Essay  きりんの旅ヒント

【 ドリアン 】

ドリアンを初めて知ったのは4年前のプーケット旅行の時。
「果物の王様ドリアン。 何とも表現しがたい強烈かつ独特な匂いを乗り越えると、 絶妙にまとわりつくクリーミーな舌触り、芳香で深い甘味」
インターネットで見たこの言葉と共に写っていたトゲトゲの果物。強烈に食べたいと思った。

そして、これがプーケット旅行の1つの目的になった。
しかし、シーズンは5月〜7月。今回の旅行は11月なので、無理かもしれない。

わずかな期待をして行ったが、実際にプーケットに着くと、 ドリアンには一向にお目にかかれなかった。
当然ホテルには無かったが、ビーチに出てもココナッツ以外目新しい果物は無かった。
パンガー湾観光で、リゾートの外を回るので期待したが、こちらでも目にする事は出来なかった。
やはりシーズンをはずしてしまうと食べるのは無理なのだろうか。

2年後のペナン島旅行。
ドリアンはマレーシアが原産国。ドリアンとは、マレー語の「堅いトゲ」の意味。
今回の旅行は6月末なので、ぎりぎりシーズンの最後に滑り込めそうだ。
2年も待ち焦がれたドリアン。当然期待も膨らんだ。

この2年の間にもドリアンについていろいろ調べた。 美味しいドリアンの見分け方、お酒と一緒に食べない事等の注意、タイとマレーシアのドリアンの違い。
「タイのドリアンは木から切って取ってくるが、マレーシアでは熟して味が良くなった頃に、 自ら木を離れ落ちてくるドリアンを拾ってくる。 だからタイのドリアンはあの強い匂いがない。 あの強烈な匂いがなければドリアンとは言えない。 ドリアンの命はあの匂いなんだよ」
やっぱりドリアンはマレーシアで食べなくては。そう思って今回の旅行にのぞんだ。

しかし、ペナンでもドリアンに出会う事ができなかった。 いや、出会うチャンスは、あったのだが、あれだけ意気込んできたわりには、あっさりと諦めてしまった。

今回のフィジーでも、もしかしたら食べられるかも。と心のどこかで少し期待していた。
実際には、食べることも見ることもできなかったが。

ドリアンにはどこでお目にかかる事ができるだろうか?
本当に食べられる時がきたら感動するだろうか?
もしかしたら、「な〜んだ、こんなものか」って思うかもしれない。
それどころか、とても匂いが強くて食べられないかもしれない。

でも、その時の事を考えると、いつでもとっても幸せになれる。

2001年8月18日 きりん

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