中国語

中検準4級体験記

 2019年11月24日、 第99回中国語検定試験準4級を受検しました。 語学系検定の受検は、中国語が9言語目です。

 結果は合格。 得点は96点でした。

 このページでは、中国語を始めてから中検準4級に合格するまでの経緯を書きます。 中検準4級の受検をお考えの方の参考になれば幸いです。

中国語との出会い

 中国語は世界で一番話者数の多い言語。 6つの国連公用語の一つでもあるので、いつかは必ずやらねばと思っていました。

 でも他の言語にすぐハマってしまうわたしが、中国語にはさっぱりハマれませんでした。たぶん中国は日本に近すぎて、あまり異国情緒が感じられないからだと思います。文字も漢字ですしね。 中国へは6回も行ったことがあり、旅行の度に「今度こそ中国語を少しやってから旅立とう」と思うのですが、 エンジンがかからず、結局いつも行きの飛行機の中で中国語の会話集などを少し見る程度でした。

 唯一、少し真面目に取り組んだのは、4回目の中国旅行で2012年1月に江南周遊の旅に行ったときです。観光つきのツアーだったので、言葉を覚えていく必要はありませんでしたが、この時は3日かけてピンインの読み方と発音を一通り覚え、そのあと漢字で書かれた絵本を何冊か図書館で借りて辞書を引きながら読みました。

 発音に力を入れたのは正解で、よく通じ、現地でけっこう役に立ちました。「こんにちは」「ありがとう」「いくらですか?」レベルの基本フレーズだけでしたが、 20フレーズくらいに的を絞り、完璧に言えるようにしていったのが良かったと思います。

 その時に覚えたわずかな単語やフレーズは、7年後に中国語検定を受けたときはもうほとんど忘れていたと思いますが、完全にゼロからの出発ではなかったと言えるかもしれないので、一応記しておきます。

上海 豫園
上海 豫園

たった三日のデュオリンゴ

 2019年の秋に中国語検定を受けようと思ったのは、夏に無料学習アプリのデュオリンゴ (Duolingo) にハマったのがきっかけです。 このときも特に中国語に興味はなかったのですが、 当時刷新されたばかりのリーグ戦を勝ち抜くため、手っ取り早くXPをたくさん稼ぎたかったので、 簡単そうな英語話者のための中国語コースを始めたのです。

 英語話者のための中国語コースは、日本人にとっては割と簡単です。 なぜなら英語圏の人が、漢字を覚えることから始めるコースだからです。 中国の簡体字は、日本語の漢字と多少形が違う場合があるとはいえ、 子どもの頃から漢字を見慣れているので、サクサク進められました。

 サクサク進むのに気を良くし、Duolingoにハマって3日目にふと思い立って中検準四級の過去問をやってみました。 だいぶ昔に買った古い過去問が家にあったのです。

 そしたら、なんと8割以上できました! そこで中検を受けようと思い立ったのです。

 中検を受ける最大の理由は「中検に受かりさえすれば、過去問を気持ちよく処分できること」でした。 安い値段につられて古本で買ったものの、何年も本棚の肥やしになっていて、もういいかげん処分したかったのです。でも頑張って勉強するのは嫌だったので「いつの間にか中国語ができるようになったりしないかな」なんて虫の良いことを考えていたのですが、「昔ちょっとだけかじった」のにプラスして「たった3日のDuolingo」でその望みが叶ってしまったのは本当にラッキーでした。

 Duolingoは、ゲームだと思ってやると「なんだ結局勉強じゃないか」とつまらなくなって挫折しがちですが、勉強だと思ってやると「ゲームみたいで意外と面白い」です。しかも中検の過去問をやってみて、「意外と身についている」ことが分かりました。最近は、日本語話者のための中国語コースもできました。中国語の入門に、Duolingoはオススメです。

烏鎮の鵜飼い
鵜飼い 西塘にて

試験対策

 公式サイトの試験関連データによれば、 中国語検定準4級の合格率は70%~80%。 そんなに難しい試験ではないことがわかります。

 でも逆に言えば20%~30%の人は落ちるわけです。 たまに合格率が60%台の回もあります。運悪く難易度が高めの回に当たってしまっても合格できるように、最低限の準備はきちんとやって受けようと思いました。

 具体的には、ひたすら過去問をやりました。中国語検定は親切で、公式サイトに最近の過去問題を公開してくれているので、それをプリントアウトし、ひたすら解きました。当時は5回分くらいだったと思いますが、今は10回分以上公開されているので、筆記に関しては、これだけやれば十分だと思います。

 問題はリスニング対策です。リスニングの音声は公式サイトで公開されていないので、わたしは元々持っていた10年以上前の古い過去問(3回分収録)に加え、新たに最近の過去問(3回分収録)を購入。古いほうの過去問には模擬問題が2回分入っていたので、それも含めると、リスニングは8回分の問題をやりました。

 リスニングの練習を考えると、やはり過去問題集を最低一冊は手に入れたほうが良いと思います。手に入れるといっても、図書館で借りたり、フリマサイトで中古を安く入手したりすることもできます。

 ちなみに、わたしが購入した過去問題集は、光生館という出版社から毎年春に出ていた「中検準4級問題集」という名前のものです。一冊に三回分の過去問と模擬試験問題が入っていて、薄くて使い勝手のよい過去問題集でしたが、2019年度版を最後に発売されなくなったようです。現在は白帝社から「中検準4級試験問題 解答と解説」というのが毎年出版されています。

 過去問はそれぞれ、間隔をあけて二回ずつ解きました。三回目は、二回目に間違えたところだけやりました。

 実はもう一冊、過去問ではない問題集も持っていたので、それも一度サラッとやりました。 過去問と普通の問題集、両方やってみて、わたしは過去問のほうが好きだなと思いました。 実際に検定試験に出た問題のほうがよく練られているし、そういう問題を解くほうが、

  1. 自分が今どれくらいできるかがわかる
  2. 本番の形式に慣れ、時間配分も決められる
  3. 一回分の分量が決まっているので学習のペースが作りやすい

からです。

 夏に受験を思い立ちましたが、実際に試験準備に取り掛かっていたのはせいぜい二週間くらい。そんなにすごく勉強したわけではありませんが、「検定試験までにこれだけはやろう」と自分で決めたことがちゃんと終えられたので、気持ちが良かったです。当日は自信を持って試験に臨むことができました。

中検準4級過去問題集
中検準4級過去問題集

当日の様子

 会場は横浜。「ワークピア横浜」という多目的会場でした。 結婚式や葬儀にも使えるらしく、豪華なしつらえ。 ふかふかの絨毯が敷き詰められ、天井にはシャンデリア。 準4級試験は「おしどり・くじゃくの間」で行われました(笑)。

 受験者は、男性が多かった気がします。 会場の収容人数に比してトイレの数が少ないのに、女子トイレで全く並びませんでした。 年齢層は様々でしたが、若い人が多かったです。 小さなお子さまもチラホラ。

 試験は朝の10時からでしたが、試験の前に説明があって、実際に試験が始まったのは10時15分でした。 最初にリスニングで、そのあと続けて筆記がありました。

 試験は11時15分まででしたが、10時45分か50分ごろから退出可能になり、 ここで9割くらいの人が解答用紙を机の上に置いて退出していました。

 時計は一応持っていった方がいいと思います。 スマホの時計は使えないし、会場に時計はありませんでした。

 試験の構成は、リスニングが25問(50点)、筆記が15問プラス漢字10コの50点。漢字以外はマークシートでした。

試験会場おしどり・くじゃくの間
試験会場おしどり・くじゃくの間

まとめ

 準4級は中国語検定で一番下の級。すでに記した通り、ほんの数日中国語に触れただけでも受かるかもしれない級です。

 「そんな履歴書にも書けないような級を受ける意味あるの?」と思う人もいるかもしれません。でもわたしは「受ける意味は十分ある」と思っています。なぜなら「資格取得」だけが「検定試験を受ける意義」ではないからです。

 検定試験を受けようと決めると、試験に向けて勉強します。そしてそこで学んだことは決して無駄にはならず、自分の糧になります。

 次に、試験まで勉強を続けるには、うまく自分を制御しなくてはなりません。「勉強しなくても受かるだろう」と慢心したり、逆に「どうせ勉強したって落ちる」と投げやりになったり。最初はそういう気分の波に翻弄されますが、徐々に、暴れ馬のような自分をうまく乗りこなせるようになってくる。「自分の御し方が身につく」、これが二つ目の意義。

 そして最後に、努力が合格に繋がる成功体験。これが検定試験を受ける三つ目の意味だと思っています。

 成功はクセになります。一度成功すると、次も成功したいと思います。最初は準4級でも、次は4級、そのまた次は3級、というように、上へ上へと階段を登りたくなる。いずれ資格として立派に通用する級にも手が届くことでしょう。

 もし今すでに4級や3級に受かる実力があるのであれば、わさわざ準4級から受け始める必要はありませんが、もしまだそこに達していないのであれば、まずは準4級から着実に押さえていってはいかがでしょうか。

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