12月にチェコへ行くことにしました。今回は航空券とホテルがセットになっただけのツアーです。
ずっとプラハにいるつもりだし、たぶんチェコ語ができなくても困ることはないと思いますが、せっかくのチャンスなのでチェコ語を少しやっていくことにしました。
スリランカでシンハラ語がけっこう喋れたので、二匹目のドジョウを狙い、今回もNemoでフレーズを聞くことにしました。1日あたり5分程度の日課です。
既習言語と似ていることの利点と難点
今回はシンハラ語のときとは違った事情が一つあります。
それは「既習言語と似ている」こと。チェコ語はロシア語の親戚で、よく似ているのです。
一般的に言って、新しい言語を始める際、類似言語を知っていれば言語習得が有利になりますが、逆に既習言語にとっては、類似の新言語を始めることは混同のリスクになる。チェコ語を学ぶことによって、大事なロシア語がダメージを受けるかも・・・と思うと、チェコ語を学ぶ気持ちにブレーキがかかり、シンハラ語の時のように無邪気にハマれない。
また、なまじ文法が推測できるものだから文法にこだわりがち。ロシア語だったらこの表現はどうだとか、なぜチェコ語にはbe動詞があるんだ、などと余計なことを考えてしまい、シンハラ語の時のように素直に音に集中できない。
そんなわけで、実はツアーを申し込んだのは3週間くらい前なのですが、ずっと腰が落ち着かず、いままで迷走していました。ここ数日やっと少し落ち着いて、淡々と日課をこなそうと腹をくくったところです。
紛らわしいチェコ語とロシア語
チェコ語とロシア語は本当に良く似ています。使用する文字が異なるので一見違いますが、発音してみると似ている。
でも対応する単語なのに意味が違うことがよくあります。
たとえばチェコ語で žena は「女性」という意味。でもそれにあたるロシア語の жена は「妻」という意味。
同様に、チェコ語で muž は「男性」という意味。でもそれにあたるロシア語の муж は「夫」という意味なのです。
チェコ語で město は「街」、でもそれにあたるロシア語の место は「場所」という意味。ならば「場所」はチェコ語でなんと言うのかと思ったら、místo 。で、それにあたるウクライナ語の місто は「街」で、「場所」は місце 。
???? ややこしいーーー!! 元は同じ単語なのに、歴史の波に洗われるうち、それぞれ独自の進化を遂げ、意味がズレてしまったようです。
あと、アクセントの位置が違う。個人的にはこっちのほうがイヤ。
たとえば、ロシア語では外来語は метро、такси、трамвай のように、けっこう語末アクセントが多い。でもチェコ語の単語のアクセントは最初の母音にあるのだそうで。チェコ語を学ぶにあたっては朗報ですが、ただ一時的にチェコ語をやってみたいだけのロシア語学習者にとっては、頭が痛いです。
レストランの名前
ところでプラハのレストランやカフェには「ウ・なんとか(U xxxx)」という名前がやたらと多く、このUはどういう意味だろうと気になっていたのですが、今日やっと解決しました。
ウクライナの先生に尋ねたところ、英語のマクドナルド(Mcdonald’s)、タリーズ(Turry’s)とかウェンディーズ(Wendy’s)の「~’s」にあたるそうです。日本語で言えば「○○の店」という感じかな。ロシア語圏でもУ(~のいるところ)で始まる店が多いそうで、たとえば У Вани だったら「バーニャ(Ваня)の店」。フランス語で言えばシェ松尾(Chez Matsuo)のノリでしょうか。
日本語や英語でググってもいまいち納得のいく説明が得られなかったので、ここに記しておきます。
ハマる加減
ロシア語学習者にとって、チェコ語はハマる加減が難しい。
- せっかくチェコに行くのだから、ちょっとチェコ語を使ってみたい
- でもロシア語を損なわない程度にしておきたい
―――果たしてそんな器用なハマり方ができるでしょうか?
シンハラ語の時のようにうまくいくかどうか分かりませんが、とりあえず一ヶ月間、Nemoを毎日5分、続けてみます。