英語

聞き読み

 聞き読みができるようになりました。ある日突然に。「聞き読み」というのは、英語の原文を見ながら、その朗読を聞くことです。(聞き読みについて参照)。

聞き読みができなかった頃

 わたしはもともと二つ以上のことを同時にするのが苦手。最初は聞き読みなんて、できるわけがないと思っていました。

 でも以前そんな感じのことをブログにチラッと書いたとき「ただ単に慣れの問題だと思います」というコメントを頂いたので、そんなものかな~?と思い、ここ2カ月ほど、ときどき挑戦してみてはいました。

 とはいえ、やっぱりできない・・・。CDを聴こうとすると目がお留守になり、テキストを読もうとすると耳がお留守になる。無理やり両方やろうとすると、聴くことも読むこともできず、さっぱり内容が頭に入ってこない。

 結局あとから読む直す・または聴き直すハメになり、「やっぱりわたしには無理だわ~」とタメイキをつくのでした。

 知っている物語ならどうかと思い、試してもみましたが、何十回も聴いている「がまくん」や「パンプキンスープ」ですら、聴いているときはテキストが邪魔だし、読んでいるときは音が邪魔。音と文字の情報処理に追われるばかりで、ちっとも楽しめませんでした。

 だからもう、いい加減、わたしには無理なのかな~?と思い始めていたのですが・・・。

ところがある日突然

 ところが先日、突然できるように。

 初めて聞き読みに成功したのは「A Puzzle for Logan」というケンブリッジリーダーズの推理モノでした。

 レベル的には、ちょうど今のわたしに合ってる感じの本でした。知らない単語や分からない部分はなく、でもサラサラとは読めず、ちょっと頑張って読む感じ。CDの朗読も速すぎず遅すぎず、ちょうどいいと感じるスピードでした。

 最初は音で聴いていたのですが、被害者だの容疑者だの、捜査官だの検死官だのの名前がワーーーッと出てきて、どれが誰やらこんがらがってきたので、登場人物リストを見ながら聴こうと思って、テキストを取り出したのです。

 ・・・で、なんとなくそのままCDをかけながら、テキストの本文を読みだしたのですが、あいにく疲れ目で、字に目の焦点がうまく合わなかった。

 目も疲れてるし、音で聴くのも飽きちゃったし、このまま寝ちゃおっかなーーー、なんて思いながら、目の焦点もちゃんと合わせないままなんとなくぼんやりとテキストを眺め、惰性で音を流し続けていました。ベッドにゴロリンしながら。

 これ、わたしにはよくあるパターンなんです。・・・というか、ヘッドホンかけたままiPod流しっぱなしで寝るのが、わたしの不眠症対策で、たいてい物語の途中で眠ってしまう。

 でもその時はたまたま昼間だったので、すぐには眠らず、真面目にテキストを読むでもなく、iPodを聴くでもなく、しばらくボーッとしながらゴロゴロしていました。

 ・・・ところが。

 ふと、物語の筋が追えていることに気付いた。一応目は文章を追ってはいるものの、単語はピンボケだったし、音はいつものボリュームでかけているものの、まともに聞いてないからか、音が小さく、遠くに聞こえるのに。

 つまり、ちゃんと読んでいない。ちゃんと聴いてもいない。なのに、なんとなく話の筋が追えるのです。

 なぜ話の筋が追えるのか、自分でもよくわからない。この情報はどこから入ってくるのか。耳からなのか、目からなのか。

 でもとにかく、なんでか分からないけれど、話の内容が分かるのです。

 ・・・で、なんでか分からないけれど、こうしてわたしは聞き読みが突然できるようになったというわけです^^。

 まあ聞き読みって最初からできる人もいるようなので、「聞き読みができたからって、それが何?」かもですが、それまで全くできなかったことわたしとしては、突然できるようになってビックリでした。

 しかも、不思議な感覚ですねえ~。情報が耳から入って来たのか、目から入って来たのかわからないなんて、そんなこと、あるんだーーー!!

 で、不思議なもので、一度できるようになってからは、割と簡単に「聞き読みモード」に入れるようになりました。モノにもよりますけど。

聞き読みモードに入れる条件

 いろいろ試してみた結果、朗読は遅すぎても速すぎてもダメみたい。朗読が速すぎると話についていかれないし、遅すぎるとまどろっこしくて目がフライングしてしまう。自分が読みたいスピードに朗読の速さが合ってないとダメみたいです。

 あと、きっちり理解しようと思うとダメですね。一度「聞き読みモード」に入っても、何かにひっかかった途端(たとえば「このheって誰?」とか)、パーンと一瞬でモードの外にはじき出されてしまう。どうも、話の筋が追えればいいや、くらいの気楽な気分のほうが、長くこのモードに浸っていられるようです。

 ・・・ま、はじき出されたら、もっかい入り直せばいいんですけどね。まだずっと一冊通して聞き読みモードということはなく、モードから入ったり出たりで忙しいです。そのうちもっと慣れてきたら、もっと聞き読みモードを持続できるようになるのかなあ?

聞き読みか、聴き読みか

 ところで、この記事を書くのがきっかけで分かったことがあります。

 それは「なぜいままで聞き読みができなかったのか」です。

 「キキヨミ」って「聞き読み」って書くんですね。でもついさっき確認するまで、わたしはずっと「聴き読み」だと思っていたんです。だって「多読・多聴」って書くじゃないですか。だから両方合わせて「聴き読み」なのかと。

 でも、わたしができるようになったのは「聞き読み」であって「聴き読み」ではなかった。音は「聞こえている」程度。積極的に「聴く」感じではないのです。

 ・・・まあ、人によって目と耳を使うバランスは違うそうなので、あくまでわたしに関しての話ですが、「聞き読みなんてできな~い!」って思ってたときには、真面目に「聴こう」としすぎてた。だからできなかったのかな、と思いました。

ラクで不思議な感覚

 「聞き読み」は、とてもラクです。実際に体験するまでは、「目と耳を両方とも使うなんて、さぞかし疲れるだろう」と想像していたのですが、それが逆で、耳も疲れないし、目も疲れない。本を持っている手と、ヘッドホンで締めつけられている頭はちょこっと疲れますけどね。

 それにちょっと不思議な感覚で、面白い。目も耳もボヤ~ッとしていて、水の中にいるような感じがします。

 偶然できるようになった感じだし、まだできるようになって日が浅いので、ふとした拍子にまたできなくなっちゃうかも、と実はまだ不安です。自転車のように、一度乗れるようになったらずっと乗れるようなものだといいのだけれど・・・。どうなのかな??

 でもせっかく掴んだこの感覚、ずっと忘れないでいられたら、と思います。

蘇州 山塘街
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