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【 ミニゴルフ 】

ミニゴルフ

ミニゴルフ場はホテルのすぐ側。 部屋に置いてあるガイドに料金が明示されていたのに好感して、ここにやってきた。

入り口から中を覗き込むと、人工芝を敷き詰めたコースが、 シダ類の生い茂った茂みの中に迷路のようにこちゃこちゃと作りこまれていた。 重なり合った種々の葉っぱが空から降り注ぐ強烈な日差しを所々遮って グリーンの上にまだら状の影を落としている。 それが秘密めいた雰囲気を作り出し、見るからに楽しそうだ。

ルームチャージで前払いを済ませると、 管理人の女性がそれぞれの身長に合わせたパターとボールを一つづつ貸してくれた。 いよいよ試合開始である。

パターゴルフをするのはグアムに次いで二度目とあって、 子供たちのパターの構えも慣れたもの。ポーズもなかなか決まっている。
けれど実力の方はいま一つ。なかなかボールはホールに入ってくれない。

また、ここのコースは大変凝っていて、多分にパズル的である。 コースを囲む壁にぶつけて方向を変えるようなビリヤード紛いのコースあり、 ホールの上にポールがスウィングしているコースあり。 ゴルフの技術にプラスして、ちょいとばかり作戦が必要なのである。

いずれ劣らぬトリッキーなコースの中でも、一番面白かったのは、二層式のコースであった。 上層部には三つのホールがあり、そのホールの一つにボールを入れると、 下層部の三つの穴のどれかからボールが出てくる。 それを下層部の本物のホールに入れるのが目的である。

このコースの面白さは、 上層部のホールにボールが入ってから下層部へ出てくるまでの時間の長さにある。 上層部と下層部の段差は2メートルほどで、 人間は階段を使って移動するが、 上層部のホールにボールを打ち込んだのを確認してから階段を降りても、 下層部にボールが出てくるところを目のあたりにできる。
ボール専用のトンネルはかなり長いらしく、 ボールがトンネルをくぐり抜けるコトコトという音が地中のどこかから聞こえる。
子供たちはもう大はしゃぎ! 下層部に開いたどの穴からボールが出てくるのかを見るのが楽しみで、 コトコトという音を追いかけるように階段を降りてゆく。

18のコースは、ごく単純で簡単なコースもあれば、複雑でかなり難しいコースもあったが、 PER(パー)は一様に2であった。 こういう芸事は何でも得意なきりんは、 さすがに殆どのコースをPERかせいぜい+1でクリアし、トータルでも49で終えた。 うさぎはといえば、作戦ばかりは立派だったものの、 その作戦通りにボールが動いてくれないのが泣き所で、65。 技術と作戦のどちらもないネネやチャアに至っては100以上という惨憺たる結果に終わった。

かようにショット数が多いのと、やれ写真だビデオだにかまけている為、 うさぎたちのコース巡りは非常に遅く、後から来たグループに次々と追い抜かれた。 ある男の子のグループなど、二度もうさぎたちを追い越し、 うさぎたちが一周する間に二周した。
運がよかったのは、あまり混んでいなかったことだ。 混んでいないから、のんびりやる方も、追い越す方も、気がねがなくていい。

さて、2時間かけてようやく18ホールを廻り終え、 最後のホールからボールが自動的に管理人の許へと帰っていくのを見届けたのち、 受付で売っているミートパイで昼食にすることにした。

ミートパイはフィッシュ&チップス同様、 軽食としてオージーの日常的な食べ物だと聞いている。 ここにあったのは『ミセス・マック』というメジャーブランドの直径10センチ、 厚み3〜4センチ程度の大きさのもので、5種類ほどのフレーバーが、 細かい穴の開いたビニール袋ごと、スチームの中で熱せられていた。 この上ない簡単調理である。けれど、

日本のタコ焼き、フランスのクレープなど。
ジャンク・フードはどこの国でも、一番おいしい

というきりんとうさぎの自説を、オーストラリアのミートパイも裏付けてくれた。
パイ皮はサクサク、ミートソース状詰め物は熱々で、それはとてもおいしかったのである。

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