2003年3月25日 ツギあてソックス

子どもたちは今日が終了式、明日から春休みです。
学期が終わる日には、うさぎの方もなぜだかホッとしたような気分になるのですが、 今回は常にも増してホッとしています。 なぜって、ネネの靴下がダメになってきていたからです。 靴下を洗って畳むたび、だんだん擦り切れていく靴下に、 「年度末まで持つだろうか」という不安を感じつつ、ついに迎えた今日という日。 不安から解放されて、本当に良かった!

時を遡ること1年前。
昨年4月の中学入学に際し、通学用白ソックス5枚組みを1セット購入しました。 で、ネネはそれを毎日履いて学校に通ったわけですが、 2学期の終わりには足の裏の一部分がだいぶ薄くなっていました。 5足のうち1足にはすでに穴があいてしまっている。

「だいぶダメになってきたわねえ。 そろそろ新しいのを1セット買わなきゃダメかしら?」 うさぎがそう言うと、ネネが言いました。
「うん‥でもね、2年生になったら紺のハイソックスを履きたいの」
「あら、じゃあ今回は紺のハイソにする?」
「いや今はいい。今買っても履けないから」
「? どして?」
「先輩に目を付けられるから」
「はああ?? ‥あーやだやだ、ホントに嫌な慣習があるわよね、あんたの学校って。 ‥でもまあそれはともかく、どうするの? 白いソックスを買う? それとも紺のハイソックスにするの?」
「うーん‥。紺のハイソは買っても2年になるまで履けないから意味がない。 でも白いソックスは、2年になったら絶対履かない。 2年になったらスカート短くするんだもん。ソックスじゃ合わない。 けど、3ヶ月後には絶対使わなくなると分かってるものを買うなんて勿体なさすぎじゃん? チャアがお古を履いてくれるなら別だけど、靴下のお下がりなんて多分 履いてくれないよねえ?
‥ねえママ、今あるソックスを2年になるまで持たせるのって無理だと思う?」

「う〜〜〜ん‥」と唸るうさぎ。「今すでに穴があきかけているというのに、 それをあと3ヶ月履く〜? それはかなり難しいかも。 ‥ツギをあててもいいなら、何とかなるかもしれないけど」
「ああ、それでいい。どうせ足の裏だもん、分からないよ」

‥というわけで、我が家の靴下ツギ当て作戦は始まったのです。
すでに穴があいた一足のまだあまり傷んでいない部分を切り取り、 残りの4足のソックスの薄くなった部分の補強をすることにしました。
こういうのはうさぎの経験からして、事後策よりも予防策が効く。 穴があいてからふさぐより、穴があく前に補強をした方が、耐久性が増すのです。

かくして、穴のあきかけた5足のソックスは、ツギのあたった4足に大変身〜!
共布なので、ツギもほとんど目立たず、 「ほほほほ、あたくしの華麗なテクニックをご覧あそばしましてっ?!」ってカンジ〜?

ところがところが、思わぬ展開が‥。
足の裏部分はツギを当てたことでしっかりしたのですが、 別のところが傷んできたのです。かかとの、靴の縁が当たる部分。
1月の終わりから、その部分が目に見えて薄くなってきました。
あ〜、どうしよう?!
そこにもツギを当てることを考えましたが、靴から出る部分だけに目立つ。
それに、補強用にバラしたソックスも、もう使えるところが残っていない。
かくなる上は、ひたすら終了式まで大事に履き、逃げ切るっきゃない!
‥という結論に、うさぎは達しました。

そんなわけで、終了式をあと20日、あと10日、と指折り数えて待っていたのです。
本当に、スリリングでしたね。 だって穴があいてしまったら、否応なしに新しいセットを買わなくてはならない。 せっかく手をかけて、古いソックスを生かす道を選んだのに、 この期に及んで新しいのを買うなんて、あまりに空しすぎる。 この一月二月、洗濯物を畳むたびに薄くなっていくかかとに、ドキドキしていました。

そんな気持ちで迎えた今日の終了式。 学校から帰ってくると、ネネがウキウキと言いました。
「さーこれで、このソックスたちもお役ゴメンだね!」って。
うん、そうね。 4足、いえ5足のソックスさんたち、1年間、ホントにご苦労さまでした。
それに、ツギのあたったソックスを3ヶ月間、文句も言わずに履き続けたネネちゃん、 あなたってほんっとにいい子!