収納は間口で決まる
写真は、わたしが以前住んでいた家の本棚です。 壁の厚みを利用して作ったので 奥行きはたった23センチですが、 間口90センチ、高さ2メートルの収納量はたいしたもの。 収納スペースが倍以上あるはずの今の住まいに越してきたとき、 ここから出た本の収納場所が見当たらなくて困りました。
実質的な収納量は「収納スペース全体の広さ」より、 むしろ「間口の広さ」に比例するように思います。 なぜなら、しまったものはとりだす必要があり、 ものを取り出しにくい場所はデッドスペースになりがちだからです。
1間の押入れなら、間口は170〜180センチ。 ウォークインクローゼットの場合は、人の立ち位置の周囲の長さを足し合わせる。 すると「実質的に使える収納スペースの量」が見えてきます。
標準的な収納は奥行きが55〜90センチありますが、 家の中にはそれほど奥行きを必要としないものが意外と多い。 たとえば本の9割は幅22センチ以下、食器の9割は直径25センチ以内です。 1割の大物を別の場所にしまえば、浅い棚で充分。 奥行きを浅くし、その分間口を広げたほうが取り出しやすく、効率的です。
今の家で一番浅い棚を探したら、それは玄関にありました。 なのでとりあえず本は靴箱にしまうことにしました。 でも30センチの奥行きは、文庫本にはまだ深すぎる。 手前と奥と二重化して取り出しにくいので、 そろそろ真面目に収納プランを立てたほうがよさそうです。
初稿:2007年8月16日