ヒンディー語

ヒンディー語をやってみた

マサラチャイとヒンディー語テキスト

 先日書店をぶらぶらしていたら、NHKのアジア語楽紀行のヒンディー語テキストが目にとまり、つい買ってしまいました。

 まだインドネシア語を始めたばかりで、ちょうど面白いところ。アラビア語もやらなくてはならず、とても新しい言語など始める余裕なんてないのですが、一度テキストを開いてしまったら、ヒンディ~~~な香りがウワーーッとページから立ち上ってきて、もうダメ。書棚に戻せなくなってしまいました。・・・で、そのまま大事に抱えてレジへ、というわけ。レジで並んでいる最中でさえ、もう待ちきれなくて、開いて見てました。

 ヒンディー語は、文字が独特です。どんな文字かっていうと、こんな文字↓^^。ナーガリー文字といいます。

ヒンディ語でナマスカール(こんにちは)
ナマスカール(こんにちは)

 横に貫くこの横棒が素敵じゃありませんこと? この文字にやられてしまい、帰りに図書館に寄ってナーガリー文字の本を借り、家で早速ヒンディー三昧しました^^。

 実はほんの一週間まで、ヒンディー語のつもりで「ヒンズー語」とか呼んでたわたし(汗)。ヒンズー教(ヒンドゥー教)って言うから、てっきり言葉のほうも同じかと思ってました。それほど、なーんにも知らなかった。アラビア語でインドのことを「ヒンドゥ」と呼ぶし、インドの宗教だからヒンドゥ教、インドの言葉だからヒンドゥ語なんでしょ?くらいの認識しかなかった。

 そうじゃなかったんですねえ。ヒンディー語の「ヒンディー हिन्दी」というのは、「ヒンドゥ हिन्दु」の形容詞形。「イングランドの」という意味の形容詞「english」がそのまま「英語」という意味に使われるのと同様、本来、「ヒンディー」というだけで「ヒンディー語」のことを示すのだそうです。うーん、さすが、インド・ヨーロッパ語族! 妙なところが英語と似ています。最後にiをつけて形容詞にするところも同じ~!地理的にはとっても遠いのにね。

 また、じゃあインド人は自分の国のことをなんて呼ぶのかしら? やっぱ「ヒンドゥ」?と思いましたが、これも違った。インドでは自国のことを「バーラト भारत」と呼ぶのだそうです。あら?どこかで聞いた語感・・・と思ったら、かの一大叙事詩「マハーバーラタ महाभारत」の「バーラタ」と同じなんですね。なんでも昔、西北インドにバラタ族と呼ばれる人たちがいたのだそうで、そこからきているのだそう。ちなみに「マハーバーラタ」の「マハー महा」のほうは、「偉大な」というような意味のようです。

 ところで、アフガニスタンのほうに「ヒンドゥクシュ山脈 हिन्दु कुश」とかいうのもあるよね。あれも同じヒンドゥ? そもそもヒンドゥって一体何? と思ったら、インダス川のことなんですって! 「クシュ कुश」というのは何でか分からないけど、「草」という意味らしい。

 一通り文字システムを学んだあと、こんなふうに思いつくままにあれこれ調べたり、買ってきたNHKテキストや家にあった旅の指さし会話帳の文字を片っ端から読んでいたら、なんとなく文字が少し読めるようになりました。一見難しそうに見えますが、文字と発音の関係がシステマチックなので、比較的覚えやすいみたい。少なくとも、タイ文字よりはるかにラク。日本人にとって発音し辛い文字が少ないのでイメージしやすいからかもしれません。

 当面のところ文法などをやる予定はありません。あとはテキストを見ながら楽しくテレビ(1日たったの5分!)を見るだけで充分。ときどきインドネシア語やアラビア語と同じ語彙が出てくるので嬉しい^^。

 たとえば、インドネシア語でパンは「roti」ですが、ヒンディー語でも同じ「ロティ रोटी」! インドネシア語で「国家」は「ヌガラ negara」といいますが、これもナーガリー文字のナーガリー(「都市の」という形容詞)の元の「ナガラ नगर(都市)」と関係がありそう。

 アラビア語からも大量に借用語が流入しているようです。面白いのは、同じヒンディー語でありながら、「こんにちは」という挨拶一つにしても、ヒンズー教徒が使う言葉とイスラム教徒が使う言葉では全く違うということ。一般によく知られている「ナマスカール नमस्कार」はヒンドゥー教徒の挨拶で、イスラム教徒は、アラビア語に倣い、「アッサラームアレイクム」と挨拶するのだそう。もし一人がヒンドゥー教徒、一人がイスラム教徒だったら、どっちの挨拶になるのかな? お互い自分の言いたい言い方で言うのかな?とか、いろいろ考えると楽しいです。

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