2005年5月に学習を始め、6月にフランス語検定5級に合格したあと、同年11月に3級を受検し、合格しました。成績は94点(100点満点中)でした。
4級と3級の違い
5級に合格したあと、4級を飛ばして3級を受験したのにはわけがあります。実は、仏検の4級と3級は、出題される文法の範囲がほとんど変わらないのです。
ただ、3級には単語のスペル、動詞の活用などを記述式で問う設問がありますので、 知識の正確さがより求められます。4級は選択式ですから「なんとなくこんな感じ」でも正解できますが、3級はきちんと正確に書けないと点数に結びつかないのです。
どのみちいずれは通る道なのだから、試験で問われる文法範囲は最初から正確に書けるように練習して、3級を目指そうと決めました。そして、そう決めてからは正確に覚えることを心がけました。おかげさまで、14問あった記述式は、本番の試験でも全部書けました。
まずは5級の復習から
3級を受けると決めたのは夏前でしたから、まだ11月の検定日まで時間がありました。そこで、すぐに3級に向けて走り出さず、これまで学んできたことの復習・見直しをすることにしました。
使用したのは、扱う文法範囲がほぼ仏検5級の範囲に匹敵するトレーニングペーパー フランス語/教養課程文法中心学習(1)(以下「トレペ」と略す)という教材です。
これは、やたらボリュームのある、問題集というか練習帳で、普通の問題集と異なるのは、1日分の分量が明確であること。 そのため学習ペースが作りやすいのが利点です。
これを一冊終えるのは大変でした。1日分が12ページから13ページあり、一文まるごと書かせる課題が、広い紙面にびっしり。 それに、新出単語が毎日20~30! 一日の課題を終えるのに、猛スピードで休まず書いても1時間、普通にやると2時間はかかる分量で、それが35日分あるという怒涛の教材でした。わたしは、これを一冊最後まで終えられた自分を、本当にエライと思います(笑)。
使う教材は必ずしもこれでなくても良かったかもしれませんが、5級の範囲のおさらいを、とにかく書いて書いて書いて、大量にやったのは良かったと思います。3級試験準備に入る前に、基礎固めができました。
またこの頃、簡単なフランス語の絵本を2冊ほど読みました。 まず全文をワードに書き写し、A4の紙の左半分だけに印刷しました。 注釈をつけやすいよう、行間も多めにとり、 分からない単語を辞書でひいたり、動詞の活用形などのメモを行間や右側の空白に書いていきました。
夏にフランスへ
トレペが終わりかけた7月の末から8月にかけては、南フランスで1週間ほど過ごしました。現地ではなるべくフランス語を使おうと思ったのですが、気力が続いたのは最初の3日くらいで、 あとはほとんど英語で済ませてしまいました。英語だってロクにできるわけではないのですが、始めたばかりのフランス語に比べると、英語は本当にラクに感じました。
そんなわけで、フランスに行ったことは、大してフランス語の役には立たなかったように思いますが、自分の喋ったフランス語が通じたのが嬉しく、これからもフランス語を続けていこうというモチベーションになったので、試験に関係があるかどうかはわかりませんが、参考までに一応記しておきます。
つぎに4級問題集
フランスから帰ってきたあと、なぜか2ヶ月くらい、徹底的にサボってしまい、学習を再開したのは10月に入ってからでした。4級を受ける娘のために完全予想 仏検4級を購入したことがきっかけですが、これは、解説も読まずにサラッと1度だけやりました。
それと平行し、岩根のフランス語学習ページで繰り返し動詞活用(活用虎の穴)と、数字の聞き取りを練習しました。これはけっこう頑張りました。でもこういうのはなかなか上達しないようですね。 反射的に答えが分かるようになるまでには、未だ程遠い状況です。
やっと3級問題集
さて、そろそろ11月の声が気こえてきた頃、ようやく4級の問題集を終え、3級の準備に入りました。
使用したのはやはり完全予想シリーズの3級筆記問題編と3級聞きとり問題編です。 このシリーズの利点は、大判で開きやすく、紙質がよくて文字がくっきり見えること。筆記編と聞き取り編の2冊を買うとけっこうな出費ですが、検定料も安くはないし、ここで落ちては元もこうもないと思い、購入しました。
先ほども書きましたが、この問題集の解説は、わたしにはとても新鮮でした。書いてある内容自体は白水社の本と変わりませんが、なんとなくまとめ方が簡潔で、テキパキしているような気がするのです。 これがとても分かりやすいと感じたので、更に分かりやすく、もっと簡便にまとめられないかと思って、自分でノートを作ることにしました。
これはすごく良かったと思います。 自分なりに系統立ててシステマチックに理解することができたからです。
たとえば、わたしはそれまで、複合過去の活用は得意だと思っていたのですが、問題をやってみると、全然できない。なぜかと考えてみましたら、細かいステップをちゃんと踏んでいなかったのですね。複合過去形を作るには、助動詞を正しく選んだり、性数一致に気を配るといったいくつものプロセスがあり、そのプロセスを意識してきちんと踏んでいかないと、正答には至らないのだということに気づいたのです。
そこで、きちんとした正しい複合過去形にするためのプロセスを一つづつ、くどいほど丁寧に書き、 そのプロセスを意識的に踏むようにしました。すると驚くほど正答率が上がりました。
単純未来形、半過去、条件法や接続法といったさまざまな活用も、それぞれ別々に覚えるのではなく、一ページにまとめ、互いに関連付けて覚えました。
11月に入ってからは割と真面目に、一日3~4時間くらい勉強しました。ノートを作ったり、正答率があまりに低い単元は何度かやり直したり、寄り道ばかりしていたので、 対策問題集はなかなか進みませんでしたが、本番3日前には一通り終えることができました。
2回分ある模試は前日にやってみましたが、本番と同じくらいの出来でした。ですから、この本の模試の難易度は本番とだいたい同じくらいと考えてよいと思います。
単語集と文法書
使用した単語集と文法書は以下のものです。
単語集
3級受験ともなると、そろそろ単語集が欲しいところです。 単語集はたくさん出ていますが、わたしは、辞書のように引いて使えるものが欲しかったので、アルファベット順に単語が並んでいる朝倉フランス基本単語集 を購入しました。収録されている2400語のチョイスは、仏検に出る頻度ではなく、フランスで使用される頻度によって選んでいるそうです。ハンディでオシャレでシンプルなところも大好き! 紙のカバーを外すと、金文字入りのダークグリーンのソフトカバーです。わたしは、これに透明のカバーをかけ、外出するときはいつもバッグに入れて持ち歩いています。
知らない単語が出てきたとき、辞書(白水社のLe Dico)より先にまずこの単語集をチェックし、アンダーラインをひきます。 今ではもう、半分近い単語の下にアンダーラインが引かれていて、 こんなにたくさんの単語をひいたんだなあと思うと、元気が出ます。
文法書
文法書は最初、フランス語のABC(以下ABCと略す)を娘から借りて済ませていましたが、ケータイ「万能」フランス語文法(以下ケータイ)が気に入り、購入しました。
気に入った理由は、使い勝手が良かったからです。糊付けで製本されていて、ページを開いてもすぐに閉じてしまうABCに対し、ケータイは辞書と同じように細かく糸で綴られており、机の上に開いたまま置いておくことができるので、いつも手元に置いて、何かの都度に参照しようという気になります。カバーを外すとラベンダー色のソフトカバーで、見た目も気に入っています。
ケータイは駿河台出版社、ABCは白水社と、それぞれフランス語学習関連で雌雄を争う出版社が出していますが、面白いことに、白水社が出す本の文法解説はどれもみなABC、駿河台出版社の文法解説はケータイに似ています。CDエクスプレス、朝倉基本単語集、フランス語のABCと、これまで白水社の本にばかり囲まれていたわたしとって、駿河台出版社のケータイ文法やあとから述べる完全予想シリーズは新鮮でした。両方の出版社から出た本をとりまぜて持っていると、バランスが良いかもしれません。
これからのこと
6月に5級を受けに行ったとき、2級や3級のテキストを携えた人たちを見ました。その姿が眩しくて、自分もフランス語を続け、いつか絶対3級や2級を受けるぞ、と思いました。あのときはあのときで、自分なりにすごく勉強したような気になっていたけれど、こんなにたくさん先輩がいるんだと知ってびっくりしたのです。
その後、仏検を受ける仲間が欲しくてネットで探したところ、驚くほどたくさんのブログが見つかりました。でもみなさんの受験級はたいてい2級か準1級。目指す級が3級では、まだ仲間にも入れてもらえなさそうだと知り、がっかりしました。自分も早く3級に受かって、2級を目指す人たちの仲間入りをしたいと思いました。
だから今回、3級に受かって何が嬉しいって、これで2級受験生の仲間入りが果たせたことです。来年6月、ぜひとも2級を目指したいと思います。
この体験記が皆さまのお役に立てることを願っています。