英語

英検準1級体験記(二次試験編)

 二次試験は、38点満点中33点 (ナレーション11/15、Q&A19/20、アティテュード3/3)でした (合格基準点:22点)。

「自分の努力で合格を勝ち取った」という気分の一次試験とは違い、 二次試験に関しては 「悲惨な英語力にこんなに良い点をつけて下さって、本当にありがとうございます」 とただただ感謝の念を抱くばかり。 あまり努力した実感はないのですが、一応、参考までに記しておきます。 一次対策に引き続き、 これから受検されるみなさんのなにがしかのご参考になれば、幸いです。

二次試験の配点

 評価カードの形式から察するに、二次試験は以下のような配点で採点されるようです。

  • ナレーション 5段階評価×3つの観点=15点満点
           (観点の種別は不明)
  • 質疑応答 5段階評価×4問=20点満点
  • アチチュード 5段階評価×1

 つまり、全部で8項目×5段階。このままですと40点満点となりますが、 なぜかアチチュードだけは協会側で換算され直し、3点満点となります。なぜわざわざそんなことをするのだろう?? 38点満点より、40点のほうがキリがいいのにね。まあ一次は99点満点という中途半端さですから、単にキリのいい数字が好きじゃないだけかも。

 合格最低点は22点で、高いようにも思えますが、学校の5段階評価同様、どの項目でも最低1点はもらえるわけで、受けに行きさえすれば、合計8点はもらえるわけです。つまり、あとの14点をどうやって奪取するかを考えればいいわけで、最低22点取らなくちゃ、と思うより、ちょっと気分が軽くなりませんか? 少なくとも、わたしはこの事実に大いに励まされました^^

わたしの二次対策

 英検の場合、一次試験から二次試験までの流れはこんな感じです。

  • 6月10日(日)一次試験
  • 6月27日(水)一次試験合格発表(ネット速報)
  • 7月8日(日)二次試験
  • 7月17日(火)二次試験合格発表(ネット速報)

 つまり、一次試験から二次試験までは4週間、そのうち2週間半は、まだ一次試験の結果が出ていないんですね。でも二次で落ちるほど悔しいことはない(2次だけ受けても6千円かかるし!)ので 一次発表前からタラタラとではありますが、準備を始めました。

二次対策① ――英語の耳と口慣らし――

 わたしの場合、普段の生活で英語で話すチャンスはないので、とりあえず、英語の口慣らしからはいることにしました。使用したのは、フランス語学習でも大変お世話になっている

です。この教材は、同じ内容でも学習の仕方を変えられるのが魅力で、「聞く・読む・話す・読む」の4つのアプローチのうち、何を重視するかにより、 学習方法を選択することができます。 今回わたしは「聞く・話す(ロールプレイ)」モードで学習しました。

 このモードでは、ひとつのスキットを次のような手順で学習することになります。

  1. まずはざっと動画を見る
  2. 登場人物たちのセリフを繰り返して自分の口で言ってみる
  3. 文字を見て、文法を確認
  4. 登場人物の一人になりきり、動画相手に対話する

 わたしは先に文法を確かめてしまいたいクチなので、2番と3番を入れ替え、 以下のような順番で学習しました。

  1. ざっと動画を見る
  2. 文字を見て、文法を確認
  3. 登場人物たちのセリフを繰り返して自分の口で言ってみる
  4. 登場人物の一人になりきり、動画相手に対話する

 全部で40あるスキットは続き物語になっているので、物語の順に学習しました。ランダムに進めても構わないのですが、そうすると、まだ会ってもいない友達と別れる場面が先に出てきたりして、なんとなーく妙なので。ストーリー順のリストは 教室用モジュールにあります。

 ちなみにこれは初級者用の教材で、文章レベルは3級程度です。でもそれじゃあ準一級受験者には簡単すぎるかというと、そうとも言えない。いざ動画相手に会話しようとすると、これが案外難しいんですねえ。どうしてもスラスラとは言えず、噛んでしまう。頭で分かっていることと、口でスラスラいえることとは別物なんですね。良い訓練になったと思います。

二次対策② ――面接の予行演習――

 準1級に限らず、英検の二次試験にはパターンがあります。

  1. 最初に簡単な自己紹介をし
  2. ごくごく短い準備期間を与えられた後
  3. 渡されたカードの絵を解説する
  4. カードの絵に関連した質問に答える

 カードに描かれている絵(マンガ)は、3級・準2級では一コマ、2級では2コマ、準1級だと4コマとだんだん増えていき、2級までは与えられてたナレーションの内容が、準1級では自分で作らなくてはならないという違いはありますが、まあおおよその手順は同じです。

 ・・・で、英検の二次試験で求められるのは何より『とっさの気転』です。英語力より何より、これが一番大事。

 ・・・あ、違った。 もっと大事なものがあった。はもっと大事かも。何の運かっていうと、『試験官の当たり外れ』です。ごく一部の、どんな状況でも受かる人と、どんな状況でもまずムリでしょって人を除くと、大半のフツーの受験生の合否は「なるべくたくさんの人を合格させてあげたいな、って思っている心優しき試験官にあたるかどうか」でほとんど決まると思っています。・・・っていうか、今回わたしはそういう試験官にあたって合格しました^^;。まあでもこれは努力ではどうにもならないので対策のしようがないですね。

 少しは自分の力でなんとかなることで、一番大事なのは何かっていうと、やはりわたしは気転だと思います。世間の諸問題について意見を求められたとき、普段全く考えていないことだったとしても、もっともらしい意見を即座にでっち上げられるずうずうしさ。こういう、言わばアドリブ力は、ある程度訓練によって習得できるんじゃないかと思います。

 ・・・なんて書くと英検をおちょくってるみたいですが、こういうハッタリこそ、生半可な英語力なんかよりよっぽど実地の国際社会で役に立つような気がするし、まさに日本人に欠けているものだと思うので、この機会に磨いておいてソンはないかも。

 ・・・で、こういうのは『習うより慣れろ』。数をこなすのが重要だと思いました。そこで、具体的には買い集めた過去問に掲載されている二次試験の過去問を片っ端からやりました。全部で31回分。 音教材がついているものといないものがあったので、まずは音教材がついていないものをやりました。

Q&A対策

英検準1級二次対策ノート
英検準1級二次対策ノート
(画像をクリックすると大きく表示されます)

 まず問題集の面接カード部分をコピーし、B5ノートの左ページに1枚づつ貼り付け、 与えられたナレーションの最初のセンテンスと、4つの質問を色ペンで書きました。 32枚綴りのノートを使ったので、ちょうどピッタリ収まりました。

 そのあと、各左ページはナレーション(絵の解説)、右ページには4つの問題の回答をエンピツで 1行おきに書いていきました。 どんどん思いつくままに書いていったので、字は乱雑。 でも気にしない。 自分が読めればいいのだから。 あとで思いついたつけたしや模範解答の真似したい部分などは余白行に書きました。「本番でもこのフレーズは使えるな」と思った言い回しには色ペンでアンダーラインを引きました。

 一次の英作文でも思ったことですが、こういう回答って簡潔で短いほうがいいんですね。長くなるとボロがでるから。

 ただわたしも日本人、一言でスパッと言い切るのって怖いんですよね。「子どもは厳しくしつけるべきだと思いますか?」なんて問いに、模範解答みたく「はい。子どもには幼い頃から物事の善悪をしっかり教えこむべきです」 なーんて言い切るのは非常に抵抗がある。どれくらい抵抗があるかっていうと、西洋人がズーズー音をたててソバをすすれと言われているのと同じくらい? 何事においても中庸を旨とし、TPOに応じて手心を加えるのが我ら日本人の美意識ですからね。もし日常生活でこんな紋切り型のセリフを吐くヤツがいたら 絶対お友達にはなりたくないかも、とか思いつつ、英検二次試験を無事に突破するためには、自分自身がそういう『やなヤツ』にならなくてはならない。「時と場合による(It depends.)」なんて答えちゃったら、最低2文は話さなくてはならなくなりますからね。

 ウソでもいいから「言い切る」。これは試験なんだ。試験会場を舞台にしたお芝居なんだと割り切って、『やたらドライで信念に満ち満ちたガイジン』の仮面をかぶるしかありません。

 ホント、should(すべき)なんて言葉を使うのはいやなんだけど、これほど便利な言い回しもない。 あとI believe that ~とかね。 まるで政治家みたい。・・・で、もし万一Why ?と尋ねられて答えにつまったら? そんときゃThis is my conviction !(それがわたしの信条だからです!) とでも答えておくかぁ。あーもー、一体誰だコイツ?!って感じですが。

ナレーション対策

 さすがにノート一冊にびっしり書き連ねると、CDを使った学習に入る頃には、質問にはなんとか答えられるようになってきました。でも漫画の説明はダメ。使いたい表現がとっさに出てこなくて気ばかりが焦る。

 たぶんこれ、時間制限がなければもう少し気がラクなのだと思います。「2分で説明せよ」というこの時間制限が本当にキツイ。グズグズしてると2分なんてすぐ経っちゃう。

 ――2分以内で説明できなかったらどうなるのか、って?

 べつにその場で失格になるとかいうことはないので、ご安心を。でも2分経つと「ハイストップ」とその場で打ち切られてしまうんだそうです。2次試験の注意書きにそう書いてありました。つまり、どんなに上手な説明だったとしても、2コマしか説明できないで時間切れになれば、半分しか点数がもらえないかもしれないわけで、これは損。粗かろうが拙かろうが、とりあえず最後まで説明したいところです。

 でもねえ、これ、一度やってみるとわかると思いますが、日本語でも難しい。まず2分って時間が感覚的に分からないし、普段使っているものの名前が突然思い出せなくなる。「エエト、なんだっけ? アレだよ、アレ・・・」なんて考えているうちにすぐ数十秒経過。特にふだん『アレ取って』とか『コレやっといて』とか言ってるわたしみたいな人は要注意。ぜひこの機会に、何でも代名詞で用を足すそのクセを直しましょう^^;。

 とにかく2分という時間感覚をつかみたくて、家族にはかってもらって練習しました(うちにはタイマーがない)。問題集の模範解答ではかなり詳しく説明されていますが、英語ペラペラな人はともかく、そうでない人は1コマ1文のペースが無難だと思いますね。たぶんそれでもちゃんと言えれば受かるんじゃないかなあ? ただ、1コマのペーソスを1文にまとめるのが、これまた難しかったりするのですが。

 以下は、英検の公式サイトで公開されている2次試験の例題に関するわたしの解答です。

Oneday, a new employee was about to finish his first day of work. He left the office at 5:00 P.M., thinking that he was going to play tennis after 5. But next morning, the manager said “Please finish this work by the end of the week”. It was so much. He had to work until midnight everyday throughout the week to finish it. He couldn’t play tennis after 5 anymore. Moreover, to his surprise, he didn’t get any overtime pay on payday ! He was shocked and very disappointed to know that.

「ある日、新しい従業員が初日の仕事を終えようとしているところでした。彼はアフター5にテニスをしようと思い、5時に会社を出ました。翌朝、上司は言いました。「これを週末までに仕上げてください」と。それは大量でした。それを仕上げるために、かれは毎晩夜遅くまで働かなくてはなりませんでした。アフター5にもうテニスは出来ません。しかも、驚いたことに、給料日、彼は残業手当をもらわなかったのです! それを知って彼はショックを受け、とてもガッカリしました。」

 ちなみに模範解答の和訳はこんな感じ。

「ある日、新しい従業員が初日の仕事を終えようとしているところでした。同じ職場の他の人々がまだ働いているというのに、彼には他の計画がありました。彼はその晩、テニスをするのを楽しみにしていたので、5時きっかりにタイムカードを打刻して退社しました。翌朝、彼は上司に呼ばれました。上司は山のような書類を彼に渡し、この仕事は今週末までに仕上げなくてはならないと彼に説明しました。その男性は少し驚きました。なぜなら、ずいぶん大量の仕事に思えたからです。その週いっぱい、その男性は指示をこなすために残業しました。彼は疲れ、テニスをする時間がないのにがっかりしました。給料日、男性は給与明細を開き、ショックを受けました。残業をしたにも係わらず、会社は彼にその支払いをしていなかったからです。」

 ハハハ・・・。わたしのは短くて描写も粗く、漫画に書き込まれた表現をそのまま使って省エネしてる上に、 なにやら感情的^^;。実はこの男性に感情移入しちゃってたんですよね。「さんざ働かせた上にサービス残業なんて、この会社、ひどすぎ!」と憤慨してた。逆に模範解答のほうは、「他の人がまだ働いているのに、定時で帰るんかい!」という非難めいて読めなくもない。まあこの辺は考え方・感じ方次第で、英語力とはなんの関係もないから、模範解答と違っても気にしないことにしました。

 それから、わたしはどうしても hishimと herを混同してしまう傾向がある。これは昔からのクセですが、フランス語の影響もあるんじゃないかな。フランス語は英語と違い、所有形容詞が所有者の性ではなく、形容される側の性に左右されるので、混同してしまうんだと思います。そこで今回はhis managerとかher managerとは言わず、すべてthe managerと定冠詞で済ませることにしました。the fatherthe mother、すべてこの調子。本番ではそんなことすっかり頭からすっぽぬけちゃってさんざ間違えましたがね。この辺をもっと徹底しておけばよかったとあとで思いました。

 またたとえば、漫画に外国らしき南の島の様子が描いてあって、それがハワイに見えたなら、勝手にハワイということにしちゃっていい。a southern islandというより Hawaiiと言うほうがラクですもんね。同様に、paper diaper(紙おむつ)という単語が出てこなかったら、Pampersという固有名詞で乗り切る。言葉に詰まって時間を費やすより、そのほうがいいと思いました。

 根がネガティヴなものですから、二次試験前も一次試験前同様、「どうしよう~どうしよう~できなかったらどうしよう~?!」 ばかり言っていましたが、曲がりなりにもノート一冊、英文で埋めつくしたことで、多少は自信もつきましたし、「こういうときはこうしよう」みたいな、自分なりの方針も立てられたので、よかったと思います。

これが英検準一級二次試験だ!! ――怒涛の本番実録――

 二次試験は一次試験とは別の会場でした。たぶん、あちこちの会場で一次を受けた合格者を一箇所に集めて試験するのでしょう。ずいぶんとたくさんいました。

 周りの受験者は若い人ばかりでした。大学生なのかな? しかも圧倒的に女の子が多い。

 待ち時間は30分程度だったと思います。大きな教室で15分くらい待ち、そのあと各面談室の前に3人くらいずつ振り分けられ、また15分くらい待ちました。

待ち時間から試験は始まっている?!

 廊下で待っていると、面談室の中から声が聞こえてきました。受験者の声はほとんど聞こえない。でも面接官の声はよく聞こえました。受験者は窓に向かって、面接官は廊下に向かって座っているからでしょう。それにこっちは、何かの役に立つかもしれないと、耳がダンボになってますからね(笑)。

 英検準一級二次の問題は3種類あるようです。どれが当たるかは神のみぞ知る。前の人の会話が後の番の人に聞こえてしまって不公平にならないように、かつては3枚のカードを順繰りに使っていたのではないでしょうか。

 でも最近、事情が変わってきた。廊下に洩れる断片的な会話内容より、ネット上に流れる総括的な情報のほうがよっぽど英検協会の頭を悩ませているに違いない。二次面接を終えた日本中の受験生がネットで 「こんな内容だった」とネット上のフォーラムでぶちまけてしまうのですから。試験会場内で携帯電話が絶対禁止、使用したら即刻失格という厳しい処分が下るのは、音の問題などではなく、ネットの閲覧をはじめ、外部との交信を阻止するためでしょう。

 あくまでわたしの憶測ですが、協会はこの変化に対応するため、3種類の問題を時間ごとに分けて使うようになってきているのではないか、と思います。たとえば、試験開始から試験終了まで3時間だとした場合、最初の1時間は問題A、次の1時間は問題B、最後の1時間は問題C、というように。会場に入ってから試験までケータイが使えない数十分の待ち時間があることを考えると、こうしておけば、受験生が事前に問題の内容を入手するのはかなり防げますからね。

 ・・・で、そうすると、廊下で耳をダンボにするのも、戦略としてあながち的外れではないわけです。実際、前の番の人も、その前の人も、わたしと同じ問題でしたし。漫画の内容までは分かるはずもありませんが、どうやらバリアフリーに関係する話題らしいと事前にあたりをつけられたのは、精神的にラクでした。

 また、それ以上に、試験官の人となりが分かったので、やりやすかった。たとえば、わたしの前の人はナレーションに四苦八苦していたのか、試験官が「説明を始めてください」と言ってから質問に入るまでが異常に長かった。これはどう考えても2分じゃないでしょう、とわたしも思いましたが、隣で待っていた人も思わず時計を見てました(笑)。2分を越えた分はカウントはされないでしょうが、少なくともこの面接官は打ち切らずに最後まで 聞いていてくれるのだなと思うと、安心でした。途中で「ハイストップ!」って言われるかと思うと、すごく怖かったんですよね。ただでさえ緊張している時にそんなことされたら、跳び上がっちゃいそう。

 また、前の受験生が、質問を聞き返したのじゃないかと思いますが、「ああ、ゴメンなさい。聞き取りにくい言い方だったかな? じゃあもう一度言いますね」と面接官が言っているのが聞こえました。うおお、すっごい親切! お目にかかる前に早くも好感を抱いてしまいました(笑)。

 あとねえ、たぶんこの面接官、めちゃくちゃ英語ができる方だったんじゃないかと思います。その淀みない英語を聞いていたら、こっちもすんなり英語モードに入ってきたような・・・。日本人同士が無理して英語で話すのがどうも猿芝居に思えて、いつもはこの辺で苦労するのですが。

本番一部始終

 いよいよわたしの番がやってきました。以下は試験官とわたしの会話内容です。 かなり忘れているので正確ではない部分もありますが、ご容赦を^^;。

私: Hello ! (こんにちは)
官: Hello ! Could you give me your card ? (こんにちは。カードを渡してください)
私: Sure, here you are. (はい、どうぞ)

官: My name is ○×△. What’s your name ? (わたしは○×△です。あなたのお名前は?)
私: My name is Usagi Kiriu. Nice to meet you. (桐生うさぎと申します。はじめまして)

官: Have you ever talked with someone in English like this when you went abroad ? (海外でこんなふうに誰かと英語で話したことはありますか?)
私: What ? Um… Pardon ? (えっ? ・・・すみません、もう一度言って下さい。 ← 反射的にWhat ?と聞き返してしまい、ポライトではなかったかなと思って言い直した^^;。 アチチュードの点数が下がるのではないかとヒヤヒヤ^^;)

官: Have you ever talked with someone in English like this when you went abroad ? (海外でこんなふうに誰かと英語で話したことはありますか?)
私: Ah, yes ! But just a little… (ああ! あります。少しは。 ← 出た! お得意の口癖「少しは」。)

官: Where did you go ? (どこへ行ったのですか?)
私: I’ve ever been to Australia, U.S., Canada… (行ったことがあるのは、オーストラリア、合衆国、カナダ・・・。)

官: Wait just a second. Canada is a very large country. Which part of Canada did you go ? (ちょっと待ってください。カナダは大きな国です。カナダのどこへ行かれたんですか?)
私: I went to Whistler. Do you know Whistler ? (ウィスラーへ行ったんです。ウィスラーをご存知ですか?)

官: Whistler…? Oh, you mean, Whistler Mountain in British Columbia ? (ウィスラー? ああ、ブリティッシュコロンビアのウィスラー山のことですね)
私: Yes, that’s right. I went there to s… (ええ、そうです。そこに何しに行ったかというと、ス・・・。 ← ウィスラーを分かってもらえた嬉しさで思わずニッコリ。 その拍子にスキーという言葉をド忘れし、思わず両手で架空のストックを構え、前傾姿勢に^^;)
官: You went there to ski, right ? (スキーをしに行ったんだ、そうでしょう? ← なんて親切なお方!)
私: Yes ! That’s right. (ええ、そうです!)

官: As for United States, where did you go ? (合衆国ではどこへ行ったんですか?)
私: I went to Minnesota when I was a child, and… (子どもの頃ミネソタへ行きました。それで・・・。 ← 大人になってから再訪したと続けたかったが、とっさに出てこなかった)
官: So you don’t remember much about there, right ? (そこへ行った事はあまり覚えていないんですね? ← そういうわけじゃないけど、面倒くさいから、ま、いっか。そういうことにしておこう。)
私: Not really. (ええ、あんまり。 ← これは我ながら上手い答え方だったと自分で感心^^。)

官: OK. now, let’s begin the test. Look at the card. You have one minute to prepare. (ではテストを始めましょう。カードを見てください。あなたには1分間の準備期間があります。 ← ここからはテストの形式通り)
私: OK. (はい。 ← ・・・と答えて食い入るようにカードを見る)

官: You have two minutes to narrate the story. (2分間以内に話の内容を説明してください。) 私: One day, a woman biked to the station because she had to baby-sit for her sister. (ある日、一人の女性が自転車で駅へと向かっていました。 なぜなら彼女は、姉のためにベビーシッターをしなくてはならなかったからです ← 予め与えられたでだし通り)

私: When she got to the station, she was in a hurry because the train was about to come. So she parked his … her bicycle in front of the station. It was “No Parking” sign there, but she didn’t notice it. (駅についたとき、彼女は急いでいました。 なぜなら電車がもうすぐ来そうだったからです。 それで彼女は駅前に彼の・・・彼女の自転車を停めました。 そこには「駐輪禁止」の札がありましたが、彼女はそれに気づきませんでした。 ← 一コマ目の説明。駅前で女性が時計を見ながら電車が来るのを気にしている。 彼女の背後には駐輪禁止の標識と、その近くに並ぶ自転車。)

私: At her sister’s house, she… her sister asked her something … to buy something, and … and…, yes, he… she said “OK”. (お姉さんの家で、彼女は、・・・いえ、彼女のお姉さんは彼女に、何かを・・・何か買うように頼みました。 それで、・・・それで、そうだ、彼・・・彼女は「いいよ」と言いました。 ← 二コマ目の説明。赤ん坊を抱いた女性が彼女にショッピングリストを渡している。)

私: So she…, no, in front of the supermarket, there was a slope. But there were a lot of bicycle there in front of the slope, so she can’t use the slope. She carried his…, her…, the baby. The baby was on… on the baby… baby carriage. But she can’t use the slope. (それで彼女は・・・、いえ、スーパーの前にはスロープがありました。 でもスロープの前にはたくさん自転車が置いてあって、だから彼女はスロープを使えません。 彼女は彼の・・・彼女の・・・赤ん坊を連れていて、赤ん坊はベビー・・・ベビーカーに乗っていて・・・。 なのに彼女はスロープが使えません。 ← 三コマ目の説明。スーパーの入り口は階段の上にあり、階段のとなりにスロープがある。 スロープの前では子どもが遊んでいて、子どもたちのものと思われる自転車でふさがれている。 ベビーカーを押している女性がそれを見てショックを受けている)

私: On her way back home, at the station, she noticed “No Parking” sign there. And… and she regret… regretted… herself. (帰宅する途中、駅で、彼女は駐輪禁止の標識に気づきました。彼女は自分のしたことを後悔しました。 ← 四コマ目の説明。一コマ目と同じ駅で、女性が駐輪禁止の標識を見ながらショックを受けている)

官: Now I will ask you some questions. No.1: Please look at the fourth picture. If you were the woman, what would you be thinking ? (さて、あなたにいくつか質問があります。 第1問目:4コマ目を見てください。あなたがこの女性なら、何を考えていると思いますか?)
私: I would be thinking “Oh there is NO PARING sign here. I didn’t noticed. But I parked my bicycle here. I’m regret. I will never do so again.” (わたしはこう思うでしょう。「あら、ここは駐輪禁止だったのね。気づかなかったわ。 ここに自転車を停めてしまった。後悔してるわ。もうしないわ。」 ← うそばっかり。 人間そう簡単に改心するわけないじゃん。 自分ちの最寄り駅が駐輪禁止なことに今まで気づかなかったなんてありえない。 コイツは確信犯だよ、確信犯! あーこりゃこりゃ。 正しくはregretではなくregretful。)

官: Question No.2: Should people be encouraged to use bicycles when going to work or school ? (第2問目:通勤や通学に自転車を使うことが奨励されるべきでしょうか?)
私: Yes, I think so, because the bicycle doesn’t release the exhaust like cars. (はい、そう思います。なぜなら、自転車は自動車のように排気ガスを放出しないからです。 ← この答えにはちょっと自信アリ。 release the exhaust(排気ガスを放出する)という表現は過去問の模範解答に出てきたもの。 やっててよかった過去問!)

官: Question No.3: Do you think that Japan is becoming a barrier-free society ? (第3問目:日本はバリアフリー社会になってきていると思いますか?)
私: Yes, I think so. I think there are much more slopes now in our town than before. (はい、そう思います。以前より街中にスロープがずいぶん増えたように思います。 ← これもまあまあかな? 漫画に出てきた内容そのまんまですが^^;)

官: Question No.4: Do you think that more needs to be done to improve public safety ? (第4問目:公共の安全を促進するために、もっと多くの対策がなされるべきだと思いますか?)
私: Yes, I think so. There are still many dangerous place in our city, so something should be done to protect social safe… safe. (はい、そう思います。都市にはまだまだ危険な場所がたくさんあるので、 社会の安全を守るために何かがなされるべきでしょう。 ← 曖昧な質問には曖昧な返答でお茶を濁すの例^^;。 placeplaces。 safesafety。 どうしても名詞形が出てこなかった;;)

官: Now it’s over. (はい、これでおわりです ← この辺のセリフはあまりよく覚えていない。)
私: I see. Thank you. Good bye. (ありがとうございました。さようなら ← サンキューだけは、忘れないように意識して言った。 アチチュード、アチチュード^^;。)

後記

 あーもー、語学検定の二次試験の体験記ほど書いてて恥ずかしいものはありません。ホント、ナレーションに到っては、思い出すのも嫌、って感じ。

 でもそれだけに、これだけネット上に情報が溢れていても、意外と語学検定二次試験の克明な体験記ってなかなかない。だから物好きなわたしは「ならワシが書いちゃる」と思うわけです。

 実は、英検体験記は一次にしろ二次にしろ、たとえ落ちても書くと決めていました。不合格体験記っていうのも珍しいもんね、それはそれでレアでいいんじゃないかと思って・・・^^。

 これを読んだみなさんが、「こんなお笑いな英語力でも、準1級に受かるんだ」と学び、 果敢に挑戦してくだされば、わたしも頑張って書いた甲斐があるというもの。スマートに受かればそれに越したことはありませんが、カッコ悪くても何でも、受かっちゃえばこっちのもの。そう思って、失敗を恐れず頑張ってください。二次試験は受けに行くだけで8点もらえることをお忘れなく~♪

この記事は2007年に受験したときの体験を書いたものです。試験形式など、現在と異なる場合があるかもしれません。ご了承ください。書籍のリンクは、新版に貼り直してあります。

アメリカ合衆国ミネソタ州にて
アメリカ合衆国ミネソタ州にて

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