外国語学習本ブックレビュー
このページは、読み終えた外国語習得本に関する備忘録です。
「〇〇術」とか「〇〇法」といった題名をつけさえすれば売れると思うのか、 似たようなタイトルの本が巷には溢れていますが、玉石混交。 タイトルだけ見ると、どれが当たりでどれがハズレだったか分からなくなるので、読み返すときの参考に、ここにまとめました。
自分のために作りましたが、もしみなさんのお役にも立てれば幸いです。 読んだもの・手に入れたものから順次リストアップしていきます。 気に入った本も、気に入っていない本も載せるつもりです。
著者名、価格、本の大きさなどの簡単な説明に加え、本選びの参考になればと思い、 わたし自身の感想や活用方法を緑字で書き添えました。
★は、どれだけタイトルに即した内容かを量的に、 示したものです。質的な内容評価ではありません。 また、わたしの個人的な感覚でつけたもので、科学的な数値ではありません。 メソッドとしての良し悪し、外国語習得以外の点で役立ったかどうか、 面白かったかどうかには関係なく、あくまでタイトルにどれだけ即した内容かの目安です。 ★が多いほど、タイトルに即していることになります。
- ★★★★★・・・・・・内容の80%以上がタイトルに即している
- ★★★★☆・・・・・・内容の60〜70%がタイトルに即している
- ★★★☆☆・・・・・・内容の約50%がタイトルに即している
- ★★☆☆☆・・・・・・内容の20%〜40%がタイトルに即している
- ★☆☆☆☆・・・・・・内容の20%以下しかタイトルに即していない
- ☆☆☆☆☆・・・・・・(まだ未確認)
本の題名にはそれぞれアマゾンの該当ページへのリンクが貼ってあります。 そちらにも複数の方のブックレビュー(書評)が掲載されています。
語学学習本 | |
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★★★★★ 最初のペンギン ストーリーでわかる! らくらく外国語習得術杉原洋紀・堀口美奈著。B6版。2013年。864円。 シンガポーリアンの青年と若い日本女性のラブストーリー仕立てになっていますが、 巻末に学習法のみの説明あり。 100時間で「外国語で言いたいことが何でも言える状態」になるという「100時間ペンギン法」を提唱。 その大まかな流れは、入門書を3周、日常会話フレーズ集の聞き込みとシャドーイングをしたのち、 スカイプなどを利用してネイティブと会話すること。 詳しい感想をブログに書きました。 | |
★★★★★ 7カ国語をモノにした人の勉強法橋本 陽介著。新書版。2013年。864円。 著者は慶応大学および付属高校の中国語講師。 留学を含む独学で日(母語)・中・英・仏・独・西・露の7言語を習得した体験から書き綴る外国語学習法。 言語モードに入ったときの感覚、 マルチリンガルといえども複数言語を同時に操るのは難しいこと、 帰納的に文法を学ぶ必要性、 言語により、習得しやすさに差があることなど、従来の学習法本に書かれなかった内容も豊富。 具体的な学習方法よりも、どのような力を身につけるべきかが詳しく書かれています。 ブログに詳しい感想を書きましたので、よかったらご覧ください。 | |
★★★★★ より良い外国語学習法を求めて―外国語学習成功者の研究竹内 理著。B6版。2003年。2625円。 外国語学習に成功を収めた人々のデータを元に効果的な学習方法を探った研究書。 ただし海外生活や早期教育の経験者や、特異な才能保持者をサンプルから除外。 普通の人における成功の秘訣の「最大公約数」が見えます。 特に「成功」の定義づけ(ネイティヴを目指さない)、発展段階に応じた学習方法の違いは、類書にみられない部分。 「「達人」の英語学習法」(2007年・1575円)は、 結論部分のみ一般向けに読みやすくまとめたもの。 個人的に、自分の経験から最近やっと見えてきたやり方に近く、腑に落ちる感じがしました。 | |
★★★★★ 外国語上達法千野 栄一著。新書版。1986年。735円。
内容のほぼ100%が外国語上達のための方法。
語彙の覚え方、覚えるべき数、文法を学ぶ意味、学び方、
辞書・教師の選び方、会話、発音など。
非常にオーソドックス且つ普遍的な内容。
頭では分かっていることばかりですが、
実際に実践できているかどうかのチェックリストとして、定期的に読み返しています。
特にわたしが気に入っているのは、短期目標が掲げられていること。
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★★★★★ わたしの外国語学習法ロンブ カトー著。米原 万理訳。文庫版。2000年(原書は1972年)。998円。 個人的に大好きな本。 5ヶ国語の同時通訳、10ヶ国語の通訳者、日本語・中国語を含む16ヶ国語の翻訳者である女性が、 20歳過ぎて始めた独自の外国語学習法を、ウィットに富んだ文章でユーモラスに披露。 外国語を学ぶ方法のみならず、学ぶことの面白さまでが伝わってきます。 また例としてあげられる言語が多種多様で、多言語好きにはたまらない! 各言語の習熟度を測る簡単な自己採点方法も参考になります。 同じハンガリーのピーターフランクルが書いた下記の『ピーター流外国語習得術』とあわせて読むと、 かたや体制側、かたや亡命者という立場の違いが興味深いです。 | |
★★★★★ ピーター流外国語習得術ピーター フランクル著。新書版。1999年。735円。
著者は、日本語を含む12カ国を操る数学者にして大道芸人。
そのうちの7言語(独・露・仏・英・西・中・スウェーデン語)については、
学ぶことになった詳しい経緯と実際の学び方が詳しく書かれています。
学習方法は上記のロンブカトーと似たところがあり、割と短期集中型。
語学習得のコツとして「その言語で独り言を言う」など、ちょっと変わったメソッドもあり、
言語習得度を「その言語で会話が何分くらい続けられるか」で測るというのも面白い。
外国語を学ぶ目的の一つに「 | |
★★★★★ おじさん、語学する塩田 勉著。新書版。2001年。714円。 まさに内容は「おじさん、語学する」。 ラーメン会社に勤めるフツーの50代のおじさんが、 フランスの孫娘と話がしたい一心でフランス語を学ぶ、ほんわかした「物語」です。 はたしておじさんは夢を達成することができるでしょうか。 ウィットに溢れた文体で、小説としても面白く読めますが、 実は小説の形を借りた語学学習法の指南書でもあり、 おじさんが経験する様々な学習法のポイントが、随所にコメントとして挿入されています。 意欲の維持方法・時間の使い方から、目標の設定方法、自分に合った方法の見つけ方まで、 「学習法」の周辺部分が丁寧に描かれており、フランス語に限らず、 あらゆる言語の学習に応用できると思います。 ブログにもっと詳しい感想を書きましたので、よかったら読んでみてください。 | |
★★★★★ 語学で身を立てる猪浦 道夫著。A5版。2003年。693円。 まさに「語学で身を立てる」ためのA to Zな内容。 語学力を生かす仕事の種類、それぞれの仕事に必要な適性と語学スキル、外国語学習の方法論など。 特に最後のFAQ集は、才能について、検定試験受検の是非、留学について、コツコツ型vs短期集中型、単一言語vs多言語、年齢の問題など、誰もが一度は悩むテーマばかり。 それより更に秀逸なのは、語学力云々より、仕事をする上での誠実さを語っている部分。 語学関係に限らず、お金をいただくからには、当たり前のことをきちんとこなすことが重要と、改めて感じました。 | |
★★★★★ 科学的な外国語学習法―日本人のための最も効率のよい学び方佐伯 智義著。A5版。1992年。1800円。絶版。 復刊希望の方は復刊どっとこむで投票しましょう。
対象読者は日本語ネイティブに限定、
学ぶ言語は西洋言語(特に「英・仏・独」の三言語)に限定し、
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★★★★★ 舛添要一の6カ国語勉強法―体験に裏づけられた上達への近道舛添 要一著。A5版。1997年。1575円。絶版。
英語とフランス語が堪能な国際政治学者が、自らの外国語学習体験を語った本。
タイトルには「6カ国語」とありますが、その全てを習得したという意味ではなく、反面教師として語られている言語も。
日本の中学・高校・大学でのごく普通の授業から、ネイティブとの一対一レッスン、海外での語学研修などなど、
様々なタイプの授業を経験してきた著者ならではの視点は、非常に説得力があります。
信じられないくらい使い込まれた英和辞書の写真と、
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★★★☆☆ マルチリンガルの外国語学習法 〜ある翻訳家の「語学」心覚え〜石井 啓一郎著。新書版。2010年。756円。 西洋言語・中東言語を中心に十数ヶ国語を操る著者によって書かれた一冊。 様々な言語から実例をひいているところは、多言語好きにはたまらない魅力ですが、 文法理解や読書をすることの意義と実例に多くの行を割いた分、 具体的な学習法そのものについての説明がわりと希薄で、見えにくい印象を受けました。 多言語習得の最大の難しさは、 既習言語の語学力をいかに維持しつつ、新たな言語をいかに学ぶかという両立作業にあると思うので、 その辺を著者がどのような方法、どのような配分でクリアしてきたかが、個人的には読みたかったです。 | |
★★★☆☆ 語学の脳みそ―11ヶ月で4カ国語をマスターした僕の語学のツボ矢部 太郎(カラテカ)著。B6版。2002年。1375円。絶版。 テレビ番組「進ぬ! 電波少年」の企画のため、 現地でスワヒリ語、モンゴル語、韓国語、コイサンマン語を体当たりでゼロから学んだコメディアンが綴った本。 意外にも学び方はオーソドックスで真面目。 言葉のサンプルを収集し、文法を推測し、ノートに纏めたり。 通常の学習にも使えるヒントがいっぱい。 膨大なノートの数が励みになります。 ただ、「4カ国語をマスター」という副題と「なんとか日常レベルでの会話もこなせてきたかな」という本文とは温度差があるような・・・。 | |
★★★★★ 外国語の学び方渡辺 照宏著。新書版。1962年。663円。絶版。 アメリカの大統領は「ケネディ」、音教材は「レコード」という時代の本ですが、 外国語学習の基本は何も変わっていないのだなあ、と再認識させられた本。 特に「外国語の読み方」について、 本に書かれている英語の文章を著者の指示通りに読んだり、覚えたりすることで、 実践的に学べました。 有名な小説などから読みやすい部分が取り上げられていて、 難解な単語には注釈もついているので、ラクに読め、 具体的な洋書の読み方というか、コツみたいなものが、体感できました。 著者の専門は「仏教学」。文字は細かいですが、あたりのやわらかい本です。 | |
★★★★★ 外国語の効果的な学び方ジョーン ルービン・アイリーン トンプスン著。西嶋 久雄訳。B6版。1998年。1575円。
「外国語の上手な学び方」の改版で、
かなり加筆されています。
米国で出た本の翻訳・解釈本で、どこかサラッと客観的でシステマチック、そして網羅的な印象。
「読む・書く・話す・聞く」について言語能力をそれぞれ6段階(初心者レベル | |
★★★★★ 外国語をどう学んだか現代新書編集部編。新書版。1992年。663円。 英・仏・独・露・中・西・伊・剌・泰・韓・日の11ヶ国語に関する 各界エキスパート34人の学習体験集。 翻訳家、TVキャスター、シェフ、宇宙飛行士、音楽家など、職業がさまざまなら、 係わっている言語も様々、きっかけも様々なら、方法論も人それぞれで、とても賑やか。 たとえば、大学で第二外国語を学ぶのことの是非について、双方の考えがある。これは面白かったです。 いずれの著者も外国語のエキスパートではないので、メソッドとして確立した学習方法ではありませんが、 バラエティ豊かな人のやり方・考え方から、自分に合ったやり方をピックアップするという 使い方ができる本です。 一つ一つが短いので、細切れ時間を利用して気軽に読めました。 | |
★★★★★ 20ヵ国語ペラペラ種田 輝豊著。A6版。1969年。525円。実業之日本社。絶版。 高校生のときに読んで、猛烈に憧れた本。 その衝撃のほどは、読んだ本の内容は片っ端から忘れるわたしが、30年経っても冒頭のエピソードを正確に覚えているほど。 先日30年ぶりに読みましたが、著者の学習方法は時代を超えて普遍的であると再確認しました。 前半では「彼自身がどのように各言語を学習してきたか」という体験が淡々と語られ、 後半では語学学習のポイントごとに分けて詳しい説明がなされています。 とっくに絶版になっていますが、多言語学習に関する永遠の金字塔。 復刊希望の方は復刊どっとこむで投票しましょう。 | |
★★★☆☆ 40ヵ国語習得法―私はこうしてマスターした新名 美次著。新書版。1994年。987円。 著者は、40ヶ国語を操るニューヨークの眼科医。 患者に合わせた言語で診察を行うそうです。 学習方法は意外にもオーソドックス。ラジオ講座を利用した地道な学習方法で、 「語学に王道ナシ」を感じさせます。 但し、著者の習得法が書かれているのは、英語をはじめとする西洋言語のみ。 後半は40ヶ国語の簡単な紹介で、そんなありふれた豆知識より、 この著者にしか書けない、40ヶ国語全ての学習エピソードが読みたかったです。 | |
★★★☆☆ ちょっとした外国語の覚え方―外国語をマスターする10の秘訣新名 美次著。新書版より少し大きめ。1995年。1400円。ハードカバー。 著者は上記と同じ40ヶ国語を操るニューヨークの眼科医。 副題に「10の秘訣」とありますが、どのような数え方で10になるのかは不明。 章の数は10ですが、外国語マスターには直接関係のない章も多く、 若干散漫で「秘訣」の密度が薄いのが残念。 この著者ならではの、他の本では得がたい内容も多いので、 贅沢を言わせて貰えば、 前作とこの本の内容を合わせ、「外国語マスターの秘訣」部分だけギュッと絞って一冊にしてほしい。 そう思います。 | |
★★★★☆ 国際化時代の外国語の学び方立命館大学外国語教育FDプロジェクト編。A5版。1996年。1529円。
立命館大学が開催した外国語フォーラムで話し合われた内容をそのまま記録した本。
国際化とは何か、授業のあり方、留学の意義、就職活動における外国語力の活かし方、
学ぶべき言語のチョイスなど、大学生に特にオススメな内容。
外国語の習得にある程度の成功を収めた卒業生の談話は、一般学習者の参考になる部分も。
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★★★☆☆ 外国語の水曜日―学習法としての言語学入門黒田 龍之助著。A5より少し小さめ。2000年。2520円。ハードカバー。 ロシア語研究室に集う理系学生の語学奮闘ぶりや、様々な語学法について著者の感想が述べられたエッセイ集。 語学が専門なわけでも、語学向きの性格でもなく、むしろ言葉を苦手とする彼らが、 自分なりに外国語を学ぶ姿が共感を呼びます。 個人的に好きなのは「ムーミンを世界一苦しみながら読む青年」。 社交的なばかりが語学向きの性格ではないと実感できる逸話です。 但し、タイトルは?? 「学習法」の本ではありますが、「言語学入門」とはいえないかも。 言語学には触れている程度です。 言語学に関しては、同じ著者の「はじめての言語学」がオススメです。 | |
★★★★★ 中国語の学び方相原 滋著。新書よりやや大きめ。1999年。1050円。 著者は中国語学習の第一人者。 内容は「中国語の学び方」であるものの、 言語学習における文化理解の位置づけ、時間の活用方法など、 他の言語学習にも応用できそうな、普遍性を持った内容で、 中国語は全く学んだことのないわたしでも、楽しく読めました。 最近、<相原式>語学オンチのための最大効果の中国語勉強法という 本が出ました。 同じ著者が書いたものだけに内容は似ていますが、iphoneなど最新機器を使った学習方法の紹介が加わっています。 | |
★★★★★ 英語は絶対、勉強するな!―学校行かない・お金かけない・だけどペラペラ鄭 讃容著。金 淳鎬訳。文庫版。2002年。630円。 センセーショナルな題名で話題になった本。 メソッド的にはもっと前に出た上記の「科学的な外国語学習法」とほぼ同じ。 「勉強するな」とは「努力が要らない」という意味ではなく「勉強(=訳読法)はするな」という意味です。 むしろ、数十分の外国語のテープをじっくり集中して聴く(聞き流すのではなく)のは、 普通に「勉強する」ほうがよほどラクそう。 でも説得力があり、わたしも少しずつ取り入れていこうと思っています。 | |
★★☆☆☆ 「学ぶ」から「使う」外国語へ―慶應義塾藤沢キャンパスの実践関口 一郎著。新書版。2000年。714円。 著者は大学教授にして、NHKラジオ講座ドイツ語の講師。 副題の慶應義塾云々については、ごく一部しか触れられていないので注意が必要。 要は、著者の外国語習得にまつわるエッセイ集といったところです。 文章は非常に読みやすく、 ドイツ語教師なのに、現地の会話教室でおちこぼれ、職業を聞かれたがとても答えられず、 必死に練習したエピソードもあれば、 新鮮な観点も多く、外国語学習のヒントがたくさん隠されていますが、 タイトルと内容のミスマッチが残念。 | |
★★☆☆☆ 外国語の壁は理系思考で壊す杉本 大一郎著。新書版。2010年。735円。 著者は宇宙物理学者。 「理系思考」というのが具体的に何を意味するのか分からないので、タイトルの妥当性を評価するのは難しいですが、 帯の「科学的アプローチによる外国語修得法」という謳い文句はちょっと苦しい。 思いつくことを気ままに書きつづった感じで、体系的ではないし、骨太な精巧な論理展開もなく、 「方法論」というよりは、エッセイまたは軽めのうんちく本に近い印象を受けました。 | |
★★☆☆☆ 私の外国語修得法阿部 謹也編。文庫版。1999年。680円。
外国語にまつわる体験談集。
「学会をリードする17人が、体験をもとに語る、独創的外国語学習法」というのが謳い文句ですが、
タイトルに反し、多くの著者が「私は修得していない」と証言しており、
内容は「大学で〇〇先生に教わりました。テキストは△△で、たしか同じクラスに◇◇君と▼▼君がいました」といった具合。
それのどこがどう「独創的」でどんなふうに「学習法」なのか、ちょっとわたしには分かりませんでした。
ただ中には傑出した文章もあり、養老孟司の簡潔な日本語にはほれぼれ。
内容的にも、具体的な修得法ではないにせよ、学習のヒントがもらえました。
福井勝義のアフリカ諸語の話も良かった。
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★★★☆☆ 言葉をおぼえるしくみ 母語から外国語まで今井むつみ 針生悦子著。文庫版。2014年。1400円+税。 「母語から外国語まで」とあるが、主に子どもの母語習得に関する研究本。 第二外国語習得論についての言及はつけたりの感が否めず、 タイトルに「外国語」と入れるために付け足したのかも、と感じました。 最初から母語習得のしくみを知る目的で読むならソンはないけれど、 外国語習得本だと思って買って読むとガッカリするかも。 | |
★★★☆☆ 本当は語学が得意な日本人李 久惟著。新書版。2013年。972円。 内容に即したタイトルをつけるとすれば、「日本人でも語学が得意な人はいる」であり、 語学において日本語話者の強みが生かせると期待して読むと、期待はずれ。 著者が自身の体験を語るも、そもそも彼は日本語ネイティブではない。 三章・四章は世界祖語が存在するという立場で言語間の類似性に触れており、一説としては面白いが、比較言語学に基づいた一般的な学説だと勘違いすると危険。 | |
★★☆☆☆ 外国語習得―その学び方100の質問水野 光晴著。A5版。1995年。3360円。 外国語学習に関する疑問に答える本ではなく、 「第二言語習得研究」に関する疑問に答える本。 誤解を誘うようなタイトルですが、 実態は第二言語習得研究の入門書もしくはハンドブックで、 対象は外国語学習者ではなく、研究者です。 100の問いはこの分野を理解するためのもので、 たとえば「中間言語の化石化現象とは何か」という問いは、用語の説明、これまでの研究の概要が中心で、 化石化現象の打開方法が書かれているわけではありません。 | |
★☆☆☆☆ トマティス流 最強の外国語学習法―英語を話すには「英語の耳」が必要だ!村瀬 邦子著。B6版。1996年。1400円。ハードカバー。
「トマティス・メソッド」というのは聴覚トレーニングの一種で、
「聴力回復センター」のようなもののようです。
聴覚に対する効果のほどは知りませんが、少なくとも「外国語学習法」としては、
具体的成果もなければ、個人が自宅でできるような方法でもなく、
単に、耳がよければ、外国語の習得もスムーズ(にちがいない)、ということみたいです。
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初稿:2010年8月23日
最終更新日:2014年8月2日