夕食も終ってロビーを通って部屋へ帰る途中。
	「ちょっと外見てみようか」
	「来た時は分からなかったけど、向こうはずっと海なんだね」
	「パパ、あれ何?」
	「どれ、良く分からないよ。写真とって見て」
	
チャアは何やら暗いホテルの庭に向けてカメラを構えている。
	「撮ったけど真っ暗」
	「向こうへ行ってみるね」
	
チャアは走って行くと手招きしている。
	「パパ早く早く」
	「あっ、いたいた。ほら、あそこ」
	
よーくみると木に爬虫類らしきものがいるようだ。 頭がちょこっと動いた。
	「なんかトカゲみたいだね。おおトカゲかな?」
	「うわっ、飛んで行ったよ」
	「あれ、いなくなっちゃったね」
	「あっちの方だよ、早く行ってみよう」
	
レストランの方に戻って更に階段を降りて行くと。
	「パパ、あそこにいるよ」
	「うわっ、本当だ。一杯いるね」
	「飛んでる、飛んでる。ハンカチみたい」
	「速くてビデオに撮れないよ。写真は撮れた?」
	「ううん、真っ暗で分からない」
	「でもすごいね、あんなのが飛ぶなんて」
	
	題名の通りムササビだと思うんだけど定かではありません。
	それにしても、さっきもここを通ったけどまったく気づきませんでした。
	自然の動物は隠れるのがうまいですね。
	このホテルには2種類の猿が生息しているという事で来たのですが一度も見ていません。
	同じようにどこかに隠れているのでしょうか?
	注意書きには猿に荒らされない様に窓は開け放さないでって書いてあるんですけどね。