英語のグレーデッドリーダーズを読み始めてそろそろ2週間。「目指せ100万語!」の目標まではまだまだ長いですが、まだ10万語を越えたくらいの現在、すでに確かな手ごたえを感じています。
一番大きな変化は、外国語に対する抵抗感が薄れてきたこと。以前は横文字を見るだけで逃げ出してしまいたくなっていたのが、気軽に「ちょっと読んでみようかな」と思えるようになりました。
また、読み始めた本を最後まで読み通せるようになりました。以前は、せっかく読み始めても、ちょっと知らない単語が出てきたり、ちょっと分からなかったりするとすぐにいやになって挫折していた。それが減りました。たぶんねえ、先が見通せるようになったからだと思う。「もうちょっと先まで読めば、なんとかなるさ」と楽観できるようになったからだと思います。
面白いのは、英語だけでなく、これまでにかじったことのある全ての言語において、同じ変化が同時に起こっていることです。読んでいるのは英語だけなのに、不思議なことに他の言語の壁まで低くなっている。
それに気づいたのは先日、子ども図書館に行ったとき。たまたま目に付いたのがインドネシアの絵本がインドネシア語と英語で書かれていて、最初はインドネシア語まで読もうとも、また読めるとも思わず、物語の内容が知りたくて英語で読み始めたのです。
でも英語を読み終わったあと、「英語で読めたのだから、インドネシア語でだって読めるのではないか」と自然に思え、読んでみたら本当に読めた! 分からない単語は英文に助けてもらいましたが、それほど苦労するでもなく、最後まで楽しんで読めました。
英語とインドネシア語で一冊を二度読み終えるとますます気が大きくなり、「インドネシア語で読めるのだから、当然アラビア語でだって読めるはず」と思いました。それでも最初は文字が少なめの本を手にとったのですが、それを読み終えると、二冊目はもう少し文字が多くても大丈夫な気がして、少し長めの童話を読みました。
その日はそこで時間切れとなったわけですが、一冊読みおえるごとに外国語の文字に対する抵抗感がなくなっていくのが、手にとるようにわかりました。一冊読み終えると、次の一冊も読める気がしてくる。それの繰り返し。たぶんこういうのを「自信がついた」というのだと思います。自信がついたから、次の本も気軽に手にとれる。
わたしがこれまで外国語を読むことが億劫だったのは、最後まで読み通した経験よりも、挫折した経験のほうが多かったからではないかと思います。一度失敗した経験があると、次もまたダメな気がしてくる。
自信というのは、何より成功体験から生まれます。よく「失敗は成功の母」というけれど、実際には、失敗よりも成功のほうがずっと、次の成功の元になる。失敗したらやっぱり人間、臆病になりますから。「失敗は成功の母」という格言は、その臆病さを乗り越えるためのまじない薬のようなものであって、実際は、「成功は成功の母」なのであります。
「挫折は次の挫折を呼び、達成は次の達成を生む」。これは、わたしが幾多の挫折と、少しばかりの達成から学んだ真実であります。
一度転がり始めた石は、どんどん転がっていくけれど、一度ブレーキがかかってしまうと、また転がり始めるのはターイヘン。だから、達成の連鎖を止めちゃいけない。そのためには、挫折してはいけないし、挫折しないためには無謀な挑戦をしてはいけない。
つまり、いつも達成できる程度の目標を定めるということが何より大事なんですね。多読でもそう。ちょっと読んでみて、なんか面倒くさそうと感じたら、さっさと撤収する。「挫折」ではなく「撤収」。火の手があがってからほうほうの体で逃げ出すのではなく、様子見の時点で悠然と、しかしさっさと引き上げる。この逃げ足の速さ、見切りの早さが、多読においても肝要なのではないでしょうか。
100万語を目指してただいま10万語。道はまだまだ遠いけれど、今の時点ですでに得るものがありました。英語力がついた気は全くしませんが、ちゃちな英語力なんかより、よっぽど大事なものを得た。小さな達成を積み重ねることによって得た達成感、自信、そこから生まれる辛抱強さです。それは英語学習のみならず、ほかの外国語、いや、外国語学習のみならず、今後ありとあらゆることに応用できるんじゃないかな、と思います。
この成功体験を大事にしつつ、100万語達成まで、突っ走りたいと思います。次は何が見えてくるのかな? 楽しみです^^。