このフィジアンリゾートは、とにかく子供が多い。 レストランとメインプールを結ぶ道など、ベビーカーが列をなしていて、なにごとかと思った。 まるでディズニーランドみたいだ。
子供が多いのは訳がある。このリゾートが「子連れに優しい」からである。 親と同室の子供は宿泊費がタダだし、「リトルチーフクラブ」という名の無料キッズクラブもある。 キッズクラブ専用の部屋と公園がある上にもってきて、 子供たち専用のビデオ鑑賞用の部屋まであるという充実ぶりである。 また、ベビーカーの貸し出しもあり、リゾート内の至るところにベビーカー専用のスロープが設えられている。 たとえ客室が2階、3階にあろうとも、そこまでスロープで上がれるような仕組みになっているのだ。
さらに。ここでは子供の食事代が全くかからない。
大人と一緒にとる朝食ビュッフェはタダだし、昼食と夕食はなんと、子供専用のビュッフェでとれるのだ。
レストランはレセプション近くの大屋根の建物。
その一階は「ラグーンテラス」という普通のレストランで、
二階が子供用「リトルチーフビュッフェ」になっている。今晩の食事はさっそくここでとらせることにした。
だが、そのビュッフェに入ってみてびっくり! 屋内席だけでも 100席以上、 海に張り出したパティオには更に屋外席が40〜50席ほどある大レストランだったからだ。 尤も、ここが子供専用なのは昼食時と夕食前の5時半から6時半だけ、本来はなんとファインダイニングらしい。 この時間はブラケットに色とりどりの風船をくくりつけ、 赤い汽車に見立てた台に料理を並べて可愛らしく演出しているのだ。
ビュッフェの品数は少ないが、ポテトやスパゲッティ、チキンなど、 子供の好きそうなものばかりが日替わりで出てくる。 ケーキやゼリーなど、子供好みのデザートも日替わりで毎日3種類、アイスやジュースもあった。
うさぎときりんも付添い、空いているテーブルに4人分席を取った。
このビュッフェでネネとチャアがまず目をつけたのは、アイス。料理も取らないうちに取ってきて、
「まずデザートから入るのもヘンだけど、すぐ食べないと溶けちゃうし‥」などと親の顔色をうかがっている。
「まあ、好きにしたら? 何でも好きなものを、お好きな順に食べてちょうだい」とうさぎ。
「ま、デザートばっかり食べて太っちゃってもママは知らないけどね」とクギを差すことも忘れない。
この一言に「う〜ん」と頭を抱えるネネ。
「チャアは痩せすぎてるくらいだから平気だね!」と顔を輝かせ、ひたすらアイスばかり食べるチャア。
うさぎたちも、ネネたちが取ってきた料理をつまみ食い。 全体的に薄味で、悪くない。周りの子供たちにもたいてい両親が付き添っており、大人と子供の数は同じくらい。 子供の食事にはいっさい手を付けない潔癖な親もいるが、 まだ幼い子供にどうみても食べきれないほどの量を取ってきて、せっせと自分の口にも運んでいる親もいる。
あたりを見回すと、まわりは西洋人ばかりで、東洋人は見事にうさぎたちだけ。 まあ今は学校も休みじゃないし、オフシーズンだから、当然といえば当然かもしれないけれど、 本当にここでは日本人を見かけない。 400以上の客室数を誇る大リゾートで、日本人にもけっこう人気のあるリゾートのはずなのに。 客室数でいうとずっと小規模のマナには結構日本人がいたのに。不思議だー。