挟んだ時間でその回答を整理し、次のクラスでもういちど質問できるじゃないですか。効率が良い。実際この作戦はすごくうまくいって、とりあえずボスニア語がどんな言語か、感触を掴むことができました。
ほんっとDMMって偉大!! 世界中に家庭教師がいるみたい。たかだか数千円で何なの、このリッチな環境~♡
しかもこのBiHの先生、めっちゃイケメンなの~~(どうでもいい余談)
ちなみにbe動詞の活用(現在形)はこんなかんじ:
単数 | 複数 | |
一人称 | Ja sam I am | Mi smo We are |
二人称 | Ti si You are(sg) | Vi ste You are(pl) |
三人称 | On je He is Ona je She is Ono je It is | Oni su They are One su They are Ona su They are |
主語は省略できる。但し、一人称のsamや二人称のsiは、それぞれjesam、jesiの省略形と考えられており、語頭に経つ場合はJesam、Jesiにしなくてはならない。
たとえばI am hungryを意味するJa sam gladanのJaを略してSam gladan*とはいえない。でも倒置してGladan samとは言える(質問に答えるときなど)。
これを疑問文にすると(Am I hungry ?)は、Jesam li gladan ? となる。Are you hungry ?はJesi li gladan ? (liは疑問をあらわす印)
主語を省略しない場合はliのあとに入れる。 Je li on gladan ? (Is he hungry ?) Je li ona gladna ? (Is she hungry ?)
普通動詞の活用(現在形)はこんな感じ:
単数 | 複数 | |
一人称 | Ja jedem | Mi jedemo |
二人称 | Ti jedeš | Vi jedete |
三人称 | On jede Ona jede Ono jede | Oni jedu One jedu Ona jedu |
面白いのが過去形で、フランス語の一部複合過去のように、be動詞に助けてもらう形となる。
単数 | 複数 | |
一人称 | Ja sam jeo | Mi smo jeli |
二人称 | Ti si jeo | Vi ste jeli |
三人称 | On je jeo Ona je jela Ono je jelo | Oni su jeli One su jele Ona su jela |
ジェンダーは3つ。想像とは違い、-oが中性。
- Dobro jutro (Good morning) (中性 neuter)
- Dobar dan (Good afternoon) (男性 masculine)
- Dobra večer (Good evening) (女性 feminine)
名詞の性の見分け方は、-aならたいてい女性、-oがつけばたいてい中性、-eも中性の場合が多く、でもスペルからでは判別できないものも多数、とのこと。
人間を表す名詞は実際の性に一致する。
例:dječak(少年)、momak(青年)、muskarac(男性)は男性形
djevojčica(少女)、djevojka(若い女性)、žena(女性)は女性形
動物の仔は中性の場合が多い。
例:Jagnje(仔羊)
例外: pas(犬) →psić(仔犬・小型犬)、mačka(猫)→mačić(仔猫・小さな猫) 元の性に準ずる
ややこしいのが複数になったときで、
単数 | 複数 | |
男 | crven | crveni |
---|---|---|
中 | crveno | crvena |
女 | crvena | crvene |
また、人称形容詞は中性単数がちょっと違っていて、
単数 | 複数 | |
男 | moj | moji |
---|---|---|
中 | moje | moja |
女 | moja | moje |
この、単数と複数で中性と女性の形が入れ替わるのが、すっごくイヤかも~!
「jaje(卵)は中性。さて”My egg is red”、”My eggs are red.”をそれぞれボスニア語で言ってみて」と言われて作ったのがこの文:
- Moje jaje je crveno. (My egg is red.)
- Moja jaja su crvena. (My eggs are red.)
ちなみにdobar(good、fine)がdobaro*、dobara*にならず、dobro、dobraのように間のaが落ちる場合がある。ružan(ugly)なんかもそう。女性形はružna。
面白いのは、Kako si?(親称)あるいはKako ste?(敬称)(How are you?)ときかれて、Ja sam dobro(I’m fine)と答えるとき。わたしは女性だからJa sam dobraって答えるのかと思ったら、女性でもJa sam dobroなんだそうです。なぜかというと、「体の状態に女性も男性もなく、中性だから」だそう。ヘンなのーーー!!
だから、「彼女は元気です」の場合もOna je dobro. これをもしOna je dobraにしてしまったりすると、意味が変わってしまい、「彼女はナイスバディだ」という意味になっちゃうんだそう。うっわー、気をつけないとー。
格変化。Nominativ、Genitiv、Dativ、Akuzativ、Vokativ、Instrumental、Lokativと7種類あるそうです(汗)。
冠詞はナシ。
アルファベットは31文字。文字と発音には規則性があり、そのまま読めば通じる。LjとNjは一文字。それぞれ「リュ」「ニュ」。
c、č、ć の違い。cは「ツ(ts)」、č「チ(ch)」。ćはčよりも弱い。英語の語中のch。例:muškarac(男性)、mačka(ネコ)、noć(夜)
ž、dž、zの違い。žは「pleasureの/ʒ/」、džは「genderの/ʤ/」、zは/z/。
ボスニア語はクロアチア語、セルビア語とほぼ同じなので、ボスニア語を覚えれば、クロアチア人、セルビア人とも会話ができる。
文法から発音まで、たった50分で、これだけのことを説明していただきました。個人レッスンの強みを生かし、分からない箇所だけ集中的に質問できたのと、間を空けて2クラス取ったのが勝因だったと思います。とにかく効率がよかった。
先生もボスニア語を教えるのは慣れていないようで、「こんなこと説明するの、初めて」と言いつつ、いつもは落ち着いた先生が、今回はちょっぴりテンパった感じ。それが可愛かった^^。
レッスンのあと、もっとやってみたくなって、また新たなコースを開拓。3時間コースの「Basic Bosnian」を気合いで終えました。んー、でもこれは単語と挨拶フレーズだけで、あんまり面白くはなかったかな。でもボキャは一気に増えた。なにしろ173語を一気にさらった。
あと16時間コースの「Bosnian Level1 No typing」も最初のほうだけやってみたけれど、これも単語ばかりのようなので、途中で中断~。
できれば文の構造がわかるコースをやりたいんだけど。
というわけで、ただいま第5のコースを物色中^^。もしボスニア語で探してなければ、セルビア語かクロアチア語でもいい。
・・・あーでも。あともうちょっと遊んだら、英語に戻らなくちゃ。
って、本当に戻れるんだろうか? 不安・・・。