ちょっと前になりますが、スカイプレッスンで先生に「いろんな外国語をちょっとずつ齧っている」と言ったら、「じゃあ初心者のプロだね!」と言われたことがあります。
「初心者のプロ」かあ。上手いことを言うものだ、と思いました。残念ながら、元の言い回しを覚えていない(何語で言われたかさえ記憶にない)のですが。
でもほんと、外国語を「始める」ことにかけては、わたしはプロフェッショナルかもしれません。外国語を始めた経験だけは豊富なので。
というわけで、今日はわたしなりの「外国語の始めかた」を書きます。
外国語の始めかた
用意するもの
- やりたい気持ち
- インターネット
とりあえず道具立てはこれだけ。
やりたい気持ち
これには異論があるかもしれませんが、わたしは、外国語を始めるのに動機は必要ないと思っています。
あればあったで構わないけど、なくても全然構わない。「やりたい」という気持ちさえあれば、理由なんてなくてもオッケー。
「なぜこの言語がやりたいか」なんて考えるヒマがあったら、挨拶の一つでも覚えたほうがいいと思う。そういうテツガク的な問いかけは、他に何もできないとき、暇つぶしにやればいいんじゃないですかね。
「大志とヤル気は比例する」という意見もありますが、わたしはそれはないと思う。
立派な動機、もしくは大志を持ってアラビア語を学んでいたかつての級友の多くは、今アラビア語をやっていません。
一方、ろくな理由もなく、ただなんとなく面白くて学んでいるだけのわたしは、いまだにアラビア語を続けています。
よく「明確な目的意識を持て」だの「薄弱な動機では学習は続けられない」だのと本に書いてありますが、余計なお世話。ちゃんと続けているので、どうぞご心配なく。
インターネット
初めての外国語を始めるとき、多くの人は、本屋で本を一冊買ってくるんじゃないでしょうか。
でもわたしはそうしません。なぜかというと、リスクがあるからです。
どんなリスクかというと:
- 本を買うにはお金がかかる
- 買ってしまった本は簡単には捨てられない
「そんなお金大したことない」「モノを処分するのは得意」という人はいいかもしれませんが、わたしはケチだし、一度買ったものはそう簡単にゴミ箱にポイできないタイプ。だから買いません。
なぜなら、その本を最後まで読みきらずに挫折した場合、「挫折した」という事実が本という形で残ってしまうからです。
これは、まず気分が悪いし、次に別の言語をやろうと思ったときの障害になる。
「あー、あのとき、○○語の本を買って、結局やらなかったしなー。じゃあ今回も結局やらないかな」と思って、一歩を踏み出せなくなる。
・・・というか、日本の多くの家庭には、読み切れていない英語の本がたいてい何冊か転がっていて、それが何気に語学へのトラウマになっているんじゃないでしょうか。
読んでいない英語の本が何冊かある。だから他の外国語が始められない。また本を増やして終わるんじゃないかっていういやな予感がして。違うかな?
・・・どうしてそんなことが言えるのかって? そりゃあ、うちにもそういう本があるからだよ(笑)。
そういう本を見ると、イヤ~な気分になります。でも敢えて無視。過去は過去。
ただし、過去の過ちから、学ぶべきことは学ばなくてはならない。
「読むかどうか分からない本を買ってはいけない」という部分です。「挫折」を増やさないために、ここは学習しないといけない。
挫折感というのは、
- 投資の元を回収できない
- 無駄足を踏んだ痕跡が残っている
から感じるのであって、お金を減らしたり、モノが増えたりしなければ、それはただの「お試し」。引き返したとしても、「挫折」にはカウントされない。
つまりいつでも引き返せる状態から始めれば挫折の可能性はゼロ。だから学習が軌道に載るまでは、
- 元手ゼロ
- 挫折の証拠を残さない
のがポリシーです。
まだ続けられるかどうかが分からない最初のうちは、本の代わりに、インターネットを使います。インターネットなら、途中でやめても「お気に入り」から消すだけですからね。お金もかからないし、部屋も散らからない。こんな上手い話、ほかにある?
たとえば10年前から、新しい言語を始めるたびにお世話になってきたのは、
そのほか、最近はスマホ用のフリーのアプリをよく使っています。完全版はお金を出さないと手に入らないものでも、たいてい試用版がタダで手に入る。
たとえばこんなのを使っています。気に入っている順から:
他にも適宜、様々なアプリやらサイトを利用しています。
これらのアプリ・サイトはそれぞれ欠点もあるし、人によって好き嫌いも分かれると思う。だから自信を持ってオススメはしませんが、わたし個人としては気に入っています。
わたしは「一般的に良い」ということと、「自分にとって良い」ことは全く別物だと思っていて、一般的に良いものより、自分の好みを優先します。
たとえば「しかるべき情報筋による立派なサイト」と、「どこの馬の骨が書いているか分からないブログ」があって、でもなんとなく後者のほうが楽しそうだな、と感じたら、迷わず後者を選ぶ。
それで万一、文法とかに間違いがあって、多少間違った知識を覚えてしまったとしても、「楽しい」「好きだ」という気持ちをもてるほうが圧倒的にお得だと経験上、知っているからです。
一般的に価値が高いサイトでも、やる気がそそられなければ、自分にとっては無価値。「面白そう」と思えるのが一番大事。それが最優先です。
インターネットのほか、家に元々ある本も使います。本も電子書籍で済むなら場所をとらなくていいのですが、あいにくわたしはアナログ人間なので、けっこう紙の本への依存度は高い。具体的には、語学テキストじゃありませんが、
をよく眺めています。70冊以上、ほぼ全部家にそろえているので、これをまず最初に眺めることが多いです。
あと、図書館が近い(というか、わざわざ図書館に近い家を選んだ)ので、最大限に活用しています。
それからテレビ。テレビを見る習慣がないので、ネットと本に比べると頻度は下がりますが、メジャーな言語の場合は、NHKの語学番組を見ることもあります。受信料払ってるしね! わが家では語学番組が受信料のモトをとる唯一の手段。
ラジオはテキストを買って年度の切れ目から真面目に取り組まないとちょっと厳しい内容ですが、テレビは難しくないから、テキストは必要ないし、年度の途中で突然一回だけ見ても楽しめるので。
語学というのは、なにも4月から始める必要はないと思うんですよね。やりたいと思ったその日が吉日だと思っちょります。
無料教材まとめ
- インターネット
- 手持ちの本+図書館
- NHK講座(テレビ)
外国語を始めたあと
学習がどうやら軌道に乗ってきたかな?と思ったら、徐々に元手をかけ始めます。本も買うし、有料アプリも買います。特に単語帳と辞書アプリは肝だと思っているので、サイフのヒモがゆるい^^。
あと、オンラインレッスンなんかも始めちゃう。DMM英会話に入会したのは、トルコ人と喋りたい一心でお試しレッスンを予約したのがきっかけ。最初はほんのお試しだけのつもりだったけれど、一度二度レッスン受けたら病み付きになり、結局入会してしまった。これだけでも毎月8000円かかっていますが、気にならない。毎日日替わりでいろんな外国語が楽しめるんだもん。安いもんです。
またウィキペディアにはたいへんお世話になっているので、募金のお願いが上がってきたときは、なるべく募金するようにしています。
・・・という話をこの間、セルビアの先生にしたら「それは良いカルマを積めそうだね。僕も見習うわ」と言うので大笑い。・・・いや、来世を考えて募金してるんじゃなく、ウィキが万一なくなりでもしたら困るから応援してるのですが(笑)。
でも、いきなり高価な教材に大枚をはたかない。若い頃、5万以上するリンガフォンを買い、全然使わなくて親にさんざん文句を言われた苦い経験があるので。
まずはいつでも引き返せるところからはじめ、投資するなら様子を見つつ、少しずつ。
それがわたしの「外国語の始め方」です。