Fiji  マナ島とフィジアン

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【 カバの儀式U フィジアン編 】

フィジアンのおじいさん

昨日あたりから、どうも胃のあたりが落ちつかない。マナで飲んだカバの効き目が切れてきたのかもしれない。 ここいらでもう一度、カバを飲んでおきたいものだ。

フィジアンでもカバの儀式くらいどっかでやってるはず。 そう思ってそれとなく気をつけていたら、メインプール付近でカバの儀式をやっているのを見つけた。 よーし、これは是非とも参加しなくては。

マナの儀式に比べると、ここフィジアンのは気楽。「儀式」という感じがしない。 場所はプールサイド近くに敷いたゴザの上だし、カバに携わるスタッフもたった一人、 フィジアンのおじいさんだけだ。彼がココナツのカップによそい、近くに座ったゲストに手渡す。 主客も特に決まってはいないようだ。
それでも男性の後に女性という順番は変わらず、その何番目かにうさぎの番も回ってきた。 カップには、わずかな量のカバ。一気に飲み干すと、その味は薄かった。

大人全員にカバが回ると、おじいさんはなんと子供たちにカバを勧めた。 ゴザの回りでこの儀式を興味津々に眺めていた子供が何人か、それに応じてカバを飲んだ。 ネネもこわごわカップを受取り、カバを飲み干した。 子供用のカバの量は大人より更に少なく、これで果たして味が分かるのか?!と思うような程度の量。 ネネに後で
「どうだった? 舌が痺れたでしょ」と尋ねたら、
「えっ、すごくマズかったけど、‥痺れる? なにそれ」という返事がかえってきた。 舌が痺れたかどうかも分からない程度の量だったのだ。

うさぎはというと、こんな量ではとても胃に効きそうにないと思い、もう一杯勧められることを期待していた。 木の器に残ったカバは僅かだったが、うさぎが飲みたそうなのを察してか、それとも自分が飲みたくなかったのか、 白人の女性が自分の受け取ったカップをうさぎにくれた。うさぎはありがたく、それを頂戴した。

木の器がすっかりカラになると、おじいさんは子供たちを自分の回りに呼び寄せ、写真撮影タイムに入った。 白髪のアフロヘアが素敵な腰ミノ姿のおじいさんは、いかにも「フィジーの長老」という感じで、 写真撮影にはもってこいだった。なにしろ、このおじいさん、絵はがきのモデルにまでなってる人なのだから。

マナでは居住まいを正して臨んだ(?)カバの儀式も、 大リゾートのここでは「ツーリストメニュー」っぽいライトな感じだった。 どっちが好きかと問われれば、マナの儀式の方が好きかな。 けれど、味が薄くても量が少なくても、カバは今回もしっかり胃に効いた。 一度ならず二度までも胃を快適にしてくれたカバの効用は、もはや疑う余地がない。

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