Essay  うさぎの旅ヒント

【 アナタ日本人? 】

昨年グアムへ行った時のこと。オプショナルツアーの外人スタッフが、片言の日本語でうさぎにこう言った。

「アナタ、日本人? ウッソー!」

うさぎが外人に間違われるのはそのとき始まったことではない。 実を言うと、海外に出て外人に間違われなかったためしがない。 外人さんのみならず、日本人までが間違える。 さすがに同じ日本人に間違われると、なんかさみしい。

日本で普通に生活している分には、うさぎも外人に間違われたりはしない。 日本語だって流暢に喋れるし、鏡を覗いても、別段髪が赤くもないし、 特別鼻筋が通っているわけでもないから、 外人に間違われる要素があるとは自分でも思えない。

けれど、それは西洋人と比較してみての話で、 広い世界にはうさぎのような顔をした民族がいるのかもしれない。
「ワタシの国の女性は、アナタのような顔をしています」と、 トルコ人とロシア人とインド人の男性から言われたことがある。 若かりし頃の話だから、きっとくどき文句なのだろうと思っていたけれど???

ただ不思議なのは、中国人や台湾人や韓国人に間違われることも多いこと。 この三ヶ国人に関しては、うさぎ自身も日本人と全く区別がつかないので、 容姿の問題ではないらしい。 特に、滞在客の実に4割が日本人であるというフィジーのマナ島で、 会うスタッフ会うスタッフがみな口を揃えて「韓国人?」と聞いてきたのには、 閉口してしまった。 確かに最近は台湾人や韓国人の旅行者もいなくはないのだろうが、 日本人観光客のメジャーさに比べたらまだまだ少ないわけで、 なぜ日本人をわざわざ外して考えるのかが、まったくもって不思議であった。

そんなこんなで、うさぎは最近こう考えるようになった。 たぶん自分は積極的にどこかの国の人に似ているわけではないのではないか、と。 ただ、どこか「日本人らしくない」のではないか、と。 たぶん、たいていの日本人が持っている特徴を、うさぎは持っていないのだ。

ではその「日本人の特徴」ってなんだろう? それが知りたくて、最近うさぎも海外で東洋人を見かけると、 日本人か、そうでないかを、見分けようとしている。 そして、近くに寄って話し声に耳を澄まし、何語で喋っているかで、 自分の見立てが正しかったかどうかを検証する。

で、まだまだうさぎの判断は当てにならないのだが、一つ分かってきたことがある。それは、

日本人は、人の目を見ようとしない

ということ。すれ違う時、わざわざ目をそらすようなしぐさが見られれば、 それはまず日本人だと思ってよい。 韓国人や台湾人には見られない特徴である。

そういえば、うさぎは人の目を見て話す。 で、そのせいか、時々人から「視線が強い」とか「目がコワイ」と言われる。 「そんな目で見ないで」と言われたこともある。 人の目を見て話をするのは、うさぎにとっては当たり前なことなのだが、 日本人の当たり前ではないのかもしれない。

2002年5月25日 うさぎ

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