2020年11月22日、第101回中国語検定試験4級を受検し、 合格しました。
得点は以下のとおりでした。
- リスニング 90/100点
- 筆記 99/100点
- 総合点 189/200点(得点率: 94.5%)
このページでは、 前年の準4級以降、 4級受検までの一年間に中国語に関してやったことを書きます。 中検4級の受検をお考えの方の参考になれば幸いです。
受検を決心するまで
2019年の秋に準4級に合格したあと、勢いがついて「次は4級だ」と思いました。特に、ちょうど中検が第100回目を迎えようとしており、このキリの良い開催回に受けたいと思い 「第100回」にあたる3月試験に申込みました。
でも結局3月試験は、コロナウィルスの関係で中止。「第100回」は6月に開催されましたが、その頃わたしは中国語への興味を失っており、受けませんでした。秋にやっと重い腰を上げ、11月に「第101回」を受けました。買いそろえた過去問題集をいいかげん、早く処分したかったからです。
Du Chinese
準4級に受かってから4級を受けるまでの1年の間、中国語に関してやったのは二つだけです。
- Du Chinese(中国語学習アプリ)
- 過去問
中国語学習アプリDu Chineseにハマったのは、 準4級試験を終えた2019年の年末から2020年の年明けにかけての約1か月です。
これは中国語の簡単な物語を配信しているアプリで、各物語は短い単元に分かれています。 難易度も記されているので、自分に合ったレベルのものだけ選んで読むことができます。 文字を読むだけでなく、音声を聞くこともできるし、ピンインも表示できます。 日本人向けのアプリではないので日本語訳はありませんが、文全体の英訳もあり、単語ごとに英訳を見ることもできます。
操作性が良いのと、物語のあらすじや朗読がレトロで雰囲気たっぷりなところが気に入り、 一時かなりハマりました。
有料アプリですが、無料でもけっこう使えます。 無料の場合、読めるものが限られていたり、読める期間が限定されています。 有料会員になると、制限がなくなり、すべての物語がいつでも読めるようになります。
わたしは最初無料で使っていたのですが、気に入ったので1年間の有料会員になりました。 ところが皮肉なことに、有料会員になった途端、使用頻度が減りました。 無料会員のときは閲覧に制限があり、「読めるうちに」と思って読みまくっていたのが、 有料会員になったら「いつでも読める」ようになり、ありがたみが薄れてしまったのだと思います。
そんなわけでハマっていた時期は約1か月と短かったのですが、学習効果はあったようで、 2020年の1月に4級の過去問をやってみたところ、筆記、リスニング共に8割取れました。 準4級試験以降、他には何もやっていなかったので、これには驚きました。
過去問
準4級を受けたときに過去問をやって良かったので、今回もその作戦で行くことにしました。
ただ、4級は準4級よりもだいぶ難しいと感じました。合格率も準4級よりグッと下がり、30%台~60%台。1月にやった過去問では8割取れたとはいえ、難易度のバラツキが大きく「難しい回にあたったらどうしよう」と不安でした。
また、準4級と異なり、4級は リスニングと筆記の両方が合格基準点に満たないと合格できないのも不安でした。わたしはリスニングに苦手意識があり「もし聞き取れなかったらどうしよう」と思うと恐怖でした。
そこで、準4級のときは2冊でしたが、今回は中検過去問集を5冊購入し、15回分の問題を解くことにしました。
中検問題集は敢えて古めの年度を購入。 なぜなら最近の問題は中検のウェブサイトに載っているからです。
ウェブサイトではリスニングの音声が聞けないし答えの解説もないので、 中検問題集(過去問)を全く買わずに済ませるのは難しいですが、 どうせ買うなら中検のウェブサイトとかぶらない問題を買いたいと思い、 2004年版から2016年版までのを中古をフリマサイトで一冊あたり300円~450円くらいで購入しました。 新品を1冊買うくらいの金額で5冊買えて良かったと思います。
古い過去問は現在と問題形式が若干違うので、そこは中検ウェブサイトの最新の問題で形式を確認しました。
具体的にどの辺がどう違ったかというと、
- 聴解試験の呼び名。ヒアリング⇒リスニング
- 聴解問1を読む順番。「質問・質問・答え・答え」⇒「質問・答え・質問・答え」
- 問題用紙に書かれている聴解問2の質問数。10問⇒0問⇒5問。
- 聴解問2の文章が読まれる回数。2回⇒3回⇒2回。
- 筆記問3。10問並べ替え⇒選択式5問+並べ替え5問。
- 筆記問5。6題以上⇒5問。
10数年の間にも、けっこう変わっていることがお分かりいただけるでしょう。 筆記のマイナーチェンジはそれほど気になりませんが、 リスニングで読まれる回数が減ったり、読む順番が変化しているのにはドキドキしました。
たとえ最新の形式に慣れておいても、今年から突然形式が変わる可能性もあり、本番が必ずしも前回と同じ形式で行われるという保証はないので、出題形式の変化に備えるという意味でも、 多少問題形式が異なる古い過去問をやっておいて良かったと思っています。
いいかげんな一周目
過去問を解き始めたのは、受験を申し込んだ試験一か月半前です。古いものから順に、最初は毎日1回分ずつ筆記とリスニングをやっていきました。
でもこれがとんだ三日坊主。その後3週間は全く何もやりませんでした。なぜやらなかったかというと、リスニングが億劫だったからです。苦手なリスニングをやらなくちゃならないと思うと、どうも気が進みませんでした。
そこで10月末、とにかく筆記のほうだけでも終わらせてしまおうと思い、三日で残りの10回分の筆記を、ササッといいかげんに終えました。
こうして苦手のリスニングだけが残り、ここからまた10日くらいのブランク。「試験まであと10日」というところでやっと重い腰をあげ、リスニング残りの11回分を嫌々ながら、なんとか4日で終えました。この頃が一番つらかったです。
でもとりあえず過去問をすべて一回終えてしまうと気が楽になり、 翌日からすぐ二度目の筆記に取りかかりました。
丁寧な二周目
二度目は一度目とは違い、回ごとにまとめず、大問ごとに15年分まとめてやりました。つまり縦割り。そのほうが似た問題を一気にやることになり、理解しやすいと思ったからです。
最初に取り掛かったのは筆記問2の文法穴埋め問題です。いつも同じような問題で間違えるので、一気にやって整理したいと思いました。目論見は当たり、理解があやふやな部分は問題をやりながら紙に整理して書いたら、問2の文法問題は全く怖くなくなりました。
次は問5の作文。作文は大好き! あちこちちょこちょこ間違えるのですが、でも大好きなので、これもサクサク終えることができました。
そして問3の並び替え。並び替えもいつも同じところで間違えていたのですが、これも問2同様、類似の問題を大量に一気にやったら法則性がわかりました。
そして問4の長文読解。これは問題の性格上、けっこう答えを覚えていました。
・・・さて、残るは問1です。苦手な声調とピンイン。いつも聞いてるはずの単語なのに、どういうわけか声調を覚えておらず、耳に残っている単語ですら二声だか三声だか分からない始末・・・。でもとにかく二周目を終えないと、と思い、頑張りました。
さて、ここでわたしは、一度目よりも成長しました。
一度目をやったときは苦手な発音問題を早く済ませたい一心でほとんど当てずっぽうに答えを出していたのですが、今回は大きな紙に選択肢の漢字を4つ大きく書き、その上にピンインと声調を書き入れたのです。そして答えをチェックするときは、最終的な答えだけでなく、 選択肢の漢字のピンインと声調が正しく書けているかどうかもチェックしました。
これはやって良かったと思います。 問1はこの2回目をやったことでだいぶできるようになりました。 自分が出来ないことには目を瞑りたいのはやまやまですが、問題点を直視しないと、解決もできない。 勇気を出して自分の問題点を直視するのが大切だと学びました。
でもこれは二周目の精神的余裕があったからこそできたこと。一周目からやろうとしていたら途中で挫折し、過去問を終わらせられなかったかもしれません。二周目を丁寧にやったのも良かったですが、いいかげんでいいから、とりあえず一周目をちゃちゃっと終わらせてしまったことも良かったと思っています。
リスニングは、二周目に入ってもまだ余裕がなく、嫌々ながらやりました。問題文がすべて聞き取れないのは一度目と同じ。でも答えは覚えてしまっているようで、正解できてしまうのが、嫌でした。
ダメ押しの三周目
筆記は三度目もやりました。試験の前日、二度目に間違えたところだけ。なので1、2時間で全部終えることができました。
リスニングもやりましたが、話の流れと答えを完全に覚えてしまっていたので、あまりやった意味はありませんでした。
試験対策から学んだこと
わたしは試験そのものよりも、試験対策をすることで得ることが大きいです。今回も得るものがありました。
ダメだと思っても諦めない
まず、自分の感じ方と実際は違うことを学びました。
15回分の過去問の平均点(一回目)はリスニング83点、筆記78.8点で、一度も合格基準点60点を割ったことはありませんでした。 だから落ちる心配はそんなにしなくていいはず。でも気分的にはもっとできない気がして、「今できても、次はできないかも」と思い、過去問をやるのが本当に億劫でした。
特にリスニング。点数だけ見るとむしろ筆記よりもリスニングのほうが良い。満点が取れたことさえありました。でも気持ち的にはリスニングはものすごく苦手で、もし聞き逃してしまったらどうしよう、と思うとすごく怖いのです。
要は悲観的なんだと思います。そして悲観的で何が悪いかというと「もうダメだ」と思って諦めてしまいがちなことです。
試験本番でも、リスニングの問2が始まったとき、「あっ、これは分からない!」と思い、一瞬耳をパタンと閉じかけました。でも「過去問で6割を割ったことはなかった」という事実を思い出し「今回もなんとかなるはず」と無理やり信じて気持ちを立て直しました。
とにかく分かるところだけでもと思い、キーワードや数字などを聞き取ってメモしておいたら、二度目に聞いたときにはそれがどうつながるのかおぼろげながら分かってきて、結局10問中9問取れました。「分からない」と思っても諦めないことの大切さを改めて実感しました。
あと100%分かろうとしないのも大事だと思います。100%分かろうとすると、分からなかった部分を引きずってしまうからです。筆記ならゆっくり考えられるからそれでもいいのですが、リスニングの場合、分からないなら分からないで、どんどん次に行かないと置いてかれる。たぶんわたしは分からない部分を引きずってしまいがちな性格だからリスニングが苦手なのだと思います。
やる気のしないことは後回し
苦手のリスニングをひとまず置いて、筆記だけ先に進めてしまったのは我ながら名案でした。こうしなければ試験までに2周回すことはできなかったでしょう。やる気がしない部分はひとまず置いておき、やる気のするところだけでも先に進める のも大事な戦略だと学びました。
手を広げすぎない
過去問だけに絞ってやったのも良かったと思います。実はもう一冊4級問題集があったのですが、そちらには手をつけませんでした。過去問集についていた模擬問題もやりませんでした。問題集や模擬問題はたいてい実際の問題より難しくできているし、それができなかったらやる気がそがれる予感がしたからです。
あとから考えると、公式サイトで公開されている過去問の筆記はやればよかったかなと思いますが、 試験前はそこまでやる気力も時間的余裕もなかったのでしょう。中途半端にあれやこれやに手を出すよりも、購入した過去問15回分を三周できてよかったと、とりあえず満足しています。
形だけでも終わらせる
筆記は一周目は形だけ終わらせ、余裕が出てきた二周目はじっくり丁寧にやりました。リスニングのほうは残念ながら二周目もいいかげんでしたが、それでもやり終えて良かったと思います。なぜなら「やり終えた」という達成感と自信を得たし、形だけであってもやれば、全然やらないよりは何かの足しになってると思うからです。余裕がないときに丁寧にやろうとすると挫折しがちなので、丁寧にさらうのは余裕ができてからにして、まずは最後まで終えることが大事だと思いました。
以上、わたしが中検4級受検から学んだことをまとめてみました。 少しでも参考になることがあれば、幸いです。