Duolingoで英語話者のためのハワイ語コースをコンプリートしました✨
この記事では、Duolingoハワイ語コースにおけるわたしの奮闘を書きます。
ハワイ語コースを始めたきっかけ
Duolingoのハワイ語コースを始めたのは今年の6月です。スマホアプリでマオリ語を学び、ニュージーランドへ行って帰ってきたのが5月。帰国後、もう少しマオリ語に触れたいなと思ったものの、Duolingoにマオリ語がなく、その代わりに見つけたのがハワイ語コースでした。
マオリ語とハワイ語は共にオーストロネシア語族・ポリネシア諸語に属する言語。親戚言語だからとりあえず学んでみようと思ったのが、このコースを始めたきっかけでした。
かかった時間
6月初旬に始めたので、ハワイ語コースをコンプリートするのに都合6カ月、半年かかったことになります。始めた当初はそんなに長いコースではなかったので、頑張れば2ヶ月くらいで終えられるかなと思ったら、ある日コースが大幅に拡充され、15ユニットくらいどーんと増えたので( ̄▽ ̄;)、気長に行くことにしました。
ハワイ語の教材は少ないので、あとから見返せるノートを作ろうと考えたのですが、このノート作りがとても大変でした。でも後悔はしていません。おそらくノートを作らなかったら、きっと頭にも残らなかっただろうから。・・・いやそれ以前に、コース半ばにして挫折していたかもしれません。
Duolingoのコースは、完全に理解・暗記していなくても各ユニットがクリアできるようになっています。おそらくそれは学習者が挫折しないようにという配慮なのでしょうが、理解できないままテキトーに答えているうちにユニットだけはどんどん進み、途中で完全に理解が置いてけぼりになり、結局ついていかれなくなって挫折する、という展開になりがちです。わたしはそういう展開を他の言語で何度か経験しているので、ここは時間がかかっても、ノートを使って理解していきたいと思ったのです。
結果、最後まで終えることができ、ハワイ語のテキストが一冊、出来上がりました。乱雑な手書きなので、きっちゃないですけどね( ̄▽ ̄;)
ハワイ語コースは1ユニットが割と短く、1時間くらいで終えることができます。一方ノート作りは1ユニットにつき2時間くらいかかりました。Duolingoをやるときには一問ごとにスクショを取りながら解答し、後ほど溜めたスクショを参考に新出単語や例文をノートに書き写すという形で進めました。
既習言語でなくても
わたしは古参のDuolingoユーザーで、10年以上に渡り、10以上のコースをコンプリートしてきました。ただそれらのコースはDuolingo以外ですでに学んだことのある言語のコースでした。
他の教材を全く用いず、Duolingoだけで言語を一から学び、コースを最後まで終えたのは、実は今回のハワイ語が初めてです。
過去にアイルランド語、現代ギリシャ語をDuolingoメインで学ぼうとしたことがありますが、いずれも途中でついていかれなくなり、挫折しました。どちらも今回同様、ノートを作り、それなりに丁寧に進めて行ったつもりでしたが、無理でした。
今回ハワイ語コースを終えられたのは、単にコースが短かったからです。途中で拡充されたとはいえ、それでもまだ短かったのが勝因でした。まーそれでも大変でしたけれど。だから今、とっても達成感を感じています。
進め方
コースの概要
Duolingoハワイ語コースの構成はこんな感じでした。セクション1と2に分かれ、セクション1は16ユニットに分かれ、セクション2は36ユニットありました(2024年11月現在)。
簡単だった最初の頃
初めて学ぶハワイ語でしたが、最初の頃はラクでした。覚えることも少なかったし。以下の写真はセクション1の第1ユニットです。A5の紙1枚に1ユニットの内容が余裕で書けました。
ユニット5でもまだこんな感じ↓。 1ページで済みました。
青字はハワイ語、赤字は英訳。茶色はマオリ語です。ハワイ語とマオリ語の類似がよく分かると思います。単語も文法も実によく似ています。
マオリ語を始めたとき、子音の少なさ(10個)に驚きましたが、ハワイ語はマオリ語よりももっと少なく、h k l m n p w ʻ の8つしかありません。マオリ語にある t の音がハワイ語にはなく、k の音に置き換わりがちなことが伺えます。
マオリ語とハワイ語は共にオーストロネシア語族・ポリネシア諸語に属する言語。マオリ語を始めたとき、いつの間にか知っていたハワイ語の語彙がマオリ語の敷居を低くしてくれましたが、今回はマオリ語の知識がハワイ語学習を後押ししてくれました。
だんだん難しくなってきた
セクション1の半ばから徐々に新出単語が増え、例文も長くなり、1ページには書ききれなくなり、2ページにまたがるようになってきました。この頃、最初のページに単語、紙の裏に例文を書くというペースが定着しました。
以下はセクション2ユニット1の内容です。まだこの辺は今から思えば可愛いものでした。
辛かったユニット
セクション2も中盤に入ると、2ページでは済まず、1ユニットにつき4ページから6ページくらい書くようになりました。
内容もどんどん難しくなり、覚えることの量が増えていく。中でも、ときどきものすごく大変なユニットに出くわしました。
たとえば家族関係に関するユニット。ハワイ語って、兄弟の呼び方が独特で、「姉」とか「兄」という言い方が複数ある。で、どれを使ってもいいわけではなく、複雑な呼び分けがあるのです。
たとえば弟と妹のいる女の子がいたとする。その子は、日本語だと弟から見ても妹から見ても「姉」であることに変わりはないけれど、ハワイでは、弟にとっては kaikuahine で、妹にとっては kaikua’ana 。これには参りました。Duolingoだけだとさっぱり分からなかったのでネットで調べ、知恵を絞って考え、なんとか理解してノートに纏めましたが、今だに腑に落ちない・・・。
更に別のユニットでは養子だの継母だの、血の繋がっていない兄弟などがでてきて、もうわけわからん・・・。昔アメリカで子どもを「この子は養子です」と紹介しているのに何度も出くわしましたが、なんで実子でないことをいちいちはっきりさせるんだろう?と思った覚えがあります。実子も養子も全部まとめて「うちの子」じゃダメなのかと。
覚える意義を感じない単語って、ますます覚えられないので困りもの。この辺は単語がいちいち長くて正確に書けず、ノートを見ながら解答してやっとユニットをクリアできました。
あと、最高に辛かったのが、エクスサイズのユニット。ハワイ語以前に、英訳が分からなくて参りました。jumping jackって何? burpeesって?? sit up と v up と pull up の違いは?? 要するに全部運動らしいですが、そんな単語、わたしの人生に必要ないよ。・・・と思うから余計覚えられないんですが(;^_^A
最後のユニットはサーフィン用語で、これもわけわからなかったです。このユニットでわたしは人生初めて、ボディ―ボードとサーフィンの違いを知りました。板が違うんですね。ボディ―ボード退いたはサーフボードよりも短い。
あと、乗る波の部位?に名前がついているんですが、英語で peak とか shoulder とか impact zone、lineup とかわけわからん。意味を調べて図に描いてみましたが、合っているのか?? ていうか、わたし、なんでサーフィンについて調べてるんだろう?? 外国語学習のはずなのに( ̄▽ ̄;)
Duolingoでは、興味がなかろうが、自分の人生には必要ないジャンルだろうが、ユニットをクリアしないことには先のユニットに進めないので頑張りました。ハワイ語のみならず、英語まで調べまくって、一体この作業に何の意味があるんだろう?と思いながら。
でも考えたら負け。そもそもハワイ語なんて一生使うことはないんです。そこを敢えてやっているんだから、今更意義など必要ない。やると決めたからやる。ただそれだけです。
面白かったユニット
辛いユニットもありましたが、全体としては、ハワイ語コースは楽しかったです。
自分で見つけた規則性
ご存じの通り、Duolingoの特徴は、文法説明がほぼ全くないことです。つまり、たくさんの例文から自力で規則性を見つけ出さなくてはならない。そこが、わたしがDuolingoを気に入っている最大のポイントです。
文法の法則が見つけ出せたユニットはとても楽しかったです。
- Ua hele au.(私は行きました)
- Ke hele nei au.(私は行くところです)
- E hele ana au.(私は行くつもりです)
こういうのが楽しいのよー。
あと動詞や形容詞に定冠詞(ke か ka)をつけると名詞化するみたい。「食べる」→「食べること」、「強い」→「強さ」のように。
造語法。動詞の前に ho’o をつけると他動詞になる。
- komo(入る)→ ho’okomo(入れる)
- hana(働く)→ ho’ohana(働かせる→使う)
- hui(会う)→ ho’ohui(会わせる→加える)
- kokohe(近い)→ hoʻokokohe(近づく)
- mākaukau(用意が整っている)→ ho’omākaukau(用意する)
前に mea をつけると「~する物(者)」になるみたい。
- ’ai(食べる)→ mea ’ai(食べ物)
- inu(飲む)→ mea inu(飲み物)
- holoi(消す)→ mea holoi(消しゴム)
- kipa(訪問する)→ mea kipa(訪問者)
- lanakila(勝つ)→ mea lanakila(勝者)
- kalaiwa(運転する)→ mea kalaiwa(運転手)
ハワイ語らしい表現
また、ハワイ語ならではの感覚が現れている単語が出てくるとウキウキしました。
- ma kai(海側)
- ma uka(山側)
場所の位置を示すときハワイでは「~よりも海側、山側」という説明の仕方を使うようです。それって横浜と同じ。横浜でも「それって駅より海側? 山側?」みたいな言い方をします。
あと mai(こっち) と aku (あっち)。これはよく例文に出てきて、時々理解が難しいけど、これがもう大好きで・・・!
- E hele aku.(あっちへ行きなさい)
- E hele mai.(こっちへ来なさい)
ハワイ語は「行く」と「来る」を動詞では区別せず、aku と mai で区別するんですね。
- E hāʻawi aku iā ia.(彼にあげなさい)
- E hāʻawi mai iaʻu.(私に下さい)
英語は相手が彼でも私でも give を使いますが、日本語は「あげる」「くれる」と区別します。ハワイ語は動詞は変わらないけれど、 aku と mai で方向性を区別するのですね。
- Aia ia wahi ma uka iki aku ona.(That place is a little upland of it.)
- Aia ia wahi ma uka iki mai ona.(That place is a little upland of it.)
この二つの文は、英語だと訳語が同じになってしまいますが、話者がどこにいるかが違い、日本語だとその違いが明示できる。
- あの場所はそれよりもあっちの山側にある
- あの場所はそれよりもこっちの山側にある
日本語の理解が深まる表現
英語は「this」と「that」の区別しかありませんが、ハワイ語で英語の this にあたるのは kēia ですが、that にあたる指示詞は kēnā と kēlā 二つあります。Duolingoではその二つの違いが説明されていませんが、調べたところによれば、kēnā は自分からは遠いが話している相手には近く、kēlā は自分からも話し相手からも遠いという違いがあるそうです。
マオリ語の tēnā と tērā にも同じ違いがありますが、この違いは面白いことに、日本語の「それ」と「あれ」にも当てはまります。よくよく自分の言葉の使い方を振り返ってみると、「それ取って」と言うときの「それ」は相手から近く、「あれ取って」というときの「あれ」は相手からも遠いものではないでしょうか。相手が遠く離れている場合でも、相手の近くにあるものを「あれ取って」とは言わない。相手の近くにあるものは、自分からどんなに離れていても、使う言葉は「それ」一択です。
遠い記憶を思い起こすときは「あれは10年前・・・」などと「あれ」という言葉を使い、相手が話題にした話に関しては、たとえ遠い昔の話でも「それは何年前?」と聞き返す。
自分という意味で「こちらは」、相手を指して「そちらは」、第三者を指して「あちらは」と言うこともある。そういう時など、見事に一人称、二人称、三人称に当てはまる。日本語は身近すぎて深く考えたことはなかったけれど、マオリ語やハワイ語を学んだことで、日本語の理解が深まるのは面白い経験でした。
ノートを作ってよかった
今後も新しい言語をDuolingoでやるときは、できるだけノートをとろうと思っています。
ノートを作ってよかったことは二つあります。
- ノートに書くことで、情報が整理できた
- 情報が纏まった本(ノート)を手に入れた
スマホアプリさえあれば別にノートに書かなくても良さそうなものですが、どうもわたしはいまだにアナログ人間で、スマホだけでは不安。スマホアプリってメモを書き込めないじゃないですか。それが嫌。今後、また何かハワイ語について学んだらどんどん書き足して行かれる場を得たのは大きいです。
ノート作りに挫折しなかったのは、見た目にこだわらず、とりあえず書き留めることに専念したからでしょう。完璧主義は挫折の元。今後気が向いたら読みやすいように書き直すかもしれませんが、今はとりあえずこれで満足。
まだ理解できていないところもたくさんあり、よく分からないところなどは?印を書き入れてあります。これも今後また気が向いたら、少しずつ解決していかれたらいいなと思います。
ポリネシア諸語は日本語とも英語とも違い、新鮮で面白かったです。
Duolingoには説明がないので分かりづらいところもありましたが、ネットで検索し、情報を探しました。特に以下のサイトにはお世話になりました。
さーて、このブログを書き終えたら、いよいよハワイ語はひとまず終了。別の言語に取り掛かろうと思います。