2003年8月31日 英検2次合格体験記

7月に受けた英検の結果を、先日受検した塾に聞きにいってきました。
結果は見事合格! なので今日は、その合格体験記を書きます。

英検合格の決め手はなんといっても、 自分の実力に見合った級を受検すること、 コレに尽きると思います。

‥あっ、今笑ったでしょ?
なんだ、そりゃ、って。

でも実はこれってけっこう大事なんじゃないかなぁ。 特に、最初に受検するときには。

人間は誰しも、試験に落ちればがっかりすると思います。 あまり気にしないように、と思っていても、やっぱり結果は気になるもの。
ならば、――どのみち結果が気になるなら、とことん気にしてみようじゃないか。 とことん合格にこだわってみようじゃないか。

検定なんてのは受かってなんぼのもの。
ただ受けてみるだけじゃ、意味がない。

――ネネに付き合って1月に英検を受検したとき、 うさぎはそういう気概を持って受けました。
最初は2級を受けようと思いましたが、 まずは実績を作ること、必ず受かることが大事だと思い、一つ級を落とし、準2級を受検。 その代わり、必ず受かろうと思って受けました。

直前一週間で1冊問題集をやり、1次試験は97%の正答率で難なくクリアー。 この調子なら2次も軽い軽い――と思い、何も準備らしいことはせず、 当日を迎えました。 2次は面接試験。 クソ度胸には自信があるので、全く心配していませんでした。

要は、言ってることが通じりゃいいんでしょ、通じりゃ‥。

って思ったのね。

ところがこれが甘かった。
面接室に入ったとたん、カーッと上がってしまいました。

――どうしてかって?
それは、面接官が日本人だったからです!

なぜだかそれまでうさぎ、面接官は青い目の外人さんだとばかり思っていたのです。 だから、ニコニコ挨拶して、尋ねられたことに答えて、質問の意味が分からなかったら 何度でも聞き返して、結果的に意志の疎通が図れればいいんでしょ、って思っていたの。

ところがところが、面接官は日本人でした。そして、相手が日本人だ、って分かった瞬間、

これは間違ったことは言えない!

と、うさぎは思ったの。そして、

これは試験なんだ‥!
文法や発音をチェックされてるんだ!

って気付いてしまったのね。 それで、かぁぁぁぁぁっ、と頭に血がのぼってしまったのです。

‥だからその2次試験では、どんな問題が出たのか、自分がどんな風に答えたのか、 あんまりよく覚えていません。

ただ覚えているのは、「あなたは何をしているのですか(What are you doing?)」と 最初に尋ねられて、「英検の2次試験を受けています」と答えてしまったこと。 「わたしはあなたの職業を尋ねているのです」と面接官に言われ、 赤面しつつ、「主婦です」と答え直しました。
それから環境ボランティアに関する問題文を最初は黙読で、次に音読で読まされ、 それについていくつか質問され、最後に自分の意見を求められて、 「それは時と場合によります」とか 「考えたことないから分かりません」と答えたことくらいでしょうか。 最後まで上がりっ放しのまま、退出しました。

だから、このときは2次の結果を聞きに行くのが怖かったですね。 自分が何を答えたのかを覚えてもいなければ、どう答えるべきだったのか、 評価基準、ボーダーライン、何ひとつ判らななかったのですから。

結果的には合格しましたが、 次回は2次対策をしっかりしよう、と心に誓ったものです。

◆◆◆

そんなわけで、2級受検のときには、1次試験が終わると、その結果がまだ出ないうちに、 2次対策を考え始め、問題集を探して買ってきました。 なんと、面接試験にもそれ用の問題集が出ているんですねえ。 準2級の受検のときには気付かなかった――っていうか、 探しもしなかったのだから、のん気なものです。

テキスト

DAILY10日間 英検2級 二次試験対策 予想問題(CD付き)
旺文社刊 1300円

これがその問題集。 準1級用 準2級用 も出ているようです。

どうやら二次試験の形式は準2級も2級もほぼ同じようで、

@ イラスト付きの短文が与えられ、20秒の黙読をする
A 次に、音読する
B 内容を問う問題が2問尋ねられる
C イラスト(2級は2コマ漫画、準1級は4コマ漫画) の状況を説明するよう求められる
D その話題に関する意見を求められる

という形式をとることもわかりました。 そして、「あなたは〜と思いますか」と尋ねられたら、 まずイエスかノーかをはっきり答えるべきであるということもわかりました。 準2級2次のとき「場合によりけり」とか 「考えたことないから――」などと答えたのは どうやら好ましくなかったようです。

そういえば、知り合いのアメリカ人と話していたら、 「どうして日本人は、すぐ"ケースバイケース"とか言って、 イエス、ノーの明言を避けたがるの?!」と言われたことがあります。
そんなこと言ったって彼女、
「農産物を輸入することについてどう思うか」とか
「原子力を利用することについてどう思うか」なんて難しいことを聞いてくるのよ。 そんなこと突然聞かれたって、意見なんか言えるわけがない。

でも、そう思うのは日本人だからであって、 アメリカでは、イエスかノー、白黒きっちりつけるのが普通なのだそうです。 そして、英検の2次対策もそう。 問題集をやったところ、テーマは環境問題や福祉、インターネット関連が多いようで、 日ごろはどう考えているにせよ、 「脳死後の臓器移植についてどう思うか」、 「ヨーロッパの通貨統合についてどう思うか」といったヘビーな質問に対し、 即座に立派な意見をでっち上げる必要があるわけです。

でもさあ、これって、自分の意見をとり纏める力より、 どういう意見なら英語で言いやすいかを把握する力が大事なような気が‥? なんだかもううさぎ、問題集をやって、 自信をつけるどころか、自信喪失してしまいましたね。 それでも2次を受けにいかれたのは、一重に、 「準2級のときよりは、多少は上手くやれるのではないか」 という期待があったからです。 準2級に受かったという実績があってこそ、挑戦する気になったのね。

また、上がらない対策も考えてありました。
それは、

面接官を外人だと思い込むこと。

ほほほ‥、すごい秘策でしょ?
これ、試験前に、外国人留学生と話をしたときに思いついた作戦なんです。

実は、その学生さんは日本語がペラペラでした。 でも、その方と日本語で話すのにはとても難儀しました。 なぜって、「この人は外人」と思った途端、 うさぎの頭の中のチャンネルが、英語モードに切り替わっちゃったんですもの。 英語しか通じないかも、と覚悟して話し掛けたのに、 出鼻をくじかれ、うさぎは頭が混乱してしまいました。 それで、英語で考えて、それを日本語に訳して言葉にする、 という妙なことになってしまった。 もともとヘタクソな英語を日本語に直したから、さあたいへん! 日本人のクセに妙にヘタクソな日本語で話す羽目になってしまいました。

でも、こういう失敗があったからこそ、面接官を外人だと思い込む作戦が生まれたわけです。

さあ果して当日。
うさぎは面接室に入ると、まず面接官に挨拶をしました。 挨拶しつつ、「この人は日本人じゃない、日本人じゃない」と頭の中で唱えました。 その証拠にほら、この方、眉がフサフサしてる――。

うさぎの作戦は見事に成功し、頭の中のチャンネルが英語モードになっているのが 自分でわかりました。 英語の質問が英語のまま頭に入ってくる。 それに対して英語で考え、英語で答える。 ‥なかなかいい感じでした。

‥でも。ちょっとした落とし穴がありました。 人間の思考力って、語学力に見合ってくるんですね。 うさぎの英語力はよく見積もっても3歳児程度ですから、 思考力も3歳児並になってしまったのです。トホホホ‥。 説明文には知らない単語がひとつもないのに、 なぜかいまいち内容の意味がハッキリ分からない。 だいたいの意味はわかるのだけれど、頭にうっすら霞みがかかったようで、 どうもシャープな思考が働かないんです。 人間は(いや、それともうさぎだけ?)、 語学力以上の思考ができないんだ、って初めて思い知りました。

与えられたテーマは、ユニバーサルデザインについてで、 イラストには、おじいさんとおばあさんが、エスカレータで降りてきたものの、 昇りのエスカレータがなくて困っている2コマ漫画が描いてありました。 5問の質問のうち1問、質問に答えたら、試験官がキョトンとした顔つきになったので、 不安になりました。 もしかしたら、激しく問題の意味を取り違えてしまっていたのかもしれません。 でも、それでも上がることなく、落ちついていたのはたいしたものです。 まあ、落ちついていても的を外しているんじゃ、何にもなりませんが。

とにかく今回はあがらなかった分、前回よりもマシだったような気がしました。 ‥でも、結果が返ってきたら、前回よりもかなり得点は低めでした。 級による差なのか、試験官の甘さ辛さによるのか、その辺は謎です。

――まあ、なんであれ合格したのだから、いいわよねっ!

次は準1級に挑戦しようと思います。 問題集をやってみたら、とても難しくて、全く受かる自信はありません。 だけど、もし落ちても、準2級、2級に受かったという自信の貯金で、 3回くらいまでは意欲が持続するんじゃないかなあ、と思っています。

英検合格の決め手は、自分の実力に見合った級を受検すること。

これは、つまりそういうことなのです。
ただひとつの問題は、

果して、"自信の貯金"を使い果たさないうちに合格を決められるかどうか。

うーむ、それが問題だー‥。

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