Guam  丘の上のリゾート・レオパレス

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【 殺人的な臭い 】

車でクラブハウスへ行き、そこからバスでウェスティンリゾートへ。 うさぎたちが参加したJTBのツアーは島内観光のサービス付きだったのだが、 その島内観光のバスはレオパレスリゾートまで迎えに来てはくれない。 だからシャトルバスでタモンビーチにある提携ホテル、ウェスティンリゾートまで赴き、そこで島内観光のバスを待つのである。

シャトルバスが来るまでにはまだ時間があった。それで、ラウンジの隅にある機械でプリクラをやった。 一回3ドル。 1ドル120円と円安な今は、日本よりちょっと高めな感じだけれど、 レオパレス限定フレームが嬉しくて、二回も撮ってしまった。

ウェスティンへは35分くらいかかった。けっこう道が混んでいる。渋滞という程ではないが、ガラガラでもない。 特に、アガニャSCを過ぎて、マリンドライブに入ったあたりからが長かった。 マリンドライブは、ビーチと平行に、丘の上からホテル街を見下ろすような感じに走っている道である。 うさぎがバスに酔って辛くなってきた頃、ようやくバスはマリンドライブから坂を降り、ウェスティンホテルへ到着した。

ウェスティンに着くと、皆ぐんにゃりしてしまっていた。うさぎはバスに酔ってしまったし、他の3人は眠そう。 特にチャアはなぜかとても不機嫌だ。余裕を見てきたので、島内観光のバスが来るまであと一時間もある。 うさぎは座るところを見つけ、3人を置いて、食べ物を探しにいくことにした。朝食が軽かったのでお腹が空いている。 歩き回った方が、気分も良くなるだろうし。

ウェスティンホテルを出て歩いていこうとすると、玄関先にタクシーの運転手が何人も待ち受けていた。 「DFS(免税店街)まで乗らないか?」などと口々に言うのを断わり、数軒先のセブンイレブンへ。 どこに何があるかは、ガイドブック等で事前に調査済みである。 セブンイレブンに「セルフメイクハンバーガー」というのがあることも――。

日本と大して変わらない店構えのセブンイレブンに足を踏み入れると、そこには何とも形容しがたい臭いが充満していた。 今まで嗅いだことのない臭い、気分が悪くなり、目眩がしそうな臭いだ。食べ物の臭い? それとも飲み物? いったい何が臭うのだろうか。

息を半分止めながら、店内を一周してみる。だが、臭いの元となりそうなものは何もない。 ジュース、スナック、軽食‥。日本よりはだいぶ品薄だが、ごく普通のコンビニだ。

うさぎは、その強烈な臭いにぶっ倒れそうになりながら、セルフメイクハンバーガーを作った。 ハンバーガーのコーナーは店の一角にあり、ハンバーガーだけでなく、ホットドッグもある。 パンの中にソーセージやハンバーグだけを挟んで置いてあるので、 これにレタスやスライスしたタマネギを自由に乗せて、好みのハンバーガーを作るのだ。 チーズソースやチリソースなどもかけられる。値段は一つ$2くらい。手頃である。

うさぎは野菜たっぷりのハンバーガーを一つ作り、ケチャップと塩の小袋を多めに貰った。 これらは家での食事の時に役立ってくれるだろうから。あと、飲み物を買った。 飲み物のコーナーには、大きさの異なる派手な模様の紙コップが4種類ほど並び、 その脇にソフトドリンクとスムージー (フローズンドリンク) が何種類も並んでいる。 好きな大きさのコップに好きな飲み物を注いでレジに差し出す。紙コップの大きさで値段が決まるらしい。 うさぎはレモン味のドリンクを小さめのコップに並々と注いだ。

ドリンクとハンバーガーを持ち、外へ。思わず深呼吸をした。あの殺人的な臭いは一体何だったんだろう?

――ともかくウェスティンへ。ハンバーガーは食べでがあり、おいしかった。
ハンバーガーを食べおわり、もう一度あたりの散策に出かけると、うさぎはまたこの臭いに出くわした。 絵と小物を売る店で。食べ物など置いていないはずの店に入るやいなや、ウッ‥!! とても息のできる環境ではなく、〔こんな匂いがしていたら、店は流行らないだろうに〕と思いながら、早々に退散した。

島内観光の後、もう一度セブンイレブンを訪れると、あの殺人的な臭いは消えていた。 どうやら、臭いの根源は商品ではなく、人だったようだ。
のちに、うさぎはこの臭いの正体を知ることになる。それどころか、うさぎ自身がこの殺人的な臭いの根源となったのだ。 だが、それはまた別のページで書くことにする。

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