「パパ、じゃんけんしよ」
「じゃんけん、ブクブク」
「あいこで、ブクブク」
「やったー」
定番の水中じゃんけん。
チャアは普通のじゃんけんより、水中じゃんけんの方が強いね。
「パパ、そこに立ってて。今潜って行くから」
「この辺でいい?」
「もうちょっと、遠く」
「じゃ、この辺かな?」
「今潜って行くから、動かないでね」
チャアは潜水も上手。
「パパ、向こうむいて目をつむってて」
「何するの?」
「この、水中メガネ隠すから捜して」
「これでいい?」
「まだだよ」
・・・・・・・・・・・・
「チャア、まだ?」
「まだ」
・・・・・・・・・・・・
「もういいよ」
「さて、何処かな?」
「水の中ね」
「なんかあっちの方で、もういいよって聞こえたんだけどな〜〜〜」
「そお?」
「あった、あった」
「じゃ、今度はパパかくして」
「隠すよ。さて何処にしようかな」
・・・・・・・・・・・・
「まだ?」
「まだだよ」
って、実はもう隠しちゃったんだけど。反対側に行ってからっと。
「もういいよ」
「もういい? じゃ、さがすよ。こっちの方かな」
「あれ? こっちの方から声が聞こえたんだけどな?」
「そお?」
ってとぼけてチャアが捜してるのを見てると怪訝そうなチャアの表情がおかしい。
「パパ、水の中だよね? 日向はだめだよ」
「ちゃんと隠したけど、ちょっと待って」
「あれっ、さっき隠したところに無いな?」
「ちょっと待って」
チャアはプールから上がると水の上を眺めまわしている。
「あった、あった」
一目散に飛び込むと潜って行った。
見つけたようだ。
「パパ、あったよ」
「あらっ、そんなとこにあったんだ。隠したのはあっちなのに。随分流されちゃったね」
今日はこの宝探しを延々とやっていた。