色違い
娘が携帯電話のパンフレットを貰ってきました。 そこには何十色もの携帯がズラリ。 「ママだったら何色を選ぶ?」と聞くので答えました。 「全部欲しい。でもどれもいらない」。
わたしは色違いが大好き。 色違いが並んでいるだけで嬉しくなります。
子どもの頃はお年玉で買った60色の色えんぴつや120色のクレヨンが宝物でした。 でも大事にしすぎて、持ち腐れ。 色によって長さが違ってしまうのが嫌で使えませんでした。
使わずにただ眺めるだけ。 長じるにつれ、それも虚しいと感じるようになり、逆にこうした「大人買い」はしなくなりました。 とはいえ売り場に色違いが並んでいるとつい立ち止まってしまう。 そういうときには、どれか一つだけなら買ってよいと決めました。
ところが。 さんざ迷って一つに決め、後生大事に抱えて帰り、包みを解くと、 得てしてがっかりするのです。 お店ではあんなに輝いて見えたのに、一つじゃなんだかつまらない。 結局わたしが欲しかったのは個々の商品ではなく、色違いの並ぶ光景だったのですね。
こうした失敗を積み重ね、今では色違いはカタログで堪能することに。 どれか一つ欲しいと思っても、もし色で迷ったらやめておく。 他の色など目に入らぬほど特別輝いてみえる色があったなら、そのときだけ 買うと決めています。
初稿:2008年2月7日