Essay  きりんの旅ヒント

【 添乗員 】

「うちの添乗員はウチノと覚えてください。」
これが自己紹介だった。
なかなかうまい事を言うな、と関心したものだ。

添乗員のウチノさんは、せいたかノッポでスラッとした女性で、 ちょうどピンクの電話の背の高い方にそっくりだった。
とても頼れる感じで第一印象はなかなか良かった。

彼女は、一人分にしては意外と大きなバッグを持っていたが、その時は気にも留めなかった。

ホテルに着くと、 「お疲れ様です。このミネラルウォーターを飲んでゆっくり休んでください。」と言って、 皆にミネラルウォーターを1本づつ配った。
ホテルに着いたら、早速ミネラルウォーターを買いに行こうかなと思っていたので このサービスはとてもうれしかった。
皆からミネラルウォーターはどこで買えますかとか良く聞かれるのだろうか? それとも彼女も欲しくなるからなのだろうか?

それからも、おせんべや梅干など要所で皆にサービスしてくれた。
一つ一つはたあい無いものだけど、タイミング良く欲しいものが出てくる。 正にドラえもんのポケットのようだ。

最終日に梅干を配り終えると「これで、私のバックも軽くなりました」と彼女は言った。
あの大きなバッグはこの為に必要だったんだと納得したが、 仕事とはいえ、本当にプロの仕事と言える。

これからも、こんな添乗員と一緒に旅をしたいものだ。

2002年2月24日 きりん

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