マルタの最終日、コスピークワの火曜市に行って来ました。
観光客にもメジャーなマルサシュロックの日曜市とは違い、ここは地元の人々のためのマーケットで、聞こえてくるのもほぼ100%マルタ語。
ヴァレッタ付近は外国人観光客が多いから、今までどれがマルタ語かよく分からず、この火曜市で初めてマルタ語をまともに聞きました。
マルタでは英語も公用語だけれど、マルタ人同士で話すときはマルタ語なんですね。やっぱりアラビア語に似ている。カム(いくら?)とあちこちから聞こえて来る。数字もほぼアラビア語と同じ。
前から来た人が「通りますよ」もしくは「ちょっと通してください」という意味合いなのかな、マシーと言ってた。アラビア語の「歩く」っぽい。
ただ全体的にイントネーションがイタリア語っぽい。抑揚だけ聞いてるとイタリア語かな、と一瞬思います。イタリア語からの借用語も多いし。
そういえばマルタでは英語もイタリア語っぽい。人にもよりますが。
イントネーションって大事ですね。いまトルコ航空の機内で時々トルコ人クルーによる日本語の放送が入るけど、これが全く日本語に聞こえない。文法も単語も立派な日本語なんだけど、イントネーションがまるでトルコ語なので、相当集中して聞かないと全く何を言っているのか分からない。先にトルコ語と英語の放送があるから次は日本語だろうとわかるけど、それがなかったらそもそも日本語だと気付くこともないでありましょう。
火曜市に話を戻すと。コスピークワの市はマルタで最大なのだそうです。地元の人向けの市なのでお土産屋さんはありませんが、衣類や靴、食料品、日用雑貨、切り花や鉢植えなど、ここへくれば一通りなんでも揃いそう。
マルサシュロックで出ていたお店にここでまた出くわしたりも。どう見ても同じ品ぞろえ。
自分で収穫した蜂蜜を売りに来ている養蜂家もいました。ヴァレッタ銀行のカレンダーにも載ったことのある人。小さなハチミツハンドクリームを一つ買ってみた。
本屋さんが出ていたので、またマルタ語の薄い絵本を9冊購入。一冊50セント。聖書物語なので、言葉が分からなくても筋が分かる。
帰りの空港でまた一冊絵本を購入。絵が気に入って買ったこれもやはり聖書物語。同じ聖書物語でも、上のとはえらく雰囲気が違う。
しかし、読めもしない絵本を毎度よく買うよな、と我ながら思う。
・・・と、帰路でここまで書いて、家に帰って来た。で、買ってきた絵本を早速開いてみると、なんとこれ読めるじゃないですか。アラビア語の知識で読めるところがポツポツある。
たとえば
Alla ħalaq il-bniedem. “Inti jismek Adam,” Alla qal lir-raġel. U lill-mara qalilha, “ Inti jismek Eva.”
これって、こう見えてこないですか?
“الله خلق ابن آدم. “أنت اسمك آدم،” الله قال للرجل. وللمرأة قال لها ، “أنت اسمك إيف
(神は人間を創造した。「おまえの名はアダムだ」と神は男に言った。そして女には言った。「おまえの名はイブだ」と。)
こちらはいかがでしょうか。
Marija u Marta kienu aħwa.
声に出して読んでみると、こう聞こえてくるのではないでしょうか。
ماريا ومارتا كانوا أخوات.
(マリアとマルタは姉妹でした。)
まあ厳密に言うとフスハなら女性双数を使うのでしょうが、意味は通じます。
全く知らない言語じゃないんですねえ。嬉しくなっちゃった。たぶん絵本一冊でも辞書を片手に読み終えたら、たぶんもっといろいろ分かって来るんじゃないかと思います。