快適なダシのとり方

粉だし

日々の暮らしには億劫なこと・面倒くさいことがたくさん潜んでいます。 家事なんて言葉は面倒くさいことの総称と言ってもいいくらい。

面倒くさい用事というのは、必ずしも時間や手間がかかることとは限りません。 一分で済む用事でも、イヤな思いをする可能性、面倒を引き起こす可能性がある仕事は 非常に面倒くさく感じます。

たとえばドアひとつ開けるのも、指を挟んだ経験があったりすると無性に億劫に感じるもの。 同じ皿でも、壊れやすいものと丈夫なものとでは扱う億劫さが違い、使用頻度に差が出ます。

わたしはかつてダシをとるのが非常に面倒でしたが、 削り節や昆布を挽いて粉にして使いはじめたらアラ不思議、ちっとも面倒ではなくなりました。 粉にする手間もあるし、少々粉っぽく網で漉したほうが美味しいので、 手間の点では以前と変わらないのですが。

楽になったのは、ダシをとったあとの削り節や昆布の処遇を考えずに済むようになったからです。 以前はダシの出がらしを捨てるのが勿体なく思えて、ストレスになっていました。 二次利用を考えるものの、出涸らしの削り節などどう食べても美味しくはないのが悩みのタネ。 それが、粉にして使うことで、捨てても惜しくない程度のカスしか出なくなったのです。

かける手間は同じでも、ストレスのあるなしで億劫さ加減はずいぶん違うものですね。 面倒くささを回避することで、日々の楽しさもずいぶんと変わってくるものだと知りました。

初稿:2007年6月28日

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