「一日5分でいいから、なるべくフィンランド語にも触れたいなあ」と書いたのは、3月の終わり。あれから3週間、最近、一日5分どころじゃなくなってきました。英語多読を押しのけ、いま夢中のフランス語に次ぐ勢いです。
最初はムーミンを教本に、森~~~なかんじでゆったりまったり探究していくつもりが、今はもう、早くいろんなことが知りたくてたまらない。ムーミン以外の一般テキストについつい手を出し、だんだん普通のアプローチに変わってきてしまいました。ムーミン谷にないものの名前は覚えたくないのに、いつの間にか世俗化しているわたしのフィンランド語ボキャブラリー。ああもう、ムーミン谷には帰れない・・・。
でも一つ、今でも守っているのは、なるべく文法を教えてもらわない、ということです。文法は自分で発見する。一から本に教えてもらうんじゃなく、文例集などでまずはたくさんの文に触れ、そこから自分で法則性を見つけ出し、あとから本でピンポイント的に確認するようにしています。
今日はなんと、婉曲表現を発見! 何かが欲しいとき、「Saanko 〇〇?」というときもあれば、「Saisinko 〇〇?」と言うときもある。同様に、誰かに何かを頼むとき、「Voitko ~ ?」と言うときもあれば、「Voisitko ~」というときもある。これはひょっとして、英語で「Can I ~?」より「Could I ~?」、「Will you ~?」より「Would you ~?」のほうが丁寧なのと同じなのではないかと思って確認したら、やっぱりそうでした!
しかもその名前が「条件法」。フランス語の婉曲表現と同じです。フィンランド語はフランス語とは全く違うルーツの言語。でもルーツが違っても、同じ発想を持つことがあるんですねえ。尤も、「〇〇が欲しいのですが」と、最後に「が」をつけることによって、条件の提示に留め、語気を緩和する手法は日本語も同じ。案外、どこにでもある発想なのかもしれません。
あと、これもフランス語同様、「あなた」を「あなたがた」に変えると丁寧度がアップするみたい。
これはまだ未確認なのですが、9は「10-1」、8は「10-2」という発想かも?? ローマ数字みたいですね。
単語集やフレーズ集を眺めていると、文法以外にも、いろいろな発見があります。
たとえば、国の名前。スウェーデン、ロシア、エストニアといった、フィンランドの近隣諸国および、中国、アメリカといった主要な国の名前に混じって「ソマリア」という名前がありました。
「ソマリア」ですよ。「ソマリア」。世界的な大国ではないし、地理的にもアフリカで遠いし、文化的にもイスラム圏で、フィンランドと関係がありそうには思えない。フィンランドってかつてアフリカに植民地を持っていた時代があったっけ?と考えてみましたが、・・・いや、なさそう。
でもたかだか10カ国しか載っていない国名リストの中にわざわざ入っているからには、何かありそうだと思い、調べてみました。
そしたら! フィンランドはソマリアから多数の難民を受け入れており、ソマリア人は、フィンランドにおける最大の非ヨーロッパ系エスニックグループなのですと! その数1万1千人以上。更に年10%の比率で増え続けているのだそうです(wikipedia Somali community in Finland参照)。
それから、食材。「豚肉」や「牛肉」に混じって、「トナカイ肉」とか「ヘラジカ肉」という語彙がある~~! それって、トナカイやヘラジカの肉を食べることがある、ってこと??
ちなみに、こういう発見をさせてくれたのは、主に以下のテキストです。フィンランド語って、マイナーな割には比較的テキストが何種類も出ているのでありがたい^^。
最初の「らくらく旅の~」は手ごろなボリュームなので、一冊まるごとノートに写しながら、文の成り立ちを推測しました。「旅の指さし会話帳」は眺めながら。「面白いほど~」と「フィンランド語のしくみ」は付属のCDを聴きながら。最後の二冊は文法を確かめるときにも使っています。
とはいえ、すべてのフレーズの成り立ちをきっちり解明するのは無理なので、分かるところだけ。全体の文法事項から見たらほんのわずかだと思いますが、「さあ、いくつの発見があるかな?」という感じで、ゆるーくやってます。
でもその程度のゆるさでも、次から次へとさまざまな発見があったり驚いたり。フィンランド語って、前置詞が名詞にくっついちゃったみたいなのもあって、今まで学んだどの言語とも違う不思議ワールドです。