uTalkで単元を20ちょっと開けてみて、これ以上開けてもあまり進展はなさそうと思ったので、ひとまずこれでソマリ語は終了。
ソマリ語の場合、文例から言語の成り立ちを推測するのは無理そうな感触を得ました。
なぜかというと、アラビア語に似てないから。似ている言語を知っているのと知らないのとでは大違い。無理と諦めました。
借用語はそこそこあるんです。あと喉発音のアイン ع があるのは耳で確認した( c で書き表す)。だから全く共通点がないわけではない。
でも文法とか、基本語彙がまるで違う。そもそもアラビア語に3つしかない母音が5つはあるっぽいし、たぶん3語根システムはないんじゃないだろうか。双数もないっぽい。それにbe動詞もあるっぽい??
なんでこんなに違うのに共通の祖語を持つ同じ語族だと分かるんだろう?とむしろ不思議なくらい。
狭い海を挟んで対岸はもうアラブ世界なのに、もともと同じ言葉が、なんでこんなに違っちゃったのか。
たとえば、英語とロシア語が違うなんていうような生易しい違いではなく、もうとんでもなく違う気がしました。イメージ的には、全く異なる系統の言葉が、借用語だけ入ってきた感じですかねえ。英語とアラビア語以上に違う気がした。
一応「実用ソマリア語入門」もパラパラめくってみたのですが、もう難しくてなんのことやらさっぱり・・・。
とにかく、分かったことは僅かですが、せっかくかじったことだから、ここに奮闘記録を残しておきます。
uTalkのソマリ語には、たとえばこんな文例や連語が出てきます。
- Waa halkee bankiga? (ワー ハルケー バンキガ? - 銀行はどこですか?)
- Waa halkee musqusha? (ワー ハルケー クスクシャ? - トイレはどこですか?)
この二つを比較すると、Waa halkee (ワー ハルケー)という部分が「~はどこですか?」にあたるとすぐ分かります。
実際、bankiga(バンキガ)は英語のbank(銀行)にそっくりだし。
- musqusha haweenka(ムスクシャ ハーウェンカ - 女子トイレ)
- musqusha ragga(ムスクシャ ラガ - 男子トイレ)
というのもあり、musqushaがトイレというのも裏付けられる。
では次。Waa halkee(ワー ハルケー) のどこが「どこ」なのか。Waa(ワー)の部分なのか、 halkee(ハルケー)の部分なのか。
最初は英語のwhereに似ていることもあり、Waaが「どこ」にあたる気がしました。でも
- Waa imisa quiimaha? (ワー イミッサ キーマハ? - これはいくらですか?)
という文例があり、quiimaha(キーマハ)がアラビア語の قيمة(価値)とそっくりなので、Waa(ワー)というのはwhat(何)で、imisa(イミッサ)が量をあらわす単語で、「価値はどれくらいの量ですか」→「これはいくらですか?」になるのかな、と思い直しました。
同様にhalkee(ハルケー)というのは「場所」の意味で、Waa halkee(ワー ハルケー) で、「何の場所」→「どこ」になるのかな?と。
あと
- Waa meeqo saac? (ワー メーカ サーア? - 何時ですか?)
という文例もあった。これも、saac(サーア)はアラビア語の ساعة(時間)からきていると推測。Waa meeqoで、どれくらい、という感じになるのかな、と思った。
しかし。うまく説明がついたので、きっとそうに違いないと思ったのですが、実はそうではなかった。
先の単元で、halkeeが単独で出てきて、これが「どこ」という意味だと分かったのです。
じゃあWaaというのは何?と思ったら、実用ソマリア語入門によれば、「~です」にあたるそうです。
つまり、英語のbe動詞? それも違うみたい。google翻訳によればis itの意味だということです。まあgoogle翻訳もソマ英に関してどこまで信頼できるかはちょっと謎な感じもするのですが。
とにかく謎なことが多すぎます。ソマ英辞書アプリを複数ダウンロードしてあるのですが、なかなかうまく機能しない。
もしかすると、わたしが「単語」と認識しているものは原形ではなく、なんらかの活用が含まれているのかもしれません。なので辞書にある単語にヒットしないのかも。
辞書も引けないとなると、これはもうお手上げ。少なくとも帰納的に学ぶのは、正解の調べようがなくて難しい。
ちなみにmeeqoはミススペリングで、正しくはmeeqaかもしれません。発音でも「メーカ」って言ってるし、検索かけてみても、いまいちmeeqoだとひっかかってこない。
最後に一つ、面白いのがありました。
- Ma garanayo.(分かりません)
というのがあったのですが、これが男性の声を最初聞いたとき、「ワカラナイヨ」と聞こえた。女性の発音のほうがゆっくりで、「マ ガラナーユ」と発音していましたが、そっくり~! もしソマリアにいくチャンスがあったら、日本語で「ワカラナイヨ」と言ってみよう。下手なソマリ語よりよっぽど通じる気がする。「知らない」に近い意味のようです。
「分かりません」はほかにも
- Ma fahmin.(分かりません)
というのがありました。こっちは「理解できない」という意味みたい。こういうのを見るとアラビア語既習者はつい ما فهمت のノリで、Maは否定辞だなっ、と思ってしまうのですが、これもどうも違うようで、fahminにすでに否定が含まれているようです。
うーむ、ソマリ語、奥が深すぎる~! ほんと、ワカラナイヨ。
ということで、これにてソマリ語はおしまい。