トルコ語の先生に大掃除の話をしたら、「Elinize sağlık」と言われてビックリ。あら? このセリフって「ご馳走さまでした」という意味じゃないの?と思いました。
Elinize sağlık
「Elinize sağlık」は、直訳すると「あなたの手に健康を」という意味ですが、まあ「お疲れさま」くらいの意味でしょうか。どうやら食事をふるまってもらったとき以外にも、手を使う作業をした人に向けて使うようです。「働いたのでさぞ手がお疲れでしょう。手をいたわってくださいね」という意味合いなのでしょう。
何より、自分がしてもらったことでなくても使う、手作業の話を聞いただけでも使う、というのが意外ですね。
関連表現として、以下のような表現もあるようです。
手 | Elinize sağlık (Eline sağlık) | 手作業を頑張った人に | お手間をとらせました お疲れさま |
足 | Ayaklarınıza sağlık (Aayaklarına sağlık) | 訪ねて来てくれた人に | ご足労をおかけしました |
口 | Ağzınıza sağlık (Ağzına sağlık) | 詩の暗唱や歌を歌った人に | |
心 | Yüreğinize sağlık (Yüreğine sağlık) | 詩の暗唱や歌を歌った人に | |
舌 | Dilinize sağlık (Diline sağlık) | 詩の暗唱や歌を歌った人に | |
労働 | Emeğinize sağlık (Emeğine sağlık) | 働いた人に | お疲れさま ご苦労さま |
いくつかまとめて使うこともできるようです:
Elinize Dilinize Yüreğinize Sağlık (手も舌も心もお疲れさま)
Afiyet olsun
他に先生がよく使う表現に「Afiyet olsun」があります。フランス語の「Bon appétit」に似て、これから食事をする人に対して言います。日本語に訳すとしたら「召し上がれ」でしょうか。
ただしBon appétitと違い、Afiyet olsunは食事のあとにも使う。たとえば「Elinize sağlık」(ごちそうさまでした)の返答として使われたりします。その場合は「お粗末さまでした」とでも訳せばいいのかな?
さらに、食事が目の前になくても、たとえだいぶ前の話だったとしても、何かを食べた話を聞いたら「Afiyet olsun」と言う。こういうのを日本語に訳すとしたら、うーん、「へー、よかったね」??
「Afiyet olsun」のAfiyetはアラビア語からの借用語で「健康」という意味。なので直訳すると「健康がありますように」です。それにぴったり当てはまる自然な日本語を探すのは難しそうです。
Güle güle
「Güle güle」は「行ってらっしゃい」という意味でよくテキストに載っていますが、これは「Güle güle git」の略で、直訳すると「笑顔で行ってらっしゃい」。少し意訳すると「楽しんできてね」というところでしょうか。
類似表現としては、何かを買った話を聞いたら「Güle güle kullan」(楽しく使ってね)と言う。特に車とか。kullanmakには運転するという意味があります。
新しい服を着ていたときなどに「Güle güle giy」(楽しんで着てね)と言うことも。
新しい家に引越した人向けに「Güle güle otur」(楽しく住んでね)という言い方もある。
じゃあこれが、どんな動詞にでもGüle güleをつけて「楽しんで~してね」と言えるかって、そうではないらしい。これはあくまで慣用表現。どんな言い方でも言えるわけではないようです。
誰かがクシャミをしたときに英語で「Bless you !」(神のご加護がありますように)って言いますよね。こういうねぎらいやいたわりの慣用表現、大好きです。