フィンランド語

ムーミンでフィンランド語

 フランスへの行き帰り、フィンランドの首都ヘルシンキで、ムーミンの本を買いました。

わが辞書に「足」という文字はない by ムーミン

 一番大きいのは、英語―フィンランド語のムーミン絵辞書です。トーベ・ヤンソンの挿絵と共に、英語・フィンランド語の単語が掲載されています。

 でもこれ、人間世界の辞書としては、いまいち使えません。だって「目」や「耳」は載っていても、「鼻」が載ってないんですよ。「手」や「足」も。なぜなら「ムーミン辞書」だから(笑)。ムーミンは人間じゃないから、鼻がない。代わりにあるのは「鼻づら」です。だから「鼻づら」という単語は載っているけど、「鼻」という単語は載っていないんです。同様に、「動物の足」は載っていても、「手」や「足(人間の)」という単語は載っていません。 どう? 素敵でしょ?

 この素敵な使えなさ加減がとっても気に入って、絶対欲しい!と思いました。普通の英芬・芬英辞書も同じくらいの価格で売っていたのですが、そっちは見送り(笑)。要は、「辞書」であることより、「ムーミン」であることが気に入ったのね。

どこで買うかで値段が違う

 フィランド語のムーミン本も、二冊買いました。一冊10ユーロ。ペーパーバックです。

 ちなみに、ヘルシンキの空港って、本の値段が店によってまちまちなので、これからヘルシンキでムーミン本買われる方は、気をつけてくださいねー。(・・・って、そんな人、いないか?) ヘルシンキの空港は、出国する前(ヨーロッパ内)と出国したあとの両方に売店があり、出国前の売店街のムーミンショップより、出国したあとの本屋のほうが安かったです。

 どれくらい価格が違うのかというと、ムーミン辞書:28ユーロ VS 19.95ユーロ。ムーミン本(ハードカバー):28ユーロ VS 17ユーロ。 すごい違いでしょう? 日本円にして、なんと一冊1000円以上も違うんです!! なんでだろう? もしかして、国内は消費税がかかるから??フィンランドの消費税って高いらしいしね。

 ただ、出国後はお店が少ないので、手に入らないものもあります。10ユーロのペーパーバックは出国後のエリアにはなかったので、一度出国したあと、もういちどイミグレ通過して買いにいきました。ムーミンへの愛、強し!

 フィンランド語だけでは読めないので、英訳も買いました。こちらは一冊だけ。英訳は日本でも手に入るようですね。アマゾンで一冊500円ちょっとです。

フィンランド語を読んでみた

 帰国便が2時間ほど遅れたので、その待ち時間を利用し、プロローグと一章の最初だけですが、英語とフィンランド語を見比べつつ、ムーミン辞書も使って読んでみました。とはいえ、本当に読めるわけはありませんけどね。でも、見比べるうち、いろいろなことがわかりました。

 最初に対応がはっきりするのは接続詞です。接続詞は語頭に出てくることが多いし、活用しないから。jaはandで、muttaはbutだな、ってすぐ分かりました。

 あれ? 英語よりもフィンランド語のほうが、同じ文章でも語数が少ないみたい?? どうやら冠詞はないようです。あと、前置詞も見当たらない。それに代名詞の主語を省略できるみたい?

 動詞は活用するようで、原形はaで終わり、三人称単数過去の活用語尾はi。名詞も、出てくるたびに形が違う。どうやら格変化や、数による変化があるようです。

 ・・・とまあ、こんな感じ^^。デッキチェアに寝そべりながらいい加減に1時間くらい読んだだけで、なんとなくフィンランド語が全然知らない言語じゃなくなりました。

 なんだか楽しくなってきちゃった^^。日本に帰ってきてからも、チビリチビリですが、読んでいます。まず英語で読んでから、フィンランド語を読んで(というより、字面を見て)います。ちなみに、英語の読みやすさレベルは4ぐらいです。

 フィンランド語の字面はこんな感じ(写真参照):上に二つチョンチョンのついた「ä」が目立ちます。そこが不思議っぽくて素敵~♪ 日本に帰ってきてから、調べたところによれば、「ä」はアとエの中間、あとはだいたいローマ字読みだそうです。音読して「フィンランド語を読んでるわ・た・し」に陶酔してみたりなんかもして^^。

 フィンランド航空の機内放送やヘルシンキの空港のアナウンスで聞いたフィンランド語は、クルクルっと丸まって乾いた、彫刻刀で彫った木の切りくずみたいな感じがしました。「フィンランド語は猫の言葉」という有名な本がありますが、わたし的には、ネコ度はインドネシア語のほうが上のような気がする。

フィンランド語のムーミンは原書ではない

 ところで日本に帰ってきてから知ったのですが、ムーミンて、最初スウェーデン語で書かれたんですってね。フィンランド語じゃなく。作者のトーベヤンソンは、スウェーデン系のフィンランド人なのだそうです。

 つまり、フィンランド語のムーミンは、原書ではない。

 ひゅるるるるる~~~~~~ ←いきなりモチベーションが下がる音^^

 いや、一時はほんとにモチベーションが一気に下がりました。でも今また持ち直してきました。もともとフィンランド語はいつかやりたいと思っていた憧れの言語なので。

 今はフランス語がもっともっと上手になりたいと思っているし、英語の本もたくさん読みたいので、先がどうなるかは分かりませんが、一日5分でいいから、なるべくフィンランド語にも触れたいなあ、と(今のところ)思っています。

 フィンランド語の話者は約500万人。これまでに学んだある言語に比べると、かなりのマイナー言語ですが、マイナー言語としては学習テキストが種類も多く、比較的学習しやすい環境にあります。

 でも、ムーミンばっかり読んで、敢えて偏ったフィンランド語を目指すというのもいいかも~? フィンランド語というより、ムーミンランド語? 楽しそう~! 「手」のことを「前足」とか言っちゃったりするヘンなフィンランド語が話せるようになったら・・・なんて想像すると、すごく愉快です^^。

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