娘が受験勉強から解放されたら、わたしまで勉強しなくなってしまったここ1週間。フランス行きが目前というのに、フランス語日記を書く以外、何もしていません。ペースメーカーよ、もう一度、というわけで、「お願い! ママのために、何でもいいから勉強再開して~!」と、現在娘に要請中です。
ところで、勉強を中断するまでやっていたのは「耳から始めるフランス語」というテキストです。
これがとっても面白かった!! CDで聞き取ったフランス語でゲームを楽しむ本です。
クイズで楽しむフランス語
まえがきがまず振るっています。
フランス語を始めたばかりなのに、あなたはもうたいくつし始めてはいませんか? (中略) このCDブックは、くじけそうになっているそんな学習者のために作りました。文字と音とゲームを組み合わせた、耳から始める「フランス語の入門」です。
まえがきにあるとおり、この本が対象としているのは、「くじけそうになっている入門者」です。入門書を読み始めてみたけれど、一冊読みきらないうちに挫折しそうな人。
「フランス語をこれから始めようと思っている人」にはちょっと難しすぎ、「ほんの少しだけどフランス語をかじったことがある人」が対象のニッチな本。・・・いや、ニッチなようでいて、意外と学習層が一番厚いのってその辺かも??
どれくらいフランス語をかじっていればこの本が難しすぎないかというと、あくまでわたしの感触ですが、フランス語の会話クラスに3時間ほど参加したことがあれば、大丈夫。市販の入門書を最初の5分の1くらい読みました、という人もオッケー。すでに知っている知識を核にして、楽しみながら新しい知識を増やしていかれるのでは、と思います。
つまり、まだフランス語を始めてほんの数時間だったとしても、その数時間はゼロとは大違いなんですね。真珠と同じで、小さな核があるかないかって、すごい違いなんだなあ、と、この本を読んで感じました。ほんの少しフランス語を知っているだけで、こんなに楽しめるんだ、そして、小さくても核があれば、そこから新しい知識を巻き取っていかれるんだなあ、と。
具体的に、どんなゲーム(クイズ)があるのかというと・・・。
- 旅館の宿泊者の性別を聞き取り、間違えて女湯・男湯に入ってしまった人を当てる。
- ドロボウが盗んできた貴金属のうち、どれが無垢で、どれがメッキかを聞き取る。
- スパイになったつもりでボスの指示通りに道を歩き、情報を集める
・・・などなど。
まあ、よくこんなにいろんな問題を考え出したものだ、と感心するほど、次から次へと様々なクイズが出てきて、しかも出てくるのが旅先や日常生活を送る上で必須の単語や言い回しばかりなので、「これは絶対に使える!」と確信できるクイズばかりだったので、最後まで全く飽きるということがありませんでした。
CDをよーく聞かないとクイズに正解することができないので、普段音の聞き取りがおっくうなわたしもついつい夢中になり、全部で二時間ほどのCDを繰り返し聴いてしまいました^^。
とはいえ、フランス語が聞き取れれば必ず正解できるわけではない。たとえば消去法を用いてデータを照合するなど、聞き取った情報を何らかの形で整理しなければ解答できない問題もあり、おかげで事務的処理能力がだいぶ磨かれました^^。
フランス語以外の知識が必要となることもあり(たとえば、日本の各県の特産物や、童話の概略など)、一ひねりあるから、フランス語の実力には余裕がある人がやっても、けっこう楽しめるのでは?と思います。
聞き取りのコツ
ゲームも面白かったですが、最後に「聞き取りのコツ」という章があり、それがまた良かった。
聞き取りを行う際には二つの能力が同時に動いているのだそうです。ひとつは全体の筋をざっくりつかみとる「トップダウンの聞き取り能力」、もうひとつは細かい部分を理解しようとする「ボトムアップの聞き取り能力」だそうです。
後者の「ボトムアップの聞き取り」はさんざゲームで磨いたので、最終章では「トップダウンの聞き取り」の練習。「全体を聞き取る」とは、具体的にどのようにすればよいのか、何に注目すればよいのかが書いてありました。たとえば、
- 聞き取れた単語を核に全体の筋を類推し、分からない部分を想像で補う
- 話のパターンを読み、予め先を予測する
- 話し手の声の調子をヒントにする
- フランスに関する知識を予め仕入れておく
など。
外国語を理解するうえで、単語力や、聞き取り能力や、文法を知っていることは、もちろん大事だけれど、それが不十分でも、諦めるのはまだ早い。想像力やら他の方面の知識やら、力不足を補う方法はいろいろあるんだなあ、と思いました。
このテキストを終えたことで、なにより耳のトレーニングになりましたし、新たな単語を覚えたり、忘れかけていた言い回しを思い出したりといった効用もありましたが、とにかく、フランス語で存分に遊べて楽しかったです♪
こういう楽しいテキスト、もっと他にないかな~? そしたらわたしだって、娘にいっしょに勉強してもらわなくても、楽しく勉強できると思うんだけど・・・。