Essay  うさぎの旅ヒント

【 格安ツアーは神の声?! 】

うさぎは「次はどこへ行くの?」と人から訊かれることがよくある。
けれど、この質問にいつも明確に答えられるとは限らない。
次に行くツアーにすでに申し込み済みの場合はともかく、 さもなければ、次にどこへ行くのか、自分でも分からない。 アジア方面なのか、ヨーロッパ方面なのか、はたまたアメリカ大陸なのか、 そういった大雑把な方面すら分からない。

たとえば先シーズンは、最初フィンランドにスキーをしに行こうとしたが、 ツアーが催行中止となり、結局行ったのは常夏のセブ島(フィリピン)だった。

一体どうしてこういうことになるのか。 それは、わが家が「天の思し召し」すなわち"天啓"を重要視するからである。

では、その"天啓"とは何か。 何を"天啓"と受け取るのか、というと、それは一にも二にも、 「格安ツアーに出会うこと」だったりする。
「神」すなわち「格安ツアー」はわれらに次の旅行先を指し示し、 そしてこう語りかけるのだ。

行っておまえのすべきことをせよ

と。

そんなわけで、わが家はいつも格安ツアーで海を渡る。 このイメージ、お分かりだろうか。 遠い海の向こうの国が、格安ツアーによってぐんぐん近づいてくる。 それはあたかもエジプトを去るモーセの前に海が道を開けるがごとくである。

しかしながら、何ごとに於いてもそうであるように、 「努力」なくして「天啓」を得ることはない。 やはり人間、日ごろの行いがモノをいう。 格安ツアーとの縁を取り結ぶためには、たゆまぬ努力が必要である。 人間同士の出会いがそうであるように、「縁」というのは向こうから歩いてきたりはしない。 王子さまを待つ姫の心境では、幸運はつかめないのである。

まずは幾多の旅行代理店に足しげく通い、 その重さを厭わず世界中の旅行パンフレットを貰ってくる。コレが肝心。
次に、「これは」というツアーに出くわした時にそれを見逃さないよう、 「相場観」を日ごろから養っておく。 また、ここに泊りたい、というような「具体的な夢」も、日ごろから培っておく。
そして、「ご縁」を感じたら即断即決。 "ツキ"が逃げないうちにツアーに申し込むのが肝要である。

このワン・ツー・フィニッシュで、 格安ツアー、もとい"天啓"は、確実に手中のものとなるのである。

2002年11月23日 うさぎ

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