多言語

人の学習法

 Instagram、まだ始めて4日くらいですが、楽しんでいます。インスタグラムって、写真だけじゃないんですね。短い動画も見られる。外国語学習動画もたくさんあって、ありがたく活用させていただいています。


 ところで最近、DMM英会話でちょくちょく喋っているロシア語ネイティブの先生がいます。最初はロシア語でお願いしようと思ったのですが、会話の内容があまりに面白すぎて、最近はほぼ英語になってしまっています。

 この人のすごいところは、欧州言語のネイティブでありながらトルコ語を始めて2年半でC1まで到達したことです。これがヨーロッパ言語なら驚かない。でもトルコ語というのはすごい。

 DMM英会話の講師陣はポリグロットの巣窟。少なくとも母語と英語のバイリンガルなわけだし、特にヨーロッパ勢は他に2、3言語が話せるという人も珍しくありません。ただほとんどの場合それはヨーロッパ言語で、それ以外の言語がある程度話せる人となると、さすがに限られてきます。この先生はトルコ語、しかも独学らしいと知り、どんな方法で学習しているのか、根掘り葉堀り聞いてみました。

 すると、けっこう真面目に単語帳を作ったりもしているようですが、メインは映画やドラマを見ることだとのこと。

 言語学習のために見ているというより、元々映画やドラマが大好きなのだそうです。毎日6時間くらい見ているそうです。これ、わたしの聞き間違いではないです。驚きすぎて、しっかり確認しましたから。

 しかも一話につき8回くらい見るのだとか。「飽きない?」って思わず聞いてしまいました。そしたら「飽きない」んですと。ハズレを引きたくないので、なるべく新しい映画を開拓せず、面白いと分かっている作品を繰り返し見るのだそうです。「らしい」と思って笑ってしまった。若いのに、他の点でもめっちゃ守りに入ってる人なので(笑)

 で、ではその選び抜かれた作品とは。

 具体的に名前を聞いたら「フレンズ」や「バンパイア・ダイアリー」だそうです。・・・意外と普通。フレンズって8回も見るほど面白いかぁ???と思ってしまいました。バンパイア・ダイアリーというのは「ホラーではない。でも人はいっぱい死ぬ」のだそうです。・・・そ、それ面白いんですかぁー??

 それを1日6時間。しかも1話につき8回・・・。そこまで好きならおそらくすごい集中力で見るだろうし、そりゃあ2年半でC1だって取れるわな、と納得しました。


 スポーツや芸術の分野と違い、言語というのは向き不向きの個人差が極めて少ない分野だと思います。

 「いや、わたしは語学の才能ないから」とここで思った人、じゃああなたのその流暢な日本語は何?

 いまこのブログの日本語がおおむね理解できるならば、それは語学の能力が備わっている証拠だと思います。

 それにも関わらず、自分の希望のレベルに到達できないとすれば、それは単に目標の高さに比して、時間のかけ方が全く足りていないだけでありましょう。

 能力はあるのだから、時間をかけさえすれば言語は必ず上手くなる。ただその「時間をかける」というところが難しく、充分な時間が溜まるまで自分を飽きさせない方法が見つかるかどうかがカギ。

 この先生のやり方を真似ようにも、わたしはテレビとか映画とか映像の類はものの数十分で飽きてしまいます。YouTube動画に至っては5分で飽きちゃう。日本語よりはまだ外国語の方が長く見ていられるけど、それでも10分が限度。

 だからわたしはわたしで自分に合ったものを見つけるしかない。冒頭に書いたInstagramの数十秒で終わる動画などは自分に合っててありがたいと思います。

 一般的に効果的な学習方法というのは、おそらくあると思います。そして映画やテレビを見るというのはおそらくそのうちの一つでしょう。

 ただ問題は、それが一般的にはどれほど効果的な方法であっても、自分に合っていなかったらその効果は充分に発揮されないということです。だってつまらなかったらそもそもやらないし。たとえイヤイヤやったとしても集中力に欠け、対時間効果が目減りする。

 そのやり方自体の効率性よりも、自分が集中力や持続性を発揮できる方法かどうか、つまり自分に合っているかどうかということのほうが、ファクターとしてはるかに大きいわけです。そこが学習法を語る上で難しいところだと思います。

 7、8年前のブログ読み返すと、先を急いで焦ったり、人と比べて落ち込んだりしてるけど、いつの頃からか、そういう迷いがなくなりました。

 たぶんそれは自分ならではの目標がはっきりしたことと関係があるんじゃないかと思います。

 最近思うのは、人と比べることの馬鹿馬鹿しさです。だって、普通の目標は動かないからやればやっただけ目標に近づきますが、人は動くじゃないですか。その人の進捗が速ければ、いくら自分が頑張っても、差が広がることさえある。それって馬鹿馬鹿しくないですか? 論理的に言って、動くもの(=人)を目標にするのは賢明ではない。

 人の学習法を知るのはとても参考になりますが、それをそのまま真似て得するとは限らない。「同じやり方をしたのにどうして自分は・・・」などと落ち込むのでは本末転倒。人の学習法を知ることの効用は「じゃあ自分ならどんな学習法が向くかな」と考えるきっかけが生まれることではないかなと思っています。

 

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